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8歳年上のキャリアウーマンと別れた後の私の頭の中

作者: ryo.twill

数ヶ月前にキャリアウーマンと別れました。

結婚前提で同棲していました。

別れた際、私は「異常者、おかしい、病気」と言われました。

今では本当に薬がないと生活できない身体になりました。仕事も失いました。

私には何も残ってないです。

いつか本当にしてしまいそうです。

私の気持ちをどこにも吐き出せないから、書きました。

ザアザアと雨が降る。

頬から顎にかけて滝のように滴が流れる。

それは、雨か涙がわからない。


どこから間違ったのか、どこまでなら許されたのか、今となってはどうでもいい話。


目の前に横たわる細い身体からは生気を感じられない。じわじわと広がる赤い血溜まりをボゥっと見ながらも頭は冴えていた。


人を殺す


そう決めてからの私の行動は早かった。

すぐに退職届を出し、身辺整理を始めた。

幸いなことに私は独り身で、私がどんなことをしても悲しむ人はいない。


相手の居場所は明確にはわからなかったが、おそらくここにいるという勘を頼りに計画を練った。


正直ワクワクしていた。

人を殺すことにではない。

何かに集中したからだ。

それまでの数ヶ月、私は何をしても無気力で、生きているとは言えない状態だったと思う。

いつ死んでもいい。

こう思ってからは身体が軽い。

自分が何でもできるような気持ちになっている。

死ぬのも怖くない。

捕まるのも怖くない。

こうなったら、自分のしたいことをしようと思い、人を殺す計画を立て始めた。


不思議なことに、死を意識し始めてからとても健康な生活が送れている。

また、不安や心配がなくなった。

精神も身体もとにかく軽やかだ。


私の計画はこうだ。

まずは住所を正確に特定する。

この方法は郵便局の追跡サービスを使えばまず、どの区にいるかまでは正確に特定できる。

その後、そこからどこに住んでいるか探すのは簡単だ。

実家近くなら実家を張り込む。職場近くなら職場を張り込む。


幸いにもすぐに見つかった。


次は殺し方だ。

正直なとこ虐殺するつもりはない。

ただ殺したいだけだ。

だから、出来るだけ苦しまずすぐに死ぬように殺してあげたい。


一度は好きになった相手だ。

最後は優しく殺してあげたい。


決行当日。

雨が朝から降っていた。

職場から帰っているところを狙う。

フードを被り背後に回る。

相手が油断しているところを素早く刺した。

思っていた以上に死ぬには時間がかかった。

何度か瞬きしてこちらを見た。

おそらく、何か言いたかったのかもしれないが口からは声ではなく血が溢れ話せない。

実際は数十秒間の出来事だっただろうが、私にとってはとても長い時だった。


芋虫のように足掻いている姿は、必死で生にしがみつこうともがく昔に愛した人。


残念だけどしかたがない。

これが私を悩ます存在だから。


動かなくなった。

私は笑顔になった。


これから警察に行く。前にいろんな人に連絡する。

私はこんなことをしたことを知ってほしい。

初めは誰に連絡しようかな。

そうだ、この人の両親に連絡しよう。


私はワクワクしながらスマホを屍の服から取り出した。

死んでも指紋認証は行えた。

今どうしていますか?

どこにいますか?

次は誰を裏切っていますか?

私は許さない。

絶対に許さない。

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