Dive_10 俺と私と反転現象2
更新が遅くなりました……
活動報告とか書いてるのでお解りとは思いますが、地震の被害も無くピンピンしてます。
強いて言うなら企業説明会が無くなった事くらい……
ついに、今回から作風がフリーダムになりました。
え?今までもテキトーだったろ?……ナンノコトヤラ(ぇー
オリジナルが放った衝撃の50%発言を聞いて大いにビビったフィリアが落ち着いたのは体感4秒程後だった。
その後、何時の間にか50%まで精神率が減少していた理由を説明する時間が体感3分程。
………この間、勿論時間が引き延ばされている為に実時間では一瞬である。
(な、なるほど……つまりダメージを受けずとも『連続攻撃』や現状のように『対処不能』な状態に陥ると減少してしまうんですか)
―――解って頂けたようでなによりです。
(まさかセミオートシステムの所為でこんな事になるとは……)
公式サイトの説明を隅々まで熱心に読み、一週間程かけて事前学習を行ったという若干アレな経歴持ちのフィリアは当然知っているのだが、読者の皆さんは当然知らないであろうこのセミオートシステム。
説明しよう、EWでは身体を動かす事があまり得意では無い人や新規参入者向けの『セミオートモード』が存在するのだ。
これはEWパッケージに同梱された簡易AIを用いており、効率的なフォームで攻撃を行ったり、連続ダメージを受けた痛みで動けなくなった際に距離を取るシステムである!
(・д・)< 詳しくは設定を見てね!!
そして、このセミオート用簡易AIの部分にオリジナルフィリアが宛がわれている為、フィリアは精神率が下がる程にオリジナルに近くなって行き、50%を下回ると意識がフィリアに切り替わるのだった。
以上、説明終わり!
―――それで、打開策の方なのですが。
(あぁ、すっかり忘れてました……)
―――今現在、私が精神率の低下を停止させている為に50%を維持しています……が、これを解除して精神率10%まで下げます。
(……えっ)
―――私の意識が90%を占めているならば精神魔法が使えるハズですので、対処可能になります。
(えぇぇぇぇ?!)
え、ちょっ……それはつまり暫く身体の操作をオリジナルに任せるという訳で……
まあ精神率が0%にさえならなければ一応回復出来るみたいだから良いけど……
(えっと、それ大丈夫なんですか?)
―――??……あぁ、私が身体を動かす以上ダメージ等は無いですし、安心して頂いて構いませんよ。ちゃんと操作権もお返しします。
あ、ちゃんと戻れるんだ?
なら良いかな?というか元から他に案が無いんだよね……よし!
(では、お願いします!)
―――解りました、では行きますよ?……3……2……1……
(どうぞ!)
オリジナルの合図と共に引き延ばされていた体感時間が元に戻り、周囲の風景が高速で流れていく。
それと同時にフィリアは周囲は四肢から力が抜けていくような感覚、正確には自分自身が身体から抜けていく事を感じ、代わりにオリジナルが身体操作権限を得る。
『フィリアレーギス』としての意識が強くなるに従い、『彼』の意識は薄くなりノンレム睡眠に近い状態へ変化。
「身体動かすのは数日ぶりですね……鈍って無ければ良いのですが」
――手足の動作確認……以上無し
――精神率状況確認……10%
――精神魔法使用………可能
吹き飛びながらも冷静に身体情報を確認し、現状打開の為の準備を進行する。
とりあえず異常は無し、後は魔法を使うだけ。
「まずは……スフィアフィールド展開!」
NPC用の精神魔法は自分で魔力を練り上げ、周囲に影響を及ぼす魔法である為に詠唱は不要。
魔法名宣言(モチベーション維持)を行い、自分を中心とした球体の膜を作りだす。
「次、下方向に相対固定アンカー射出、拡散させて100本くらい!」
やはり先程と同じく魔法名宣言を行い、魔力を辺り一面に広がる森へ向けてバラ撒く。
広がった魔力に触れた木々は、フィリアの吹っ飛ぶ方向へ次々と曲がっていく……同時に、空中に居るフィリアの吹っ飛ぶ速度も徐々に下がって行きー――
「私、発射!」
―――逆再生するかのように飛ばされてきた方向へと急加速して飛んでいった。
今回登場した謎設定は、いつものように設定集に追加しますー
~例によってスキル紹介~
『スフィアフィールド』
バリアのような空間掌握魔法で、小範囲では有るものの、空気抵抗や物理衝撃すらある程度緩和する基本スキル。
球体である為にどの面に力が掛かっても安心であり、コレを基点に様々な魔法を行使する事も可能。
バリエーションとして三角錐を展開し、突撃すると刺さる『テトラフィールド』などがある。
ちなみに自分中心以外でも展開可能だが、やはり自分中心が一番簡単。
『相対固定アンカー』
発射元と着弾箇所を相対的に固定するという謎魔法。
簡単に言うと、当った物を見えない手で掴むような魔法。
今回、フィリアはこの魔法を周辺の木々に使い、パチンコのように自分を射出した。