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俺と私と”魔法の世界”  作者: ながも~
セアルクニーグ皇国編
34/52

Dive_12 私と洞穴と必殺技

なんだかんだで1ヶ月ぶりという久しい更新になってしまいましたが。

Dive_12、お楽しみくださいー


「さて、進みましょうか」


「ですね」


「………………」



何か色々イベントが発生したが、無事再会した一行。

ならば何時までも山の中で突っ立ってる意味も無いのでさっさと先を急ぐ事にした。


まぁ、それまでの間にマグナが精神的に絞られたり、アルマが真面目過ぎと注意を受けたり、マグナが物理的に絞られたり………と色々とイベントがあったのだが割愛させていただこう。



「しかし随分の見晴らしが良くなってしまいましたね……主にマグナの所為で」


「……ま、まぁ警戒しやすいし、目的地まで一直線に歩けるんだから良いんじゃないですかね」


「目的地が見えてるから良いですが、目印も何もかも吹っ飛ばしたら駄目でしょう」


「ぐぅ………」



実際、周囲の木々はマグナがオークの群れを吹き飛ばした際の余波によってなぎ倒されており、戦闘地点を中心にして放射線状に圧し折れていた。

それにより、割と近くまで来ていたオークの巣穴と考えられる洞穴が見えて居た。



「……それに、侵入するには苦労しそうですよ」



というのはアルマの言。

放射線状になぎ倒され、吹っ飛んだ木々はどうなるのか。

それは勿論放射線状に飛んでいき、運動エネルギーが足りなくなり次第失速して墜落する。

……ではその進行先に壁があったらどうなってしまうのだろうか?


答えは喋りながらも歩き続けたフィリアの目の前にあった。



「………完璧に埋まってますねコレ」



そこには爆心地から洞穴付近までのおよそ60メートル間に生えていた木が積み重なり、それでいて簡単には取れない様に絡まっていた。

その上、岩壁にまで余波が届いていたらしく若干壁が崩れており………土砂まで加わっているのだから性質が悪い。



「まぁやってしまった事は仕方ありませんし……起きてください黒菜」



何にせよ洞穴に入る必要がある為にフィリアは溜息を吐きつつ黒剣を抜き、中で寝ている黒菜=ノイエに呼び掛けた。

普通に呼び掛けても黒菜は無視、というか声が届かずに寝続けてしまうのだが、声を掛ける際に剣に魔力を込めるのがコツである。



「……あれ、フィリアが元に戻ってる?……なんで?」


「コレは一時的な措置ですから後で白埜にでも訊いてください……とりあえず目の前の障害物を排除するので手伝いをお願いします」


「んー?……あぁ、なるほどね了解」



黒菜はフィリアの言う目前(=埋まった洞穴)を確認し、再び剣の中に戻って行く。

戻るとは言っても先程までとは違い、刀身は薄らと赤黒い光を放ちっていた。

これは剣の中で眠っているのではなく、内部で黒菜が攻撃力加算処理を行っている為である。



「では……行きます!」


『いつでもどうぞー』



言うや否やフィリアは剣に膨大な魔力を注ぎ込み、黒剣の刀身と構成している『魔宝石』に分類される程の純度を持つ黒魔鉱石の効果『攻撃力の上昇』を発動させる。

魔力を込められた黒剣の輝きは強くなり、日光の下で目視できる程に刀身部から蒸気の様に噴き出していた。


だがそこで止まらずフィリアは黒菜と同調し、噴き出す魔力を制御。刀身をコーティングするように纏わせてさらに濃度を高めていく。



『「―――黒一閃ッ!!」』



そして刀身が見えなくなる程に濃度が高まった処で剣を振りぬいた。

振りぬいた瞬間に剣に纏わせていた黒い魔力(攻撃力)は制御を離れ、その刀身の動きをトレースするように扇状に流れていった。


黒い魔力に触れた瓦礫はガリガリ、バキバキと音を立てながら崩壊、破砕されていく。

さらに崩壊した瓦礫に支えられていた瓦礫も崩れ落ちた先に待ち受けていた黒い魔力に触れ、次々と連鎖的に崩壊していった。



「っとまぁ、こんな処で良いんじゃないでしょうかね」



結果、そこに残ったのは分子レベルで崩壊し風に飛ばされる粉末になった瓦礫と、本来よりも少し大きくなった洞穴の入り口だけが残った。


……正直火力超過である。

魔力波がマントの端に掠ったマグナは冷や汗をダバダバと流しながら顔を青くしており、それを見ていたアルマも正直ドン引きしていた。

実はフィリア本人も内心やりすぎた感が漂っており



(セーフ、セーフですよねコレ、セーフ!)



などと若干パニックに陥っているのだが、表情は冷静なままである。

……ただし剣を振りぬいた姿勢のまま固まっている為に仲間2人には心情ダダ漏れである。さっさと剣仕舞え。



『まぁ私は寝てるから、用がある時はまた呼んでねー』



そして黒菜は空気を読めないのか読まないのか、再度スリープモードへと以降した。現実逃避と言っても良い行動だったが誰も咎めなかった。

~~今回の謎解説~~


『黒一閃』

 近接攻撃スキルであり、多分最高ランクの一撃。

 黒魔鉱石に魔力を意識的に流し込み、黒い魔力=攻撃力を剣に纏わせて目標に叩きつけるという割と高難度な技。

 本来ならば頑張っても武器表面に薄い膜を張る程度しか出来ないが、フィリアの魔力出力と黒剣(純黒魔宝石)というチート武器の所為でレーザーのようなマジキチ技へと変貌した。

(薄膜程度と言っても相当な威力があり、例えば黒魔鉱石製の爪楊枝に膜を張れば鉄板を余裕でブチ抜く程度の威力が出る)

 余談だがこの技が高難度と言うのは意識的に魔力を流し込むと言う点の事であり、NPC的には極普通に使える強打技。ただしフィリアの様に魔鉱石から流出した魔力まで制御するのはNPCから見ても変態的な所業である。



『黒い魔力波と攻撃力』

 攻撃力とは其即ち分子結合を断つ能力の事であり、EW最高純度の黒魔鉱石(=純黒魔宝石)で造られているEW最強威力の剣に魔力を流すとありとあらゆる物体を分子結合解除して抵抗無く斬り裂く事が可能になる。

 さらに今回はフィリアが注ぎ込んだ魔力量がヤバかった為に魔鉱石から攻撃力が流出てしまい、その流出した攻撃力すら制御する事で光線を放った。

 結論から言うと黒魔鉱石とは超音波カッターのようなモノである。



『若干いい加減でノリノリなフィリアさん』

 前回と今回のフィリアさんは結構ノリノリだったり、確りと制御してる割に魔法の威力調整がいい加減(というか割と全力)だったりしたのは中の人の影響である。

 要するにいい加減な性格が若干浸食している。必殺技とか名前付けて声に出しちゃったのもこの影響。ただし黒菜は元からノリノリ。



『黒菜とノイエ、それと他の管理人格達』

 フルネームは『黒菜=シュヴァルツィア=ノイエ=メラニア』つまりただの別名であり、同一人物である。

 ちなみに名前は左から順番に日本語(黒)、ドイツシュヴァルツ、フランスノワール、ギリシャメランを捩ったものであり、意味は御察し全部黒。性格は別に黒く無い。

 主人公に対してノイエと名乗ったのはその方がカッコ良いと思ったとか、基本的に管理人格達としか会わない為に普段は『黒菜』としか呼ばれず、偶には他の名前で呼ばれたいなぁ~などという割と如何でも良い理由。

 白埜は普段そのままの呼び名であり、ローツは適当に言った中から主人公が適当に選んだ名前である。

 ちなみにフィリアレーギスは全員を日本名で呼ぶ。

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