2.初戦と実力
2ヶ月近く待たせてすいません!
iPhone水没という思わぬアクシデントで中のデータが大方吹っ飛ぶという自体が起き、最後に同期したのが随分前だったので、書いてる途中の文も吹っ飛んでしまい投稿が遅れてしまいました。
本当にすいませんm(_ _)m
だだっ広い草原に右手に刀を構えた黒髪の少年が一人。
その少年の目の前に居るのは小さい恐竜のような生き物。
グルル……と今にも牙を剥き出して襲いかかって来そうな唸りをあげる。
「はああッ!!」
少年が裂帛の気合いと共に刀を薙ぐ。
横薙ぎはバックステップで避けられたが、続け様に恐竜の頭に斬り下ろしを加える。
しかし黙って攻撃を受ける相手ではない。
斬り下ろしを横に避けると尻尾を振って攻撃をするが、彼の左手には無かった筈の五角形の盾があった。
きっとあの恐竜には素早く動いた左手は見えていないだろう。
その盾で尻尾を防ぐと、右手にあった刀が霧散し、槍になる。
そして踏み込みの加速をつけながら右手の槍を突き出した。
すると恐竜の姿は幻であったかのように消えてそこには小銭が落ちていた。
「100イーンか。まあ最初の最初だしこんなもんだろ」
そう、少年こと星野充月は今現在ゲーム内の世界に居る。
ちなみに1イーン=1円だ。
=realの開発スタッフが円の英語読みであるイェンに掛けているらしい。
見た目も完全に日本円そのもの。
ここまで来ると手抜きを疑っていいレベルだ。
「うーん、やっぱりコントローラーと自分の感覚じゃあ全然違うな…武器の切り替えが相当遅くなってる」
充月本人からすると遅いらしいが、正直傍目から見ればこの早さは異常だ。
武器の切り替えのやり方は、コントローラ時ならメニューを開く→武器一覧→武器選択
という手順で行う。
最大で5つまで、武器にコマンドを割りあててショートカットすることもできる。
つまり、武器変更の動作をメニュー→ショートカットコマンドに、短縮できるのだ。
VR版では空中に五芒星を書いてメニュー出現させるため、空中に五芒星を描く→空中で指をスライドさせて武器一覧を表示→武器をタップ
という風になる。
武器の切り替えはショートカットを無しにすると、普通のプレイヤーは約4秒、熟練者になれば約2秒、対人ガチ勢になると1秒かかるかかからないかで切り替えられる。
「0.8秒……まあ1秒くらいかぁ…前の最速までは程遠いな…」
ちなみに言うと充月の最盛期の武器の切り替え速度はショートカットを使わずに0.4秒だ。
まあ、今の0.8秒でも十分過ぎる程に早いのだが。
「うーん、明日学校休みたいけどなぁ…」
だが正直そんなことは綾花が絶対に許さないだろう。
ウチは両親が海外にいるため、月の初めに生活費+娯楽費が仕送りされる。
まあ、何故両親が海外に居るのかについては簡単。
あのバカ夫婦がフランスのパリに旅行した時に父さんと母さんが「ここに住みたい!」とか言い出して俺は嫌だから必死の抵抗を見せたら
「なら私達はパリに住んでそっちに仕送りするからそっちはそっちで生活すれば万事解決じゃない?」
とか言ってどう考えても万事解決にならないであろう策を持ち出した。
正直俺としては気楽でいいんだが、綾花の面倒とか、家事とかもいろいろやらなきゃいけないから渋っていた。
だが、綾花が予想以上に乗り気でその策に乗ってしまった為、説得するのが難しくなり、結局最後まで反対したけど物量で負けてしまった。
まあ、何が言いたいかというと。
妹と2人暮らしをしてる訳だ。
そして俺には妹という守るべき存在が居る。
だから俺がしっかりしてないと…って言いながら綾花の方がよっぽどしっかりしてるから家計とかは全部綾花が管理してるんだが…。
いや、もちろん手伝いはするが、俺の担当は掃除とか雑務しかやらない。
いや、出来ない。
独り立ちが危ないレベルで家事スキルが無い俺には料理なんて作れない。
前、綾花に卵焼きを教えてもらったのだが、出来上がったものは程よい焼き加減でボロボロになったスクランブルエッグの出来損ないのようなものだった。
綾花曰く「兄貴って本当料理出来ないのな…まあウチが毎日作ったげるから別にいいけどさ」
だ、そうだ。
流石に俺も独り立ちしなければならないので「いや、俺も一人暮らしとかしてかないとだし、いつかは綾花にも食わせてやりたいしな」
と言ったら、綾花は大きくため息を吐いたあとに少し笑いながら
「じゃあ期待しとくよ」
と言った。
その時の笑顔が本当に我が妹であることを忘れそうになるくらい可愛くて…ってそんなことはいいや。
とにかく明日学校休むのはやめとこう。ということだ。
あとで綾花に何言われるか分かったもんじゃない。
そう思って今何時かを確認するとまだ9時だ。
「じゃああいつらに会ったら…でもあいつら今日バイトあるから明日からインするとか言ってたな…んじゃ少しでも進めるか。で、その後に風呂入ろう」
そう言った充月は草原を歩き始めた。
待たせた割にはほとんど話が進まないという罠。
これに関しても申し訳ないです。
えーっと、感想と評価待ってますw