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七姫の行方  作者: ペン介
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epilogue Ⅰ

初投稿で拙い文章ではありますが最後まで読んでいただければ幸いです。誤字・脱字などありましたら教えてください。

「なぁなぁ、昨日の宿題やってきた?」


 ーー不意にクラスメートの声が聞こえた。


「やってきたけど?」


 ーーその話し相手の男は友人なだけあって、対応が早かった。 


 この文章を読んで分かる通り話し相手は僕ではない。


「頼む、見せてくれ!」


「お前またかよ、ほれ」


「おー、さすが俺の友〜」


 そんな楽しそうな会話を聞いて昔の僕だったら羨ましがっていただろう.....だが生憎今の僕はこのsoloplayぼっちに慣れ浸しんでしまった故そんな感情も湧かないが。


 ーーという心底どうでもいいような物思いに浸り続ける、つまりは授業を聞き流しているとあっという間に高校生活の1ページが不毛に終わるかと思われた。


 が、帰り道それは起きた。


 僕はいつも通り、家に帰るため横断歩道で信号待ちをしていた。すると、向かいの歩道に目測小学校高学年ほどの少女が、自分のペットであろうフレンチブルドッグを追いかけていた。


 その犬にリードがつけられていることから察するに、散歩途中に何か不手際がありリードが外れてしまったのであろうが、幸いにも犬のサイズが小さく後もう少しで犬を捕まえられそうだった。


 だがしかし、僕はなぜか安心する気には一向にならなかった。


 というのも過去に、僕は今のような状態になったことが少なからずあり、そういう時は決まって悪いことが起こったのだ。つまり僕は俗に言う第六感と言うやつが非常に強いらしい。


 そして案の定、その犬が赤信号である横断歩道に走り込み、その少女も赤信号であることを気にせず犬の後を追う。


 僕は身構えていたおかげで、いち早くその犬と少女を助けることに成功した。幸い車も渡りきったあとで、危険はなかった。


「お兄さん、ありがとう!」


 犬を助けるためだったとはいえ、正直この行動は感心するものではない。だが、同じミスを繰り返すべきではない。


「あぁ、次からはもっと周りをよく見て行動するんだ」


「うん、わかった。絶対約束するよ!」


 ーー少女の決意の目を見て僕は安心し、少女と別れた。だが、そこでこの話は終わらなかった。いや、終われなかった。


 そのまま家に帰るべく信号待ちをしていると、僕は見てしまった。


 おそらくあの犬と少女を助ける時に落としてしまったのであろう、横断歩道の真ん中に佇んでいる僕のスマホを。そして、トラックの走行を。


 あのスマホは高校進学とともに親から買ってもらい、それからひと時も離さなかった。


 そんなたった一人の友人を僕は見過ごすわけにはいかなかった。


(まずい、あの中には僕が今まで集めてきた嫁たちの写真が....)


 ーー僕は、僕の今までの人生で一番の全速力で走り、スマホを取った。


 そこまでは良かったが、やはり車のスピードには勝てず僕の視界に映る風景は一瞬で絶え間なく切り替えわっていった。


 そして僕は、車に轢かれたということより、さっき少女に言った言葉が頭を埋め尽くした。


(やばい、やばい。さっきの少女に見られたかな〜?。見られてたらクッソ恥ずかしいな〜。あぁ、何であんなこと言った後に自分がそれをしてしまうかな.....)


 と、心の中で唸っていると突然視界が輝きだした。  


 僕はあまりの輝きに目を瞑った。  


 しばらくすると光が弱まったようなので目をそっと開けると、何もない無機質な空間とともにさっき助けた少女が僕の視界に映った。


(なんで?)


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