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魔法はまた、あくまで1つの世界形成の手段でしかなかった。
今から遡ること三千年以上、世界と取引を試みた人間がいた。
世界は天、地、聖、魔の四つの界からなる。
それらの界の中で、人間が属する地は突飛つしたものがなにもなくこれでは公平でないと人間が訴えたのだ。
そして取引は、成功した。
人間には魔法、それらを扱うに等しい知能が与えられた。
けれど、世界はあまり公平を気にしてはいない。
人間に魔法を与えるということの対価を、その人間ただ一人に重く課したのだ。
人々は自らに対価を求められた訳では無かったので何も気にしなかった。
そして、その対価の内容も人間の歴史においてすべてもう知ることはできない。