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俺と私と”魔法の世界”  作者: ながも~
セアルクニーグ皇国編
33/52

Dive_11 私と空中遊泳と魔法馬鹿

今回はモノ凄く短いです。

というか前回が凄い半端な所で斬ってしまっただけなのですが。


…………どうしてあそこで切ったんだ私?



何はともあれ、作風フリーダムになった私は更新速度が上がるようです。


飛ばされてきた方へと戻る為に飛んでいたフィリア。

……ところがどっこい、実際の所正確な方向が解らなかった。



「うーん……恐らくこの方向で正しいとは思うんですが」



『フィリアレーギス』としての性能100%を出せれば広域探査等も余裕で行えるのだが、残念ながら現在のフィリアは精神率20%、つまり『フィリアレーギス』としての機能は80%程度しか出ないという事であった。


80%とは言っても膨大な戦闘経験と身体能力を持ち、さらに簡易なモノに限るが精神魔法すら行使できる現状のフィリアでも反則臭漂う強キャラである。それはもうハイレベルなプレイヤーと比較しても大人と子供程の差があるのだ。フィリアさんパネェッス、マジリスペクト!


ちなみに周囲は森と山ばかりで特に目立つ物は無い。

遠くに城は見えて居るが、流石にそちらへ飛んでしまうと"彼"の今までの努力が無駄になってしまうので却下した。


1分程直進してみたは良いモノの、いい加減焦れたフィリアは地表が確認出来る範囲で出来る限りの高度まで飛びあがり、テキトーに探す事にした。

本来のフィリアならそんな事はしないのだが、改めて言うと現状のフィリアは精神率20%。つまり『フィリアレーギス』の精神は80%であり、20%が『テキトーな少年』の精神である。

つまり、現在のフィリアは『微妙にテキトーな感じ』になっていた。



「ええっと……何か目印は『ドォーン』―――ありましたね」



丁度良さそうな高さまで飛びあがり、丁度周囲と確認した所で眼の前をモノ凄い早さで錐揉み回転しながら何かが通り過ぎて行った。



「マグナがオークを吹き飛ばしたんでしょう……随分と高い威力で攻撃しましたね」



余談だがこの直後、セアルクニーグ皇国の北部地方で後に『メテオーク』と呼ばれる事になる異常現象が起きたのだが……幸いにも街や村、集落の近辺には落下しなかった為に特に被害は出なかった。


落下地点には小規模なクレーターが出来ており、その中心には全身が煤けたオークの死体があり……その光景を何故か後世に伝えようと模写した絵が保管されており、後に日本人プレイヤーの一部から『リアルヤムチャ』と呼ばれる事になるのだが、完璧に余談な上に至極どうでも良い事である。



何はともあれ、飛ぶべき方向が解れば後は早い。

オークが飛んできた方向……微妙に煙が上がってる気がする辺りを目指して思いっきり飛ぶだけである。


フィリアは両手を真直ぐ目的地へ向ける事で魔力で不可視の腕を伸ばし、平泳ぎのように大気を後方へと連続で押し出すことで加速し、


 ―――― ドヒャァッ! ドヒャァッ!


空気を引き裂く、というか爆発させるような音をその場に残しながら今までとは比べ物にならない程の速度で飛びだした。


どんどんと近づく目的地にやはり2つの人影を見つけ、あぁやっぱりココで正解でしたかーとのんびり思っていたフィリアだったが……とんでもない魔力量を練りだしているしているマグナに気付き、慌ててさらに加速した。



(マグナは何考えてるんですか……辺り一面を火の海にする気ですか?!)



何やら言い争っている二人の近くに着弾するように突進し、地面に接する瞬間に急停止を掛けて音も無く着地。

この速度で地面に突撃してもダメージを受けない自信はあるし、マグナの魔力は纏まり始めており時間に余裕は無かったが……それ以上に、マグナは『とりあえずまず吹っ飛ばす』という考えを持つ魔術士でありながら脳筋である為に咄嗟に練った魔力を放出してしまう可能性があった為の措置である。

全力のフィリアならばその火力すら無効化出来るだろうが……何度も言うが現在は80%。

残念ながら、正直自信が無かった。


さらに残念なことに先ほど慌てて急加速したフィリアだったが、全力のイメージで急停止を掛けた為に着地の衝撃を殺し切れず、足先から頭まで突き抜けるように痛みが走った。具体的に言うなら2階のベランダから飛び降りて地面コンクリートに着地した程度である。凄く痛いので絶対真似しないように。


何だかんだで今まで敵の攻撃は全て無効化するか受け流す、または避けるかしていた為にダメージを受けた事が無かったフィリアは人生初の激痛に涙目になったが、それでも辺り一面火の海はマズいと思いなおして極めて冷静に。本当に冷静に。そりゃもう堂々と両足で立って


「……っ……止めなさい」


なんとかマグナを押し留めた。(若干涙声で)

2人は言い争いを止めてこちらを振り返り、



「……隊長、お帰りで?」


「―――え、フィリア様?」



……鳩が豆鉄砲を撃つ様を偶然目撃してしまった人のような表情をした。



(……どうしたんでしょう。まさか涙目なのバレて……痛く無い。痛くなんて無いんですからね!)



EW最強のNPCフィリアレーギス。

その性格は20%分のプレイヤーによる影響なのか、それとも開発者の趣味か。


……涙は見せたくない、永遠の少女である。

~本日の謎スキル~

『空圧加速』

空中、それも比較的高高度で用いる加速魔法。

前方の大気を掻き分け、自身の後方に押しやる事で加速する。

……やってる事は平泳ぎの手と同じである。


フィリア今回使ったのはコレの上位版。

加速は前方の大気を圧縮し、自分の後方で炸裂させる事による超加速。前方は真空、後方には圧縮空気という大気密度の差により通常より高い加速性能を持つ。

空気が弾ける音がするのが特徴。


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