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プロローグ

お久しぶりです。

また新しいの始めました。

 楽しい楽しい毎日。やりたかった仕事と頑張った事によって得られた名誉と地位。バリバリのキャリアウーマンとして働いてきたから、お局と呼ばれる年齢にまできてしまったけれど、後悔はないしむしろ喜びに溢れている。まだまだ私はやりたいことをして生きていく。そうだな、一つの区切りとしてそろそろ結婚もいいかもしれない。でも絶対に仕事はやめない。それが私の生きがいだもの。


 なのに、どうして?


「ぐ、っかはっ…」

 胸が苦しい。痛い痛い痛い…!脚が!腕が!腹部が!痛い!!全身が焼けるように熱い!!

「きゃああああ!!」

「うそ!事故?!」

「大丈夫ですか!しっかりしてください!誰かっ…!」

「救急車!早く!」

 どくどくと流れていく真っ赤な血。私の体内を流れていた血がアスファルトに広がっていく。

「あ…う、」

 今から取引が…あるのに。これは大事な仕事なのに。新人君が…佐藤君が初めて一人でする取引なのに…私が見て、見てやらないと…。

「和馬さん!!かずっ…和馬さんっ…!」

 なんてことだ。トラックめ。あぁ…トラックのお兄ちゃんが運転座席から引き摺り下ろされるのが見える。青い顔。額から流れる血。酷い隈。…ブラック会社か。生きろ、青年。いや、私もか。

「さ、とう…くん」

「和馬さん!きゅ、救急車っ…いま、今から来ますからっ…!」

 イマドキのおしゃればかり気にしていた新人だったけど…仕事振りは真面目だから気に入っていた佐藤君が…泣きそうな顔をしている。軟派な顔でいつもヘラヘラしていた顔がくしゃくしゃに歪められている。

 泣くな、馬鹿たれ。いつものお局様って言ってからかってくる時の顔はどうした。

「あとは…まか、せたっ…うぐぅう!」

「ゆ、遺言、じゃないですか!や、やめてくださいよお…!」

 目の前が霞む。死ぬのか、私は。29歳の若さで?まだやりたいことがあったのに?もっともっと働いて、若い子を扱いて、自分を磨いて…老後は海外でゆっくり過ごそうと思っているのに…?

「和馬さんっ…!!」

 死ぬのか?いやだ。いやだ。生きたい。私は、まだ死にたくない。生きたい。生きたい。



 生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。



 神様仏様…こうなったら何様でもいい!!私を生かしてくれ……………!!



『その願い、しかと受け取った』



 その声を聞いた後、私の意識は黒く塗りつぶされた。

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