親が作ってくれたラスク
ざく、ざく、ざくり
子どもたちははしゃぎながら食べる
床や机に欠片をこぼしながら
さくり、さく、さく
見守る大人たちも頬緩ませて
少しずつラスクを咀嚼する
さく、さく、さく
一人の子どもはおそるおそる
未知の食べ物を口に含んで
さくさく、ざくざく
美味しいとわかれば次々と
他の子に負けじと食べていく
ラスクを作った当の本人は
今はここにはいない
会うことすら叶わないけれど
頑張って同じように作ってみた
懐かしい味は再現できないけれど
今の子どもが笑っているから