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天を背後に神は笑う  作者: 九条歩
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誕生祭

((注)) この物語はあくまでもフィクションです。現実と混同しないでください。


 あなたは神を信じるだろうか?

 俺は絶対に信じない!見たことがないからな。見たことがないものは信じない。それが俺のポリシーだ。俺は学生、いやかっこつけるのはやめよう。浪人三年目の受験難民の一人だ。最近の俺は予備校に行きバイトをする。その1行で全てを表せる生活をしている。先月過労で親が倒れ、俺の人生はもはやピークを終えた中年フリーターに突入している。何度か自殺も考えたがすんでの所で踏みとどまっている。こんなに追い詰められているのに世間は俺を負け犬と呼び、社会的に抹殺しようとしている。俺はたまらず天を仰いだ。そうすることで何か起こる事などないのに。次の日俺はついに自殺を決意した。この世の生物はすべて巡り巡って輪廻していると、昨日読んだ本に書いてあった。この人生は終わっても次の人生が待っているのかもしれないそう考えると今まで考えていた自分がしょうもなく思えてきてちっぽけな存在であることを自覚した。その日俺は人間をやめた。俺は死んだのではない。人間であることをやめたのだ。そして転生した。

 生まれた先に見えたのは真っ白な世界だった。この世に転生などないことをこの瞬間悟った。しかし、それは誤りであった。真っ白な世界の下にはビルやタワーといった見覚えのある光景がそびえ立っていたそして俺の隣には羽の生えた少女が立っていた。少女はキューピットと言うには羽が大きすぎ、天使と呼ぶには羽が小さすぎた。突然、少女が口を開いた。「おはよう。よく眠れた?」突然の呼びかけと日本語に、俺は驚きで声が出なかった。「ああ、あなた神になったんだよ。」不可解な二言目のおかげで俺は正気に戻れた。そして言葉が頭に入ると共に失神し、倒れた。

 起きると目の前には見覚えのある顔と羽があった。「手のかかる神様じゃのう。」じゃのう?その若さで?とついついツッコミを入れながら起き上がった。しかし、そのおかげで周りをしっかりと見渡せた。そこは神殿のようになっていて、その中に俺は寝ていた。横にはモニターが恐ろしい数あった。俺は神になったのだろう。神だけはかたくなに信じていなかった俺だったが、まさかそれを信じることになる日が来るとは思わなかった。

 これからどういう生活になってくるのかは分からないが、まぁ、人間の頃よりは楽しそうなのでよしとしよう。俺の未来に神の祝福がありますように。

 そういえば俺が神だった。

新作です。とりあえず何話香書いていこうと思います。

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