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七姫の行方  作者: ペン介
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光の国編 Ⅱ

 こうして僕の新たな物語が幕をあげたわけだが、正直僕は怒っている。原因は聞くまでもないだろう。そうあのスキルについてだ。ただでさえ邪神を倒せとか言われて異世界に飛ばされたことに頭にきているのだ。新たに、勝手に押し付けられて怒らないわけがない。


(ま、まぁ手紙で神様も反省してることがわかったからそのことはいいとして、なんだよあの七姫の行方っていうスキル。確かに一人の男としてハーレムには憧れるけども、僕は前世では女の子どころか男とすら話したことないんだぞ。せいぜい話すのは両親か、兄か授業中に睡眠妨害、もとい話しかけてくる先生くらいだったよ。)


 過去を振り返ると同時に今はもう会えないだあろう両親、兄そして先生の顔がフラッシュバックした。


(そういえば、僕が死んで家族はどう思っているのだろうか。こんな出来損ないの僕に悲しんでくれる人がいるのだろうか。)


(いや、もう過去を振り返るのは止そう。今僕が生きている場所は異世界ここだ。)


(あー、このイライラした気持ち発散させたいがまずは情報収集が先だ。そういえば、神様の手紙に自分のステータスが見られるというようなことが書いてあったが、早速唱えてみることにしよう。) 


「じゅべーばぶ」(すてーたす)


 すると、僕の目の前には半透明のやけに近代的なB4サイズほどのガラス板が現れた。そこには僕のステータスと思われる数値が記されてあった。

 ___________


 シーク・アークラット 0歳 人族 


 能力数値:40


 属性:無  性別:男


 スキル:アイテムボックス1/10

     剣術の恩恵1/10

     


 ユニークスキル:七姫の行方0/7

          直感

          成長

          居合0/10

          魔眼<時>0/10

        


 ___________


(え、僕って0歳なの?確かになんかベットの四方に柵があったり、うまく呂律が回んなかったりしたけども。あと、幸運だけ1つだけずば抜けて高いな。知力に関していえば僕はもともと高校生だし妥当だけど。というか、なんで僕属性がないんだ。確か神様の話によると僕は人族だから属性は光のはずだけど...。)


(まぁ、それも含めて他に知りたいことがあるし、神様が最後にいっていた「検索」を使ってみるとしよう。)


「べぶばぶ」(けんさく)


 {キーワードを入力してください}


 その言葉は無機質な声と共に僕の脳内に響き渡った。


(といってもキーボードらしきものも出てこないし、どうやって入力すればいいか皆目検討もつかないなぁ。)


 {確認しました。すればいいか皆目検討もつかないなぁ。に該当する答えは見つかりませんでした。}


(ん?今なんで入力されたんだ?)


 {確認しました。されたんだ?に該当する答えは見つかりませんでした。}


(そうか、入力っていった後にキーワードをいえばいいのか!)


 {確認しました。っていった後にキーワードをいえばいいのか!に該当する答えは見つかりませんでした。}


(ぐぁぁあああ!めんどくせぇーーー!神様がめんどくさいことになるっていってたのはこういうことか。)


(はぁ...。でもまぁ、入りょ...っぐあっぶな! ...んんっ方法もわかったことだしよしとするか。じゃあ気を取り直して、入力属性。)


 {確認しました。属性に該当する答えが見つかりました。閲覧しますか?yes/no.}


(ようやく正しい使い方ができたようだ。もちろん答えはyes。)


 {認証しました。属性とは、この世界における魔法の分類のことで火、水、雷、風、地、光、闇の7属性存在します。


 属性それぞれが持つ特性を、その持ち主は鍛錬を積むことによって、自在に操れるようになります。


 ごく稀に無属性をもつ人もいますが、無属性は属性はありませんがほかの属性と比べ魔力が扱い易いことが特徴です。以上}


(なるほど、つまり僕はそのごく稀な人の一人なわけだ。全くもって嬉しくない。でも、無属性っていう概念があって助かったぁ。後、特殊魔法と呼ばれるものについて知れたのもよかった。じゃあ、次は...ん?)


 気を取り直して次のことを調べようとしたところでドアが開く音がした。ドアが一人でに動くはずがないということを考えると、どうやら人が入ってきたらしい。


 そして、だんだん足音が鮮明に聞こえてき、ついには僕の視界にその人物の顔が映った。僕はその人物に見覚えがあった。いや、ないわけがない。なぜなら、僕の顔に映った人物は僕が異世界にきて初めてみた人の顔なのだから。そう、あの白色の髪を持った若く秀麗な女性である。


(この人は僕の母親だろうか。いや乳人である可能性も捨てきれないが。)


 と考えているうちにおもむろに僕を抱きかかえ頭を撫でる。


「もう、お昼だからお腹が空いたでしょう?」


 当然、僕にはこの人が何か言っていることはわかったが内容まではわからなかった。が、突然乳房を露出してきたことから、僕は察せざるおえなっかた。


(いかに今の僕が赤子であろうと、中身は高校生である。さすがにこれは抵抗せざるものがある。が、なぜか僕の感情とは逆に体が勝手にその乳房に向かっている。なぜだ...。そうか、今の僕は赤子。この赤子の本能がそうさせようとしているのか!そうだ、決して自分の意思で行ったりなんかしてないんだからな。決して自分の意思で行ったりなんかしてないんだからな。決して自分のっ。)


 そうして着々と僕の顔が乳房に近づいていき、ついに...


 パクッ。


(こんなにも、美味しいものなのか。母の乳というものは。)


 そして、腹を十分満たした頃合で、もう一人部屋に入ってきた。今度は男性だった。この男性も若々しく多少細身であるが、非常に凛々しい顔をしている。


(この人は、僕の父親だろうか。)


 そしてこの人も、母と同じように僕の髪を撫でてくれる。


「元気に生まれてきてよかったよ。」


「そうですね。」


「それで、明日にでも国王に報告しにこの子を連れて行こうと思うのだがどうだろう。」


「そんな、いきなりこのこの属性のことも考えてもう少し先でもいいんじゃないのかしら。」


「いや、むしろ先にしてしまった方が面倒ごとにはならない。国王様は理解のある人だし、この際僕の立場なんぞどうなっても構わない。」


「...わかりました。でも私も行きますからね。」


「ああ。」


(なにか深刻な顔をしているが、なにを言ってるかさっぱりわからない。まぁ、いいか眠くなってきたし、寝るとしよう。)


 そうこのときの僕はまだ自分がどういう状況に立たされているのか知る由もなかった。


 

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