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静まり返った砦の中に、人影が現れた。
一定の足どりで進むその顔は、人形のように美しかった。
人影は――コーラカルは、壁際の死体へと近づいた。
彼女は足元のシガールの亡骸の傍に膝をついた。
彼の顔は血に濡れ、無理やりに作った笑顔の痕跡が見て取れた。
埃の舞う砦の中で、彼女は一人の人間の死と共に居た。
「ああ、貴方も先立たれてしまったのですね」
コーラカルは感情の欠片もない声でそう言うと、蟲狩りの長の亡骸に、人形のように穢れのない指をそっと触れさせ目を閉じ、彼の死を悼んだ。
瞬時コーラカルの顔に感情の色が浮かび上がったように見えたが、彼女が目を開くと同時にその色は消えうせ白く無機質で美しい顔に戻った。
コーラカルは静かに立ち上がりると、踵を返して階下の蟲狩りたちの元へと戻っていった。その顔はやはり人形のように美しく、感情は微塵も見受けられなかった。




