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TSよわよわVtuberはバズっても外には出ません ~かわいくなったら余計他人が怖くなったんだけど!~  作者: あずももも


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36話 日常的なゲーム実況配信1

「まだ居ますね? 話を聞いていますね先生?」


【ひより「はい……数学の問題集やってます……」】


「良いですか、丸つけして正解の式を理解しながら書き写すまでがセットですからね。手を動かすだけじゃ時間と労力とページとインクの浪費ですよ先生」


【ひより「はい……」】


「数学は公式っていう暗記を基礎問題で漢字の書き取りみたいに解いて覚えて、演習と応用問題で他の公式とかと組み合わせる練習をするものなんだって、この前聞かれたとき言いましたよね?」


【ひより「はい……本当に数学の成績上がりました……」】


「なら、分かりますね? 基礎問題までなら、ながらでも良いです。手で覚える暗記作業ですから。けど……分かっていますね?」


【ひより「はい……」】


よし。


こんな僕でも勉強はしていたし、勉強しかできなかったともいうし。

年長者として自慢できて役に立てるのはこれしかないんだ。


大切な先生に赤点とか取らせてイラストに影響が出たら困るし、追試とか補習とか講習とかで時間が取られるのももったいなさ過ぎるもんね。


「良いですね? 成績が悪いせいで学校の先生監視の下もう1回勉強させられるよりは、めんどくさくても効率的にさっさとやるんですよ? 絵を描く時間、必要でしょう?」


【ひより「はい……」】


先生には嫌われても良い。

いや、むしろ嫌われた方が良い。


こんな配信に入り浸っている――しかも相手は冴えない年上の男のに――な、危なっかしい女子生徒(予想)の、ひより先生。


このままだと、僕に飽きた次は僕に似た男の配信を求めるようになり……そして僕みたいに精神的物理的な制約で外出できない男なんかより、女の子のためなら飛行機にすら乗るのが大半の男から誘われて――ってなったら一大事だ。


そんなのは現実に普通にある話としてごろごろと転がっている。

女性は――少女というものは、行動力在る男に口説かれるのに弱いんだ。


そんなのが彼女のムイッターとかイラストに現れてみろ、主に僕の脳みそが破壊されて本当に人生が終わる。


それだけは回避しないといけないんだ。


もっとも、女性は男とのラブストーリーの数だけ幸せになるって言う。

だから、それをするなってわけじゃないんだけども……うん、ダメだ。


先生を知っちゃってる僕だからこそ、そういうのは嫌なんだ。


男は馬鹿だから、女の子が意味もなく男に――


「ろろろろろ……ふぅ」


さっと後ろを向いてげぼっとしてふきふき。


「……僕は先生のイラストが大好きなんです。そのイラストが1枚でも減ったら困るんです」


【ひより「はい……基礎問題解いたら残りはアーカイブで聞きます……」】


「よろしい」


【草】

【草】

【めっちゃ押しまくるこはねちゃん】

【コミュ障はどうした】


【先生相手は無敵だぞ】

【え、ママ相手に?】

【ママ相手に】

【えぇ……】

【草】


【やさしい】

【言ってること自体はマジでその通りなんだよなぁ】

【それを、以前数学が苦手って言ってた先生にアドバイスするのはマジで優しい】

【考え方ひとつで変わるからねぇ、勉強って】

【俺も、もっと早く知っていれば……】


【個別の問題教えられないからって勉強そのものを教えるとかすごくない?】


【実際すごい】

【これで……コミュ障……?】

【もはや家族の分類なんだろうよ】

【あー】


【百合……いいね】

【純愛か】

【てことはこはねちゃんの方が1歳2歳上……それとも早熟タイプ】

【なるほど】

【辻褄は合うな】


【尻尾振ってくる後輩にツンツンしながらも優しく教える先輩】

【そして2人はやがて百合の花を……】


【※自称25歳成人男性です】


【※ただの自称です】


【なんだ、ただの自称か】


【ぜんっぜん信じてないコメントで草】

【草】


【これだけ気心の知れたやりとり……やっぱリアルJK疑惑のひより先生とこはねちゃんは……】


【しーっ】

【そういうのは外でな】

【りょ】

【こはね×ひなたはどこに投稿すれば良いですか?】


【けど、今一瞬……いや、気のせいか……】


先生へ、がつんとクギを刺した安心感でひと息。


胃袋も痙攣が収まったからゼリー飲料でなだめ、そしておもむろにアルコールをオープン。


「まだ夕方だし、とりあえずで焼酎かなぁ……炭酸炭酸っと」


【草】

【草】

【え? 今の発言、一貫性あった?】

【ないね……】


【なんかちょっと黙ってたと思ったら……】

【隙あらばアルコールの影】

【草】


【ロリヴォイスで飲酒発言するなよ草】


【合法ロリ……いいよね……】

【いい……】

【酒豪合法ロリだとしたら最高だね】

【分かる】

【最近はコンプラのせいで供給が少なくなってなぁ……】


「うんうん分かる分かる。どう見ても他のヒロインたちより年下で、なのに先生とか偉い立場で、なのに飲んだくれてて。ザルでも良し、弱くてすぐに潰れたりへべれけになったりからみ酒でもそれはそれで良し。そういうキャラって良いよね。ロリでも良し、大人のお姉さんでも良し。……そっか、ロリは今どき厳しいのかぁ……自主規制で。悲しいね」


【かなしい】

【かなしい】

【こはねちゃんはなんでもわかってくれる……】

【きゅんっ】

【わかる】


こくり。


水割りでちょっと薄まっているけども、おかげで吐かない程度には胃が受け入れる刺激が喉を通過する。


うん、分かるよ。

僕も正直、そういうキャラは好みだ。


そして鏡を見ると、そんな子が常に視界に入り続ける今も、正直……。


【わかる】

【いい……】

【全てを理解してくれるロリ】

【しかもその属性を自ら体現しているロリ】


【TSロリ】


【ショタ……?】


【TSっ子って手はないかな】

【ショタじゃなくて?】


【しっしっ】

【草】

【何争ってんだよ草】

【なぁにこれぇ……】


【うん……ここに残ってるのは純粋なファン1に、変なの9だからね……】


【草】

【「変なの」はやめて!!】

【それってほぼ変なのじゃない?】

【違うとでも?】

【さすがにひとくくりにされると凹む】

【草】


「……んじゃ、今日も、とりあえずでいつものやりますね」


コメント欄も、今やお酒に頼ればなんとか耐えられるレベルにはなってきた。


……もっとも、この前、炎上っぽくされた恨みを最大限に思い出しながらではあるけども。

実はそんな恨みは思い出さなければ忘れるくらいなんだけども、とにかくあらゆる怒りを込めるんだ。


「ばーか」


あっ。


【!?】

【唐突な罵倒!!!!】

【あっ……(尊死】

【なんだこのロリ……需要を弁えている】


【ひより「    」】


【あっ】

【草】

【ひより先生のことじゃない……はずだから……】


【キャラブレブレじゃない?】

【そこはまぁ、実質デビュー数日だし……】

【個人勢でってこと考えたら、1ヶ月くらいでやることころころ変わるのも普通だから……】

【方向性が定まってないからこその特権でもあるしな】

【ほんそれ】


【唐突な罵倒……良いぞ、もっとやれ】

【メスガキ路線も良いぞ!】


……思わずでつぶやいちゃったけども、どうやらご褒美と受け取ってもらえたらしい。


良かった……けども、この体、なんだか口も軽いんだよなぁ……やっぱ女の子だから?

いやいや、女の子でも静かな子とか人は普通に居るし……あくまで平均値とか傾向が……ってことなのかな。


「……僕は反射神経とかダメなので。ほら、体育とか毎回なぜかお腹痛くなって保健室送りだったし、そうじゃなくても球技とか団体競技は壊滅的で……なんにも考えなくて良い小学校前半までは、ケガばっかだけど普通にできてた気はするんだけどなぁ……才能とかなくって。悲しいね」


ゲームは良い。

あくまで目と指先しか動かさなくて良いから。


限定的な動きなら、こんな僕でもなんとかなるんだ。

何よりも、疲れないし……目は悪くなりそうだけどさ。


あと、接近してくる物体と人が怖くない。


たぶんこれが、1番大きいんだ。


「運動神経、反射神経、体力、球技への耐性、集団行動への適性。ああいうのってさ、たぶん産まれた瞬間にある程度決まってるから。僕みたいなのにはそれがなかったから」


【わかる】

【わかる】

【運動ってな、生まれつきが大半だから……】

【それな】


【どんくさいって言われても、しょうがないんだよなぁ】

【それ治そうとして「どんくさい」なんだもんな】

【治そうと私なりに努力して、それなんだよ……】


【うぅ……】

【つらい】

【かなしい】


【こはねちゃん……辛い思いを共有する俺たちに、何かご褒美を……】


【草】

【話が繋がってないぞ草】

【でも悲しい気持ちに、なにか……なにかご褒美ほしいよぉ……】


「うんうん、気持ちはよく分かるぞ。僕も学生時代は地獄だったから……ふむ」


ちょうど試合の待ち時間とあって、ちょっと思考。


「……あくまで妹。妹から聞いた話なんだけどさ」


【お】

【うんうん、妹ちゃんの話ね】

【分かった分かった、妹ちゃんのね】

【分かる分かる(棒】

【お兄さん、妹さんをください!】


「あげないよ……じゃなくって」


そもそも優花ってば、あんまりに美人さんでなんでも出来すぎたせいで、毎年最初に何人か出るらしい嫉妬で突っかかってくる女子すらすぐに諦めるレベルに飛び抜けてるせいで、中学からは高嶺の花だそうで。


告白とか絶対されてるって思ったら、「そういうのはありませんし、あったとしても兄さん以上の男性は居ませんから」、だって。


本当かどうかはさておき、実際男の影は……いや、今どきは珍しいプラトニックな感じならあるのかな?

僕としては、優花が見初めた相手なら存分に恋愛とかしてほしいんだけども……まぁいいや。


「女子だって、男子への好みってさ。全員が全員、スポーツが出来たり気が利いたりイケメンとか筋肉ある男が好きなわけじゃないんだってさ。ほら、僕たちもマンガとかのヒロインたちって、結構好みが分かれるでしょ? あんな感じで、僕たちみたいなドジでマヌケで男相手にすら満足に話せずに挙動不審で気持ち悪くって……あ、ごめん、吐いてくるのでマイク切ります」


ぽちっ。


指さし確認、良し。


がさり。


エチケット袋、スタンバイ。


「おろろろろろろ」


焼酎とゼリー飲料の匂いと味のするリバース。


……あ、食べものじゃなきゃ意外と楽だな、嘔吐って。


今後、配信は食後3時間は経ってからだな。

あと牛乳の匂いで結構……いや、ちょっと時間を置いたヨーグルト臭が。


「新規こわい……けど、できたら最下部↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】とか応援コメント、まだの人はブックマーク登録してぇ……」

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― 新着の感想 ―
ためになる勉強法?というか数学の勉強の真理?を教えれるこはねちゃんしゅごい! うーん、もはや吐くのがデフォルトじみてきたwww
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