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さわりの一幕
男は思った。
つくづく俺は運が無い。
仕事は上手く行かずにプロジェクトを外された。
2年半付き合っていた女性は既婚者だったし。
さっきも見たくも無いものを見させられた。
アレはなんだ。本当に何なんだよ。
急に空から落ちてきやがってよ、本当に頭に来る。
絶対に面倒事が絡んでくるだろうし
俺は市民の義務とし警察に通報だけしてその場を
去る事にする。
これ以上自分の人生の運気を無駄にしたく無い
と言うのが正直な思いだ。
しかし、男はそんな想いとは裏腹にさっき遭遇した
面倒ごとを思い出していた。
「なんで、あの女は嬉しそうに笑顔で落ちてきやがった
んだ?」
男は聞こえるか聞こえない程の声で呟いた。
脳裏に先ほど遭遇した最悪で最低な気分をくれた
美しくも歪で歓喜に溢れた女の顔を消えない記憶
として脳内メモリーに刻み込みながら。