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番外:楽しい〇会話

「来たか。ロク。」

『急に呼び出すなんてどうしたんだドリさん。』


「ふふふ、久々にいい仕事が出来たわい。これを見るがいい。」

 悪い魔法使いを思わせる笑みを浮かべながら、ドリさんは何か大きなリング状のものを取り出してきた。

 それを見た瞬間、俺にある種の予感が走った。


『ドリさん。まさか、アンタ。』

「そのまさかじゃ。これこそリヨンの羽根と聖樹の枝を素材に作った人語を話すための魔法具。その名も魔声環(ヴォイスリング)じゃ。」

『おおー、さすがドリさんだ。さっそく使わせてくれよ。』


 ヴォイスリングは見た目は木でできた輪、そのものだった。中にはリヨンの羽根が組み込まれており、魔力に応じて音を出すらしい。

 ドリさんのアドバイス通り輪を首に通した俺は、魔法を使うときのように気持ちを集中した。


「精霊魔法を使うときのように魔力を集中し、少しずつリングに注入するのじゃ。よいな、少しずつじゃぞ。」

 分かってるよ、ドリさん。心の中でそう頷きつつ、俺はリングに込める魔力を少しずつ増やしていった。


「…ぅばぁ」

 声が出た!!と、思ったのがいけなかった。一瞬気がゆるみ、流れ込む魔力が増した。同時にあたりに轟く大音量。


「がぁあああああああああああああああああ!!」

 うわああああ。静まれ俺の喉。シャラップ、ステイ、ゴーホーム!!


 ああ、ミラが泣いちゃった。ゴメンよ。わざとじゃないんだ。だから、リヨンもそんな目で見るな。


「じゃから、少しずつ注入しろと言ったではないか。」

 頭を押さえながらドリさんが言う。いや、返す言葉もないよ。正直、すまなんだ。


「まあ、最初からうまくいくとは思っておらんかった。まずは発音からじゃな。人語を学ぶのはその後じゃ。」

『わかった。おれ、頑張るよ。』


 結局、アルファベットの発音をものにするのに大体一月。それから本格的な言葉の習得に取り掛かって、何とかカタコトで話せるようになるのに一年ほどかかってしまった。

 まあ、ミラと同じようなペースで一緒に言葉を覚えたと思えば、なんだかうれしいよな。


 うん、俺もだいぶ親バカになったもんだ。

※補足※

台詞について、

「」は人間の言葉を話しています。

『』は魔物の言葉です。人間は基本聞こえないか、理解できません。


 魔物同士はお互いに魔力を感知し合うことで、種が違っても意思疎通が可能です。(知性があれば)

 人にも若干の魔力はあるので、それを魔物が感知する形で人→魔物の意思疎通は出来ます。

 しかし、魔物→人の意思疎通は人(受信側)の素養が低いためほぼ出来ません。

 すぐれた魔法使いなら多少通じるかも…。


※カッコについては作者が表記を間違えている場合もあるでしょうが、悪しからず。

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