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主人公は金髪  作者: 静間
第1章
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[6]

 ウエストダーレン中央区。

 中央区は、比較的機械化が進んだ近代地区で、町の栄えを象徴するかのように日夜人の往来で騒がしい。街はオフィスビルや高級商品店、大手レディエス社が立ち並んでいる。お金に余裕のある大人達のデートスポットとして人気だそうだ。 学生を卒業したばかりの俺には少し居心地が悪い。


 ふと街中の設置テレビに目をやると、抑揚のない声でニュースを読み上げるアナウンサーが目に留まった。


「ネクスト社が新型機の試見会を開くそうだとよ」


「それ、朝一のニュースでやってたわ」


「情報通ですね」


「あんたが遅すぎるのっ」


 ポニーテールに、似合わないスーツを着たミサキが睨んでくる。反射的に、俺はミサキから視線を外した。


「あんた自覚、足りないんじゃないの?」


 また小言だ。それをいち早く察して話を逸らす。


「いこうぜ」


「はっ?」


「試見会」


「なんでいきなり?」


「だめか?」


「…わたし、バイトもあるし」


「試見会、一週間後だろ? 風邪でも何でも言って、いくらでも空けられるって」


「まぁいいけど…」


「じゃ、決まり」


「まったくもう」


 とかいって、ミサキもまんざらでもなさそうだった。よかった。これで少しは気を紛らわせただろう。


「で、あんた今日のテスト、できたんでしょうねっ?」


 紛らわせられなかった。


「す、スーツ姿かわいいなっ、ミサキっ!」


「あんた朝は、ぜんぜん似合ってないって言ってたよねっ?」


「それは…」


「ごまかそうたって、そうはいかないわよっ、テストの出来はどうなのっ?」


「ケーキ奢るからっ、ゆるしてっ」


「ケーキ!? あんたねぇっ、まぁ…ケーキは奢ってもらうんだけど…」


「もらうんかい!!」


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