2話 初めてのクエスト
どんな感じになるのだろう…私にも判りません。
7歳の誕生日になったら孤児院の皆からエンチャント付きのお守りと色々なことに使える年季の入ったナイフを貰った。院長先生が街に暮らしているエンチャントを施せる長老にお願いしたって聞いて孤児院を出ていく訳じゃないのに泣いてしまった。
そして、孤児院を出発して冒険者ギルドの建物に入ると依頼する人、依頼を受ける人、冒険者ギルドの職員の方々などでガヤガヤ、ワイワイと賑やかな様子だと一見して解る。
「この間登録に来てくれたハリード君ね?依頼を受けに来たのかしら?」
受付のお姉さんが俺に気付いてくれて声をかけてくれた。
「はい、依頼を受けに来ました…。このいつも張り出されている薬草採取の依頼を受けたいと思います。」
「そうね、最初の依頼だし。ハリード君の場合はまだ最少年齢である7歳だから1年間ぐらいは継続してお願いしたいわね。少しずつ色々な仕事を覚えてくれたらいいと思うわ。」
「解りました…。それではスオナ草やシケクド草を各種5本で1束で1回分ですね…。」
「その通りよ。スオナ草が1束安全第一で頑張ってね!」
薬草が生えている周辺の場所を教えてもらい、その場所に行くと、色々な種類の草が生えており『鑑定』のスキルを発動させてみると、殆どが雑草だけど所々に薬草が生えているのが解り、その薬草を事前に言われた通りにナイフで根元近くを切って薬草が傷まない素材の紐で束ねて『無限収納』に収納していく。
最初は大変だったが段々とリズムに乗ってきたのか気分が高揚して楽しくなり周辺の薬草を殆ど全て刈ってしまったが、次の日には根元から再び生えてくるから大丈夫と言われていた。
夜になると街の門が閉められて街に入れなくなるので門が閉まるギリギリでイアチの街に戻ってくることが出来て、冒険者ギルドの受付で依頼に対する達成か、非達成かを確認してもらう。
「どうですか?」
鞄から出したように見せかけて無限収納から採取した薬草の束を全て出した。100束ぐらい受付の机に並べて受付のお姉さんの言葉を待つ。
「全て3種類の中の薬草でスオナ草もシケクド草も50束ずつね…。教えた場所は広くて探せば100束ずつぐらいは見つけられるかもしれないけど、雑草も多いし面倒だから100束も探してくる人は少ないのよ。それと、次からはあまり遅くならないようにね?君はまだ7歳なんだから。」
「はい、すみません。はぁ…院長先生にも怒鳴られそうだな…。」
報酬としてはスオナ草が1束銀貨1枚、シケクド草は1束銀貨1枚と銅貨5枚という事なのでスオナ草が50束で銀貨50枚、シケクド草が50束で銀貨50枚と銅貨250枚 合計して銀貨100枚と銅貨250枚で金貨12枚と銀貨5枚という清算結果になりました。
この世界の金銭事情は 鉄貨=十円 銅貨=百円 銀貨=千円 金貨=1万円 大金貨=十万円
白金貨=百万円 という事らしい。
因みに冒険者ギルドのランクで最下ランクであるGランクだったのだが1回分で2ポイント、今回は100回分という事でランクアップしてFランクになった。
孤児院に戻ったら夜遅くという事で院長先生に、こっ酷く叱られた。叱られたけど無事に帰ってきた事で抱きしめられた。そして、帰る家があるという事の有難みを認識しながらベッドに包まって眠りについた。
独創性って難しいね…。