光の国編 Ⅷ
朝起きたら、目の前には知らない天井があった。いや、ここは王宮で与えられた僕の部屋だ。ちょうどいいからここで僕のステータスを見てみようと思う。これが一年の修行の成果だ!
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シーク・アークラット 10歳 人族
属性:無 性別:男
能力数値:620
スキル:アイテムボックス2/10
剣術の恩恵4/10
オリジナルスキル:七姫の行方0/7
直感
成長
居合5/10
魔眼<時>2/10
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全体的に上がったのだが、ここで一番重要なのは居合がレベル5になったことだ。母さんとの修行の中で好きあらば居合を使ってレベルを上げたのだ。まぁ、使うたびに一発食らっていたのだが。そう言えば、初めて魔眼を使った時母さんすごく驚いてたなぁ。そのおかげで、初めて母さんに攻撃が合ったったんだっけなぁ。(そのあとめちゃくちゃボコられた。)
そんなこんなで、王宮での初めての朝は過ぎていき、今僕は騎士団の訓練所に来ている。あっ、ちなみに王宮のご飯は最高でした。
「君がシークくんか、宜しく。俺は君のお母さんから引き継いでここの長を務めているカピスというものだ。」
「シーク・アークラットです。こちらこそ宜しくお願いします。」
(なんかすっごい主人公っぽい人だなぁ。いい声だし。)
「早速で悪いが、まず君の実力を知るために俺と戦ってくれないか。」
まぁ、こっちも特に断る理由がない。
「いいですよ。」
「ありがとう。ルールは簡単。先に致命打を当てた方が勝ちだ。」
なるほど。分かりやすい。
「わかりました。」
「君は刀を使うんだね。木刀かい?」
「はい。真剣もあるにはありますけど訓練時に使うのはと。」
そうなのだ。僕が王都にいく前日、母さんからもらったのだ。ありがたや〜。というか、カピスさん思いっきり人斬れそうな剣持ってるけど大丈夫かな。死なないかな。
「そうか、...あぁ安心してもしい。この剣は刃研ぎしてないから、殺傷力はほぼない。まぁ、僕は寸止めするから大丈夫。君のお母さんから聞いた範囲では君は腕が立つようだから、手加減はしないよ。」
「はい。もちろんです。」
ありがたい。僕がどこまで通用するのかを確かめるいい機会だ。
「では、構えてくれ。」
その声と共に、一気にプレッシャーが僕に駆け巡ってきた。一年前なら足がすくんで動けなかったと思う。だけど、今の僕には母さんと一緒に修行した一年という研鑽がある。
僕は母さんとの初めての修行でやった時の構えをする。そう居合切りだ。あの時はレベルが0だったが今はレベルが上がったし、チャンスはある。これは究極の初見殺し。
「特殊な構えをするなぁ、面白い。じゃあ、君の望み通り俺から行くよ。」
すると、カピスさんは一直線に走り剣を振りかぶる。
(早い!でも、捉えきれないわけじゃない。)
僕はカピスさんが僕のレンジに入ってきた瞬間に刀を抜く。
「抜刀!」
僕の刀がカピスさんの脇腹にとど...なっ。避けられた。
「くっ。危なかったよ。さすがファーラさんの息子だ。でも、もう君の攻撃は覚えた。」
確かにこの手の相手は同じ技は二度と通じない。だけど、
「ん?またさっきの構えか。その選択は間違っているよ。」
そう言って、カピスさんはまた一直線に走って行くが今度はスピードを抑えている。そして、下段から剣を放った。
「これで、終わりだ。」
カピスさんの剣と僕との距離があと数十センチほどになった時
「魔眼解放!」
その時、僕の右目が黄金色に輝く。そう。僕はこれを待っていたのだ。この時、僕の周りの情景は灰色になりすべてが文字どうり止まるのであった。
「コンマ5秒もあれば、」
「なっ。ぐはぁ!」
「当てるのなんて余裕です。」
そう、僕の剣戟は見事カピスさんを捉えたのであった。まぁ、言ってしまえばあそこで別に居合を使う必要はなかったのだ。
普通にやっても魔眼を使えば攻撃を当てられたのだが、また居合の構えをすればカピスさんに隙ができやすくなると思ったからやっただけなのだ。
「やられたよ。まさか、魔眼を持っているなんてね。」
「はい。」
正直言って危なかった。この人、一瞬で居合の有効対策をしてくるあたり化け物だよ。しかも、「本気で行くよ」なんて言っておきながら、まだ余裕そうにしてたし。もうやりたくないと心のそこから思わせられた。
「どうだい。もう一戦しないかい?」
言ったそばからこれだ。なんで、僕の周りにはこんなに戦闘狂が多いんだ。まぁ、実際僕も強い人と戦いたいと思うあたり毒されているのだろうが。
ちなみに全部で5戦させられたが全敗だった。くそぉ、最初がまぐれみたいだったじゃないか。まぁ、後半完全に攻撃を読まれてたんだけどね。
こうして、僕の王都での一日は慌ただしく過ぎ去って行くのだった。




