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捏造の王国

捏造の王国 その49 ガース総理ワクチンも注射器も医療従事者も足りません!それって一体誰のせい?

作者: 天城冴

春一番が吹き荒れるニホン国では新型肺炎ウイルスも大流行中。ありがたくない流行を抑え込むためのワクチンは確保が難航。落胆するガース総理に追い打ちをかけるような声が…

春一番が吹き荒れ、暖かい日差しと冷たい風が交互に訪れるニホン国。数年前までなら、浮かれ気分である上下の国民も、手放しで喜べる状態ではなかった。

「ああ、や、やはり間に合わないかもしれないのか」

と、電話の声にがっくりと肩を落とすガース総理。

『は、はい、その、あの契約ですとワクチンは年内に揃えばいいということで、し、しかも努力義務』

しどろもどろに答えるタニタニダ総理補佐官の声に電話口で思わず

「な、なんで、そんな契約なんだ!ニホンの官僚はそんなに無能なのかー」

“だって、貴方が無能をそろえたんじゃないですかー。人事権握って暗に脅してえ”

怒鳴ってしまうガース総理に冷静かつ耳の痛い忠告の声を聴かせるのは毎度おなじみとなった地獄の書記官。今回は古典的な黒塗りの電話の受話器をのっとったらしい。

「(わー!な、なんて紛らわしいとこから!こ、これではタニタニダ君と話ができん!)と、とにかくワクチン接種完了が国際大運動大会の開催に間に合うように、何としてでもワクチンを確保しろ!」

『わ、わかりました』

と慌てて電話を切ったタニタニダ総理補佐官が言い終わったそばから

“あれえ、まだアレ開催するつもりだったんですかあ?いや、閻魔様も大笑いのダークすぎるジョークですねえ。あれほど組織委員が、時代錯誤の頭の回らないどうしようもない人々だって世界的にバレてて大丈夫なんですかあ”

「う、うるさい!人事も刷新したし、じょ、女性もつけたし!」

“はあ?しちゃいけないはずの政治的介入ってやつで、あのハジモトさんを後釜につけたんですよねえ。後任の大臣はドアホな言動で前に降ろされた人ですよねえ。しかも前のモンリさんのお弟子さんでしょ、お二人ともお。いや院政っていうけど、これほどあからさまっていうかあ、ミエミエのやりかたしかできないなんてえ、人材不足なんですねえ”

「そ、それはだな。と、とにかく人を変えたし、大会は開催…」

“そんなこといっていいんですかあ?感染者また増えだしましたよねえ、検査縮小してるって告発もありましたしねえ。ま、宣言なんてだすより、片っ端から検査して、隔離する、軽症のうちに抑えるとかあ。あ、漢方とか健康法をひろめるってのも、よさそうだけど、やらないのはなぜですかあ?漢方薬が使われたら、原料が中国頼みで、不足するからですかあ”

「ぎゃー、そ、それは、その…」

“まあ、先に内緒で、打ったのも中国由来のワクチンだったって話ですよねえ。で、今度は予防効果のあるものを自分らで独占しようって、これも利権ですかあ。あ、ワクチンの専用注射器も不足してえ、隣国に泣きついたんですねえ”

「ひいい、そ、それは言わないで…」

“言ったら、政権の盲信者ネトキョクウの人たちがあ、発狂するからですかあ?もうしてますけど。まあ、頭おかしくなきゃあ、貴方がたなんて支持できませんよねえ、最初に信じた政府が間違ってましたって言いたくないがために一緒に心中するつもりなんですねえ。学習能力ってものが、ないんですねえ。お気の毒に。はやくあの世に行っていただいて地獄で矯正してあげたほうがいいんですかねえ”

「な、なんということを!ま、まさか、この間の地震は!」

“うーん、それねえ。難しい問題なんですよねえ。貴方方の処遇にどこの神様もお怒りなんですけど、どこまでの責任かあ、もめてましてえ。ニホン国民全体か、ジコウ党の支持者かあ。協力者っていうか、自称学者のヨツウラさんとかコイチさんとか、ダガス院長とかあ、貴方方のおかげで日の目を見た人々はあ、当然責任はあると思われますけどお、その範囲はどこまでってことでえ”

「それは、その最悪ニホン全体…」

“まあ、流石にい、基地を押し付けられて実質差別されている、オキナワン県とかあ、北のアイヌ民族の人達とかわあ、免れるでしょうけどお。どこまで罰というかあ、罪を償わなきゃいけないかって、まあ未成年でもお、勘違いしてSNSとかで害悪をまき散らす子もいるんでえ。そこらへんの線引きですがねえ。でえ、ちょっと荒っぽい神様とかがあ、先走ってえ、いわゆる首都圏全体とかあ、近畿とかあ、九州とかあ、今のジコウ党の基盤を潰すとか”

「ぎょええええ!ま、まさか、フクイチが壊れる上に、な、南海トラフとやらが」

“あ、少しは理解したんですかあ?レクチャー聞いてもわかってないもんだとおもってましたけどお。確かに、いろいろやらかしてくれたのはあ、貴方方ですけどお、それを黙認したのはあ、支持したニホン国民ですしい。野党支持者はあ、違うんでしょうけどお、ジコウ党支持者を放置したってことでえ”

「それにしたって、あまりにも乱暴な話ではないか。私たちのせいで支持者も一緒くたに、ひょ、ひょっとして、子供や孫も」

“まあ、ガースさんのお子さんは共犯ですよねえ、なんたって官僚接待して利益得てるんですからあ、いかに誤魔化そうったって、我らの閻魔大王までは騙せませんよお。それにい、一部ではあ、孫や子供が良い環境で、良い教育をうけていい職につけるのはあ、親があ、そういう不正に加担したせいでもあるからあ、孫や子があ、そこらへん認識してない場合はあ、共犯といってもいいのではないかとお、そういう意見まででてましてえ”

「た、確かに大学進学は親の年収に左右される面はあるが、って私はだなあ」

“内緒で金もらってたのはあ、お姉さまにばらされてますよお、ガースさん。それにい、貴方の息子やあ、弟さんはあ、貴方のコネつかいまくりでえ、いいとこに就職させてもらってるじゃないですかあ。才能があってもお、保護者の資金難でえ、学校にいけない子がたくさんいますしい。不足しているっていう、看護師さんの学費さえ、出してやってないじゃないですかあ。オーサカのメイジの党なんてえ、看護師学校減らしてえ、公立病院の医療従事者は金食い虫扱いしてたくせに、不足するとお、近県からかき集めようとしてますしねえ。いやあ、金の亡者っていうか、目先のことしかわからない人って理念どころか恥も記憶力もないんですねえ。まあ支持者もそうみたいですけどお”

「ほ、他の党はどうでもいいんだ!わ、わがジコウ党のし、支持者も」

“だってえ、貴方方のここ一年の失策をみてもお、ジコウ党の支持者は何もしてませんしねえ。レイワンとかあ、共産ニッポンとか野党の議員があ、一生懸命金配れと主張したりとか政策を出したりい、ボランティアで困窮した人助けてるのもお、そ知らぬふりっていうかあ、自分には関係ないしい、でしょお。そんなことだからあ、ウイルス対策も失敗してえ、それでも貴方方はおとがめなしでいいって言っちゃうんですよねえ。だから、もうしょうがないじゃないですかあ。不正に加担して目をつぶった親もお、それに乗っかって他人を見下してた子供たちもお、一緒くたにつぶしてしまえってなりますよお”

「い、いつ地震は起こるんだ!ひょ、ひょっとして大会開催…」

“教えられるわけないでしょお。地震じゃなくてえ、噴火とかあ津波とかあ、ウルトラなあ台風かもしれませんねえ。あ、ニホンでウイルスの超変異株発生って可能性もかなり高いでしょお”

「そ、そんなあ」

“自然災害が多くてえ、経済も陰り気味なのにい、自分らの利権やら既得権益やらにしがみついて、ちゃんとした政策しなかった報いですねえ。資材不足に人手不足。フクイチの始末もできてないのに、国際大運動大会なんて誘致するからですよお。あ、ワクチン打つ人だけは、確保できるかもしれませんよお。イギリスでは一定のレベルの人に簡単な講習受けさせてワクチン接種に従事させてるらしいですねえ。ガースさんもお子さんや奥さんに受けてもらって、ワクチン打ってもらったら、どうですかあ?いっそジコウ党の人全員、オーサカのメイジの党なんて全然足りないんだから、議員で講習うけて打ち合えばいいんですよお”

「む、息子?め、メイジの議員連中に?」

彼らにワクチンを打ってもらったら?考えただけで身震いするガース総理。

「そ、それだけは。せ、せめて共産ニッポンのコイケダさんとか」

“あの人もともと医者ですからねえ。だめですよお。コイケダさんとかあ、医療資格をもってたあ、野党議員はあ、困窮してる人々にワクチン打つ手伝い参加してもらう予定なんですからあ”

「わ、私は総理なんだぞー」

“なら、この長官時代からの政策の大失敗の責任をおとりになるんですねえ、関係者全員と生きたまま地獄送りですかあ?それとも洗いざらい自白して裁判ですかあ?それとも…”

「わーわー!」

パニックになって喚く総理に救いの声が

『ガース総理?そのワクチンですが』

「シ、シモシモダ君か、ど、どうしたんだ」

『そのワクチン接種後、変異種の感染者が出まして』

「ひいいい、もう出たのか!わ、ワクチン打ってもだめなのか!」

『まあ、その、一回だけというのもありますが。二回接種で効果を発揮するワクチンの上、その二回目の確保が』

「二回目は!」

『輸出元の空港で検疫中ですが、いつ終わって、いつ輸出の許可が出るのか、その』

“あ、これはウイルスで潰れるフラグってやつなんですかねえ”

ダメ出しの地獄の書記官の声に思わず受話器を落とすガース総理。

(ワクチンも駄目かも。こ、これはやはり国際大運動大会も、トラベルキャンペーンもあきらめて、ウイルス対策、災害対策、原発処理対策に全力を注げということなのか。し、しかし便通はつぶれるし、利権のうまみが水の泡…)

国民のために働くという自身の言葉の意味すら本当は理解していなかったガース総理であった。


どこぞの国では、ワクチンもロクに確保できず、専用の注射器もなく嫌悪している隣国に泣きつくという悲惨な状態になっているようですね。しかも与党内で非科学的主張がなされているとか、されていないとか。いや、こんな風になったのは一体誰のせいということになるのでしょうか。無能政府か、助長したマスメディアか、議員の言動や公約の実現の有無もチェックもせず選挙にもいかない国民か。どちらにしろ最悪一緒に沈むことになりそうですが。

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