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七姫の行方  作者: ペン介
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光の国編 Ⅰ

「ちょ、僕の話をきいてっ...」


 またしても、僕の視界が光り輝いた。が、2回目ということもあり動揺は少なかった。


 そして、光がおさまり僕の視界に暗闇が戻ろうとした時、突然僕の耳に今まで聞いたことがない言語が聞こえてきた。


「لشررزشقث- لشررزشقث- لشررزثقث-....」


 僕はこの時、改めて自分が異世界にきたことを理解した。


 また、この声とともに何か痛みに耐え忍んでいる女性の声が聞こえた。


 生憎今、僕は目を開けられないのだが、切羽詰まった場面であることが察せられた。


 そして、まぶたの裏の真っ暗な景色から光がさすと同時に最初に聞こえた何か応援しているような声がやむと、今度は何か嬉しがっているような声が聞こえた。何かわからないがおそらく、成功したのだろう。


 そこで、僕は目が開けられることに気づき恐る恐る目を開けてみると僕の目の前には綺麗な長い白色の髪を持った女性がいた。


 その人は、とても嬉しそうな表情していたがなぜか疲弊しきったようでもあった。


 その時、僕はなぜだかわからないが無性に泣きたい気持ちになり、無理やり神様に異世界に飛ばされたこともあいまって、恥ずかしくもその場で声をあげながら泣いてしまった。  


 しかし、それを見ている女の人はなぜか悲しみや哀れみなどの表情を一切せず、ただただにこやかな表情を浮かべているだけだった。


 そして、ひとしきり泣いた後疲れたのか、僕の意識は暗転した。


 次に目を覚ますと僕はとても豪華な部屋にいた。いかにも西洋といったような部屋だ。また、この部屋にいるのは僕一人だけみたいだ。それと同時にその部屋にあるものは、見渡す限りどれも高級そうなものばかりである。非常に落ち着かない。


 また、その部屋は空調も良いらしく、風が木々の香りをまとって僕の鼻をつたってくる。


 何よりも嬉しいのが僕の寝ているベットである。この反発力、そして干したてほやほやなのだろう、肌に伝わるお日様の温かさと匂い。既に、僕は天国にいるのだろうかと錯覚してしまうような心地よさ。なぜかベットの四方に柵のようなものがあるが、それを気にするのは野暮というやつだろう。


 しかし、一つ懸念があるとすればそれは暇を潰せるものがないということだろう。


(あ〜、どっかにスマホないかなぁ〜。スマホォー。)


 と、ありえもしないことを願っていると突然僕の視界に半透明の手紙のアイコンが現れた。大きさはまんまスマホのアプリのサイズと同じだ。


(まじか〜、何かすごいものが出てきた〜。まぁ、どうせ神様の仕業だろうけど。)


 それを僕はスマホを操作する容量で押してみると、包みが開いて中から手紙が出てくるという無駄に凝った演出が起こった。  


 そして、中から出てきた手紙を見ると案の定、神様からの手紙でそこにはびっしりと文字が書いてあった。それを僕はゆっくりと読み進めていく。


『まずは、無事転生したようで何よりだ。妾もいきなり説明もせずに異世界へ送ってしまったのは申し訳ないと思っておる。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだよ。


 だから、これからこの世界について軽く説明しようと思う。


 始めにこの世界を大まかに説明するとこの世界は剣と魔法を駆使して戦うファンタジーな世界である。


 また、この世界は自分のステータスが数値として表示される。


 自分のステータスは、「ステータス」と唱えれば、容易に見ることができ、他者に見せる時もそれを願えば容易に見せることができる。


 だが、他人のステータスを勝手に盗み見る場合は鑑定というスキルが必要だ。


 次にこの世界の地理についてだが、まずこの世界は8つの大陸を有しておりそして、それらの一つをのぞいて皆ひとつながりになっておる。

 

 そして、そのひと続きになっておらぬ大陸を魔の大陸といい、そこが邪神が復活するところである。

 

 それ以外の大陸をそれぞれ火の国、水の国、風の国、地の国、雷の国、光の国、闇の国とそれぞれの属性に秀でた種族の住む大陸となる。


 詳しく言えば、火の国は竜人、水の国は精霊、風の国はエルフ、地の国はドワーフ、雷の国は獣人、光の国が人族、闇の国が忍者という感じだ。

 

 このことから分かるとうり、種族によって適正のある魔法属性が違うわけだ。


 まぁ、昔は土地の争いで各種族争っていたが、今は魔族たちを倒すという共通の目的があるから皆、友好的だぞ。


 さすがに各国はそれぞれの種族の数が一番多いが、他種族のやつも少なからずいる。


 ハーフなんてざらだし、子供に2属性持たせたいからといって違う種族と結婚したがるものも多いからお主のスキルも達成しやすくなると思うぞ。

 

 大陸の構図としては、中央に魔の大陸そして少し距離が開いてその周りに7つの大陸がお主ら地球の文化でいうところの、5円玉のような形で魔の大陸を囲んでいるような構図となっておる。


 前は、皆ひとつながりだったのじゃが邪神誕生を見越した7人の魔王が地を割り、邪神誕生に備えての行動だそうなのだ。


 前文を見たらわかるのだが、この世界には七魔王ななまおうと呼ばれる、邪神の他にも強力な力を持つ敵がおる。


 地球にいた頃の君では邪神を倒すことはおろかこの世界で生き残ることすら危うい。

 

 だから、妾から君にいくつかの邪神と対抗できるお主のみスキルと、1つとっておきのスキルを渡した。

 

 そのスキルの名は「七姫ななき行方ゆくえ」、このスキルは各国にいる力の継承者、ストレートに言えば各国のお姫様から力を授かることによって、強力な「英雄武装」と呼ばれる武装を手に入れることができるのだ。


 この武装無くしては、邪神を倒すことは叶わんだろう。 

 

 そして、ここからが重要で、その力を授かる為には粘膜接触、つまりはキスが必要だ。このことが指すのは、お主はまず邪神を倒すために各国の姫を攻略しなければならないということだな。

 

 また、このスキルだけでなく他のスキルも極めれば極めるほど強くなる。つまり、全ては君の頑張り次第ということだ。


 ちなみに、邪神が復活するのは君が誕生してからあと20〜25年後じゃから、その間にしっかりと各国の姫を攻略しておくのだぞ。

 

 最後に、何かわからないことがあれば「検索」と唱えれば解決するだろう。ちょっと仕様は面倒だが、まぁすぐになれるだろう。


 では、新たな人生を精一杯生きるのだよ。』


 と、長々と書かれていた文章は終わりを告げた。


(色々、言いたいことがあるがこれだけは言わせてほしい。)


「あじゃうばぶー!」(忍者って種族扱いなのかよー!)


 こうして僕の新たな物語が幕を上げた。

   


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