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俺と私と”魔法の世界”  作者: ながも~
セアルクニーグ皇国編
29/52

Dive_D 俺とオークと山登り?

PV3万超、ユニーク5千超行きました。ありがとうございます!


どうも、フィリアですよ。

あの後、『課題はさっさと終わらせる』という結論に至った俺達は準備もそこそこに山に向かったのだ!

荷物なんて装備一式だけだし……食糧も寝袋も持たずに旅が出来るってのは本当に便利だな。



「なあマグナ、全然オークとか出て来ないんだけど……」


「そんな事言われても困るんだが」


「森に入ってからはオークがいつ出てもおかしく無いとか言ってただろ」



実は宿を出る前にマグナが『オークがわんさか居る可能性大』と言っていた。

だからこそ、何時の間にか地図を持っていたマグナを先頭に、俺は剣を手に持って見通しの悪い森の中を周囲を警戒しながら歩いていたのだ!


……なのに、それなのに森ではオークどころか他の魔物や動物、というか物音すらしなかった。

警戒歩行(今命名)は結構疲れる。何が疲れるって精神的に。周囲の音を聞き逃さないように耳を澄ませ、自分が発する物音を出来るだけ抑えて歩くのだ。

肉体疲労が無くてもこんな事ずっと続けて居たらそりゃ精神的疲労は相当のモノである。こいつらは完全にNPCだから精神だって疲れないし!(注:疲れます)



「もう森を抜けて山登ってるじゃねえか!」


「隊長、大声出すと周辺のオークに気付かれて袋叩きにされるぞ」


「……クッ、正論だから困る」



言い忘れたが俺達3人は既に森を抜けて絶好調登山中である。

……いや訂正しよう。絶不調だ、マジだるい。警戒止めたい。

山といってもゴツゴツした岩山では無く、小学校の遠足で登るような木や草が生い茂っている山だから、まあ歩き辛いって事も無いのだが。

獣道っぽい所を歩いて地図に書いてあるオークの巣らしい洞窟を目指している。


しかしアルマが静かだ、いや普段から結構静かなんだけどさ。

警戒歩行中だからかより一層静かで……っていうかなんで金属鎧着こんでるのに音しないのか不思議でならない。コレが真・警戒歩行ってヤツなのか?今のアルマは暗殺者になれそうだな。



「……あれ?アルマが周囲を警戒してくれるなら俺は音だけ消してりゃ良いんじゃないか?」


「そうだが。まさか隊長、今まで……」


「…………ああ」


「……そりゃ御苦労様、むしろ御愁傷様か?」



なんてこった、今までの俺の努力は全くの無駄!

出来ないなりに頑張ってた事が完璧に無駄だった時ってものすごい疲れが襲ってくるよな。

あーだるいーもう歩きたくねー。地面が平らじゃないから歩きづらいー。まあ疲れないんだけど。


……とか思っても口に出さない。出したらマグナにまた何か言われるだろうし。







俺が警戒を止めてからは多分10分くらい……山を登り始めてからなら1時間くらいか?

正直、時間が良く解らなくなってる時の事である。



「……ッ前方から来ます、数は10前後ですね」


「ククク……中々遭遇しないから道間違ってるんじゃないかと思ったぜ」



ついに敵さんのご登場らしい。10匹って言うと、丁度オークの巣から離れた群れの数か。

……マグナが何か言っていた気がするが聞いてない。聞こえない。


戦闘準備……の前に、他方向に敵が居ないか確認……ワカンネ。



「なあアルマ、前以外には敵居るのか?」


「いえ、前方のみです……他は周囲100メートル程の範囲には居ませんね」


「そっか、ありがと」



周囲100メートルを気配察知(?)できるとか、軽く人間辞めてるよな……魔法か?

それは兎も角、どうやら前の敵にだけ集中すりゃ良いらしい、これは安心。

道の先がドスドスと五月蠅くなってきた。おそらくアルマが見つけた敵とやらが近づいているんだろう。



「………ッ」


「お、隊長殿はやる気なのか?じゃあ俺はサポートにでも回るかねぇ」


「ふむ……では私は周囲の警戒を担当しましょう。戦闘音を聞きつけて他の群れが来るかもしれませんからね」



……緊張を紛らわせる為に軽く息を整えたらコレだよ。

何なの?戦いたくないとか言える雰囲気じゃないんですけど。


マグナが変な事言うからこんな事に……あいつ後で絶対に殴る!

きっと後ろでニヤニヤしt――してないだと?!アレで真面目な応対なのか!


ええい、もうヤケクソだ!

マグナが言うにはオークの分群時はオークロード1、ハイオーク2~3、残りの7~6がオークらしい。

つまり過半数が雑魚、いや人間より腕力が高いらしいから雑魚では無いが、少なくとも通常のオークは昨日の熊よりは弱いとか何とか。


いつの間にか道の先、木々の隙間から迫りくる敵の影が見えた。

……こんな事考えてる場合じゃなかったな、超近いじゃん。


何はともあれ、まずは臨戦態勢を取らないと話にならない。

抜刀術とかいうのもあった気がするが、生憎腰に差しているのは直剣。反り刃では無いので関係ない。

警戒止めてから鞘に戻してたからな……だから無駄な事考えてる時間は無いんだって!!


まずは右手で鞘から剣を抜き、身体を左半身を前に出すようにして斜めを向く。

次に剣を持つ右手をやや後方へ腕を伸ばし、剣を腕から一直線に延ばして待機。

最後に籠手を着けた左腕を胸くらいの高さまで持ち上げて、敵の攻撃を警戒する。



「ッハァ!」


『グガアァァッ?!』



そして右半身を前に出すように、右手を振り上げることで攻撃!

1匹撃破、良い感じに胴体を真っ二つに出来たな。


これは今朝にアルマに一応教えてもらった構えの基本形。

スポーツの構えとかなら見たことはあるが、片手で扱う剣の構えなんて知らない……フェンシングをテレビで見たことがある程度だが、アレは刺突剣だし。

っとまあ、そんな訳でアルマが知っていた『俺では無いフィリアレーギス』の構えを教えてもらっておいたのだ。

なんでも敵の攻撃を左手に纏わせた魔力で弾き、右手の剣と魔法を駆使して踊る様に敵を殲滅していたらしい。


……中々ブッ飛んだ姫だったようだが、その実力は本物だし、まさに姫様無双だったらしいから仕方ない。

今の俺は魔法を使えないので左腕の籠手を防御魔法変わりに、攻撃魔法を使わずに剣だけで戦わなければならない。

まあ変わりと言っては何だが左腕で防いだ攻撃は全て無効化し、剣は防御無視だから当てれば勝てる。



『ッギィィィ!』



……っと振り上げた剣を縦に振りおろして2匹目撃破。残り8匹、いや良く見たら9匹目がいる。11匹だったんだろうさ。

ところでこの構え、基本形と言うより始点なんだよね。

つまり一度攻撃したら関係無いわけで……まあ、後は剣振りまわすだけだし大した問題は無いんだけど。



「……どのオークも肌が黒いんだけど。こいつらガングロなの?それとも南国育ちなの?」


「そりゃ、全部オークロードなんじゃねえかな」


「なにそれこわい」


『ッァァァア!』



全部オークロードって何だよ、せめてハイオークくらい混ざってろよ。

……とか言いつつも右上に剣を振り上げて3匹目撃破。

適当に剣振り回したら突っ込んで来て勝手にやられてくれるから楽だな。訓練にならんのでアレではあるが。


いつのまにか左側へと回り込んでいたオークがその手に持った棍棒を振りおろしてくる。

とりあえず篭手で防いでみたらオークが腕を抑えながら悶え始めた……折れたのか?

ジタバタしてるけどそんなに痛いんだろうか『アアァァァ――――』アイツ転げ落ちやがった。

……まあ良いや、これで残り7匹。



「クハハハハ吹き飛べぇ!!」


『―――ァァァァアアアア?!』



何か右側で馬鹿っぽい声が聞こえる気がしたが、まあ気にしない。

眼の前を何か黒いのが通過した気もする……いやいい加減に現実逃避はやめようか。



「マグナァ!俺に当ったらどうsグェ」


「ハハッハ…………あ、ヤベェ」


「……フィリア様?!」



オカシイな、振り向いた途端に俺が吹っ飛んでるんだが。

防御性能が高すぎてぶつかった衝撃無いが、運動エネルギーはしっかり受けるんだよね、昨日の熊に殴られて解った。

……それは兎も角、人間が吹っ飛ぶってどれくらいのエネルギーなんだ?

多分80キロくらいで走ってる大型トラックに撥ねられたくらいだと思うんだけどさ、これ着地でも死ねるよね?


―――とりあえず籠手で何かを掴んで強制停止、あるいはドレスを下にして着地しないといけませんね。

スキル紹介

『警戒歩行』

 自身の発する音を極限まで抑え、周囲を警戒して進む探索系基本技術。

 魔法を用いた消音や探査も含まれる。この場合、魔法そのものを察知される可能性がある事を忘れてはならない。

 達人になると一切魔法を使わず、臭いすら自然に溶け込ませ、完全に周囲と同化する事が可能。

 冒険の際には最低1人居ないと『ああっと!』したり『バックアタックだ!』やら『モンスターハウス!』してしまうので必須スキルとも言える。

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