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春休み、ボク、ダンジョンに行きたい! ~いじめられっ子巫女がんばる!(だって戦闘巫女♀←♂)~  作者: 夏風


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21 作戦会議(勇者×山木賢者) 日原ダンジョンと四つの断層(フォトイラスト)


 剣奈が夕食を食べ、お風呂に入った後、ライムライブで第三回作戦会議が開かれた。


「山木先生、タダッち、今日すっごい成果があったよ!」剣奈が興奮しながら叫んだ。

「そうか!すごいぞ」山木が微笑みながら褒めた。

「すごいね、剣奈ちゃん聞かせて」藤倉も負けじと褒めた。


「えっとね。今日はお水エリアと神社エリア、さらには巨岩エリアにダンジョンエリアにも行ったんだ!」

「すごいね。全エリア制覇したんだね」

「すごいよ剣奈ちゃん!さすがだよ!」

「えへへへへ。それでね。ダンジョン散策の基本、マップ作成を行ったんだ。スクショ送るね」


 剣奈は手書きのメモが書き込まれた地図のスクショを取り、グループライムに送った。


 ――剣奈メモ


「地獄谷。玲奈姉への手掛かりの可能性。闇坂村で玲奈姉が「篠の道」に入った場所と似てる?」


「三途の川。玲奈姉への手掛かりの可能性。「篠の道」へのアクセスポイントかも」

 

「オガミ所。神秘的な場所。水脈の聖地。異世界に向かうには最適かも?」

 

「梵天岩、籠岩、ともに神聖。見守られている雰囲気を感じる」

 

「ガマ石、賽の河原、縁結び観音様、金剛杖、白衣観音様、みんなの思念が集まっていそう。思念の繭が形成されやすいかも?」


日原ダンジョンで探検する剣奈フォトイラスト

挿絵(By みてみん)


 ――――


「なるほど。かなり情報が集まったね」

「うん!それで山木先生、あのあたりの活断層情報をクニちゃが知りたいって」

「お安い御用だよ。日原ダンジョンの近くにあるのは名栗(なぐり)断層と鶴川断層だよ」

「二つもあるんですね」

「そうだよ。近いのは名栗断層だね。日原ダンジョンからは、南東から東寄りにかけて五〜十二kmほど離れているよ。断層は谷筋に沿って北西から南東に向けて伸びているんだ。断層面傾斜は高角でほぼ直立してるよ。長さは十四km。ただし立川断層帯につながっていて、それと合わせると三十三kmになるよ」

「なるほど!」

「鶴川断層は日原ダンジョンから南から南西あたりに十二kmほどはなれているよ。鶴川断層は山梨県東部から神奈川県北部にかけて走っている。走向は北西から西北西、そして東南東になる。傾斜面は直立だね」

「おおお!どっちも断層面が垂直なんだね!」


 剣奈がわかっているようなことを言った。もちろん剣奈には日原ダンジョンからの方角以外、さっぱりわかっていなかった。


「ただ、名栗断層も、鶴川断層も、それほど活発とは言われてないんだ」

「ふうん。じゃあダンジョン内の世紀の大断層は?」

「そうだね。たしかにあの断層はくっきりと断層面が出ている。だけど活断層だとの報告はなされてないんだ」

「なるほどぉ。クニちゃが「日原ダンジョンには、はぐれ邪気しかいないってことかな」って言ってる」


 剣奈がほっとしたような、ちょっとがっかりしたような声で言った。


「いや。どうだろう。名栗断層が立川断層につながってるといったよね?」

「うん」

「立川断層は、関東東部の埼玉県飯能市、名栗村(旧名称)付近から東京都の青梅市、立川市、国立市、府中市まで伸びる断層なんだ。長さ三十三km。北西から南東方向に延びてるよ」

「えー?じゃあうちの近くまで伸びてるってこと?」

「そうだね。かなり近いね。そして立川断層はかなり活発な断層なんだ」

「えええええ!」

「想定地震規模はマグニチュード七.四。多摩武蔵野台地とその北側の丘陵地帯で大きな揺れが予測されているんだ。具体的には「立川市」「武蔵村山市」「昭島市」「国立市」「国分寺市」などで断層直下型の大地震が起こる可能性が警戒されているんだ」


「えっと……じゃあ関東大震災の?」

「いや、関東大震災は「相模トラフ」の「プレート境界型(海溝型)」の巨大地震だったよ。震源は神奈川県沖の相模湾海底で、マグニチュード七.九だったんだ。だから二つの地震はちょっと性質が異なるかな」

「そうなんだ(わかってない)。あの……、立川断層の地震はいつごろ起きるって言われてますか?」

「そうだね。今後三十年以内に発生する確率は0.5%~2%程度と推定されてるよ」

「なるほど。じゃあまだ地震発生まで間がありますね」

「うーん。安心していいかというとそうでもないんだ。立川断層の平均活動間隔はおよそ一万年から一万五千年とされているんだけどね。最後の活動からすでに数千年以上たってるんだ。だからね。今後数十年から数百年の間にいつ地震が起きてもおかしくない段階に入っているんだよ」


 剣奈はマップの余白に「立川断層。ボクがもっと強くなったら立ち向かう必要あり」とメモをして大きく丸で囲った。


 嬉しそうに話す剣奈を見る藤倉の目はギラギラしていた。

 

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