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俺と私と”魔法の世界”  作者: ながも~
セアルクニーグ皇国編
21/52

Dive_5 俺と私と出立の時

PV5,000、ユニーク1,200を突破しました。

本当にありがとうございます!


今回もなんだか説明回。

そろそろ説明回じゃない話が書けるようになりたいです。

あ、ありのまま聞いた事を話すぜ・・・

自分がNPCになったとは理解していたが、その身体がGMのクローン体。

さらには複数人のGM達の手により身体を弄繰り回された改造人間だった・・・

ライダーだとかそんなレベルじゃない・・・

なんというか・・・そう、この気持ちはまさしく―――



「愛だ!」


「うわ、フィリアが壊れた」


「なんとか帰ってきたみたいですね」



む、何だろうさっきまでより頭がスッキリしたような感覚?

この感覚は・・・そうアレだ、寝惚けて便座を全部上げたままトイレに座った時の感覚に近い。



「どうですか?意識はハッキリしてます?」


「え?・・・あぁ、何か妙にスッキリしてるんですけど・・・何したんですか?」


「うーん・・・どこから説明しましょうか・・・」



何か白埜さんが悩み始めたけど・・・何?そんな説明大変な内容なのか?

と、思ったけどどうやらあっさり決定したご様子・・・一体何だ?



「・・・そうですね。最初から全部説明すれば早いですよね?」



・・・・え、何それ長話フラグ?








 ―――という事です」



長かった。すごく話が長かった。校長の話なんぞよりよっぽど長い。

長すぎて半ば意識が飛び掛けたが、なんとか内容は理解できた気がする。

・・・まぁ、自分に直接関係する話だったからな。

白埜さんの話を纏めると、実は暴走して飛び出して行った時に俺は一度”死に戻り”したらしく、復活する間に3日経ったとの事。

しかもその死亡の際に”俺”精神が弱まって消えかかったらしい(なんでも、白埜さんの思考読み取り混ざるノイズが減ったとか?)

そんなワケで、白埜さんは薄くなった”俺”を叩き起こす為にちょっと荒療治・・・という事らしい。



「な、なるほど?・・・って事はさっきの衝撃事実発覚は演技だったんですか」


「いえ、身体の事は本当ですよ?」


「あ、それは事実なんだ・・・」



まぁ何にせよ俺はこうして元気な訳だから問題無いか。

・・・しかし、まさか初日から消えかけるとはなぁ、危ない危ない。

確かに思い出してみると自然に丁寧語で一人称”私”だった・・・あれが薄くなるって感覚か。

まぁ何にせよ俺はこうして元気な訳だから問題無いか?



「まぁなんというか・・・生還おめでとう?」


「そのまま分離まで行ってくれれば良かったんですが・・・流石に無理でした」


「えっと、ありがとう?・・・それで、今の俺の精神はどんな感じか解ります?」


「そうですね・・・先程までなら感情程度は読みとれたのですが、今は無理ですね。貴方の意識が強い、これは感ですが大体80%程では無いでしょうか?」



80%、中々の数値だな・・・いや値は関係無いか。

0にさえ成らなければ問題無く、100まで行けば万歳三唱って感じか?

・・・しかし管理人格と言う割に白埜さんも感とか言う辺り人間臭いな、流石双子(?)

まぁ、それはともかくとして・・・



「・・・俺がココに連れて来られたのはローツさんに会いに来たんじゃなかったか?」


「あぁ、そうだったね・・・忘れてたよ」


「ノイエさんは・・・なんていうか末期だな」



ノイエさんがアホなのはとりあえず置いておいて・・・

今の所白埜さんに”俺”を復活させてもらっただけでローツさんは特に関係無かった。

と、言うか元々ココに来た理由は旅の準備な訳であって、”俺”の為じゃない。



「お待たせしました赤璃さん・・・早速ですが、どの程度リソースがありますか?」


「おぉ?やっと私の出番かな?・・・そうだね、とりあえずコレ位いっとくか!」



そう言うや否や右手で自分の左腕を掴み・・・ひじから先を軽く取り外した?!

ってその左腕を振りかぶって何するんですか、っちょ俺に向かって投げ・・・?!



「うぇあぁぁ?!」



なんとかキャッチ・・・というか別に取りたく無かった。

ゴツゴツしたソレは赤い金属性の・・・籠手?あれ?



「そういやそのドレスはアレか!じゃあコレも付けちゃう。サービスし過ぎかな?まぁいっか!」



困惑中の俺をサラっと無視しつつ、さらに髪の毛一房を引き千切り(?)丸く捏ねてから投げてくる。

籠手を片手で抱えたまま、なんとかキャッチ・・・今度は赤い宝石?



「おおう・・・肘先一本どころか髪一房分も付けちゃったよ。気前が良いね」


「ええ・・・どうやら初めて人と会話できた事でテンションが上がってるみたいですね」



ええー、そんな適当な感じに腕とか渡されても困るんですけど。

・・・白埜さんとノイエさん達は慣れてる(?)のか平然としてるが・・・こっちはそれどころでは無い訳でして。



「腕は投げるわ、いつの間にか生えてるわ・・・その腕は籠手になってるし、髪の毛は宝石になるししで、一体どうなってるんです?」



そう、確かにさっきローツさんは左腕を俺に投げ渡した、つまり左腕が無いハズ。

だと言うのに気付いた時には既に左腕が再生していた。・・・が、そっちは正直どうでも良い。

問題なのはいきなり腕を投げてくる奇行と、その投げられた腕と髪が籠手と宝石になっていた事だ。

GMだから腕くらい生えてもおかしく無い。だが変化するのは流石に意味が解らない。



「ん?・・・なんていうか私ら管理人格ってのはアレだよアレ、人の形をしてるだけで人じゃないって奴?・・・あー私ってホラ、説明とか苦手なんだよね、白埜にパス!」



ローツさんからかなり・・・いや、恐ろしい程テキトーな返答が返ってきた。

・・・パスされた白埜さんも若干口元が引き攣ってるような?



「・・・はぁ、まぁ簡単に説明しますと私達は粘土のようなモノでして、身体を自由に変化させる事ができるんです。その為、身体の一部を切り離しても他の部位で補う事が可能です、ほら赤璃さんを良く見るとさっきより極僅かですが小さくなっているでしょう?・・・そして籠手の方ですが、一応本体から切り離された部分はただの固形物になるので絶対強度等は付与できないのですが、その籠手の素材は赤魔鉱石。赤璃さんの担当であり、また専門である物理演算を利用して任意で”物理演算を行わない”事により衝撃をゼロにできる防具が出来る・・・要するに黒菜ちゃんの『黒剣』の防具バージョン、という事ですね」



おおう、長々と説明ありがとうございます。途中息継ぎしてなかったぞ、コレが管理人格の力か・・・

しかし若干早口だったな・・・やっぱ無茶降りでちょっとイラっと来たのかな?



「・・・とりあえず腕が生えた理由と物への変化、それと籠手の効果は解りました。でもコチラの宝石は一体?」



そう、籠手は解った。要するにコイツで防御すればダメージが0になる。格ゲーのジャストガードみたいな事になるって事だ。むしろ物理的な干渉を全て無視するって事は反射するって考えても良いのかもしれない。相手だけ硬直してる間にこっちが攻撃とかできそうである・・・技量が足りないと思うけど。

でも宝石はそうはいかない。絶対壊れない宝石?いやいや意味が解らない。



「ええと、そちらの宝石は・・・あぁ、そういう事ですか。ちょっと貸してもらって良いですか?」



良く分からないが宝石を渡すと宝石を囲うように雪のように白い金属で装飾を施されていく。

コレは白埜さんがさっきのローツさんのように自分の身体を材料に何かを作ってるんだろうか?

10秒程だろうか・・・何度かやり直していた気もするが、何か出来あがったらしくみたいだが・・・



「・・・それはブローチですか?」


「ええ、赤魔石のブローチです・・・そうですね、胸元に付けましょうか」



そう言うと白埜さんは俺の胸元に手を伸ばし、襟の中央とでも言えば良いのだろうか?首元?まぁとにかくその辺に取りつけてくれた。

するとどうだろうか、ブローチを中心に今まで白かったドレスが仄かに赤みを帯びて行く・・・?!



「うわっ、何ですかコレ!?ドレスが赤くなりましたよ?!」


「そのドレスは白魔鉱石を生地に織り込んである特別なモノなんです。白魔鉱石の効果は”他魔石からの被浸食”、つまり胸元の赤魔鉱石の効果を受け、ドレスを高ランクの防具と同等にする効果が発揮されます」



ほほう・・・つまり俺はローツさんから凄い鎧と無敵の盾を貰った、って事か。

これはお礼をしなければなるまい。というかさっきお礼してなかったな、まぁ腕なんて投げられたからお礼なんて言ってる場合じゃなかった訳だが。



「こんな凄い物を頂いてしまって・・・本当にありがとうございます、ローツさん」


「うむ、良いってことよー!今日の私は気分が良いのさ、旅頑張れよー!」



うん、やっぱりテンション高いなぁ・・・

白埜さんが言うには今日は異常な程テンションが上がってるらしいのだが、普段がまったく想像できんな。

実は普段はクール系美人だったりするんだろうか・・・いや、無いか?



「・・・そうです、そうしましょう」


「ッ!?・・・突然何ですか白埜さん、驚いたじゃないですか」



突然隣で声を出すから吃驚する・・・というか本当にちょっと身体が跳ねてしまった。

さっきから顔を向けてからしか話さなかった白埜さんだから、余計に驚く。



「あぁ、すいません驚かせてしまいましたか・・・えっとですね、皆が貴方に装身具を贈る中、私だけ何もしない・・・というのも如何かと思っていたところでして」


「ええっと・・・先ほどブローチを作って頂いたのですが・・・?」


「いえ、アレは赤璃さんからの贈り物なので私は大した事はしていませんし・・・と、言う訳でこの帽子をお渡ししましょう」



そう言う白埜さんが何所からともなく取りだしたのは・・・白埜さんが被っている白い帽子と同じもの?

また身体を材料に作ったんだろうか・・・その能力便利だな。使いたいかと聞かれるとNoだけど。



「帽子、ですか?・・・あ、この帽子も白魔鉱石とやらで出来ているって事ですか?」


「その通りです。この帽子を兜代わりにすれば良いでしょう。ドレスで頭は護れませんからね」



渡された帽子を被ってみると・・・確かに帽子が薄らと赤く染まる。

これでほぼ全身が超装甲になったな。多分足元以外からの不意打ちにはなんとかなるんじゃないか?

どんどんチートが加速するな。しかしまぁそれでも負ける事がありそうな世界だから困る。

・・・しかし、これで準備完了かな、2人ともお別れか。



「・・・そうですね、これでこの場で出来る事は全部終了です。お疲れさまでした」


「本当に、色々とありがとうございます」



そして部屋の出口・・・降りてきた階段へ続く扉まで案内される。

何だか色々あった所為で結構長い事居たような気もするが・・・まだ1時間も経ってないらしい。



「ふふ・・・また会う日までお元気で」


「元気でなー、頑張れよー!」



また会う日が来るのだろうか?などと思いながら白埜さんを見る。

微笑みながら見送ってくれる白埜さんの笑顔はとても綺麗で・・・正直、見惚れた。

・・・だが直後に聞こえた残念美人なローツさんの声で現実に戻され、さらに良く考えると今の俺は同じ顔だし、ナルシストっぽい?とか思ったら冷静になれた。

・・・セーフセーフ・・・・・・いや何が?



「本当にありがとうございました、お元気で!!」



そして俺はもう振り返る事も無く、ただ真直ぐ前だけを向いて勢い良く階段を駆け上がる。

・・・この長い長い階段を上りきった先に俺の本当の旅が待っているんだ!



 ――――― 第一部、完ッ!!!

次回、やっと最初の街から出られます・・・?


・・・そういえば次回予告のようなモノをあとがきでやった方が面白いのですかね?

そういった意見があったらやってみようとは思うのですが。

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