Dive_4 私と紅白と”フィリアレーギス”
なんだか今回はちょっと長めな気がします。
・・・文章が長くなっても話があまり進んでない気がします。
それはそうと、PV4,000超&ユニーク1,000超しました!
楽しみにして下さっている方々に感謝を!Dive_4 私と紅白と”フィリアレーギス”
最初の教会のような神殿奥のステンドグラスの下のあたり、壁だと思っていた箇所を押すとなんと隠し階段が。
―――その隠されていた階段を降りること約30秒程、広間のような場所に辿り着き・・・
「着いたよ・・・ココが地下神殿だ!」
「って近い?!普通迷宮を抜けた先とかじゃ無いんですか!」
「え~?そんな所造るのも通るのも面倒じゃない?GM権限無いと開けられないから侵入者の心配も無いしね?まぁ、用事があるのはもう少し奥だから進むよ」
『地下神殿』なんて大層な名前がだから途中に番人が居たり、大がかりなトラップがあると覚悟していたのに!
・・・まぁ、害が無い分には良い事ですよね?
「それにしても、神殿って言うから石造りの遺跡みたいなモノを想像してたんですが・・・一昔前のSFみたいですね」
「見た目は私の趣味。ココはこの世界の物理法則の内で『世界』に接続して演算する分を纏めてる場所だからね・・・神殿っていうより世界の中枢って言った方が良いのかな?・・・あれ、これって機密だっ―「ッ機密に決まってるでしょうがァー!」―たぁー?!」
・・・・・ノイエさんが息を吐くように裏情報をボロボロ漏らしてたと思ったら奥の扉から飛び出した白い影に吹き飛ばされました・・・ノイエさん無事かな?
「~~ッ!!全く(ゴスッ)黒菜ちゃんは地上監査を初めてから実に人間っぽくなって(ガスッ)あまりの成長っぷりにお姉ちゃんはシステムリソースがガリガリ減ってしまいます!(ドスッ)」
「うぷっ・・・ちょっ・・・白姉ぇやめっ・・・イヤホントスイマセンデシタ!」
うわぁ・・・何やら喧嘩?が始まってしまいました。
ちなみに”黒菜”というのはノイエさんの別の名前だそうで。サーバの管理人格さん達は皆4つ程名前を持ってるらしいです。
・・・しかし白い人はノイエさんにそっくりですね、2Pカラー?って感じでしょうか・・・あ、白い人の拳が鳩尾に入って・・・・うわぁ。
そ、そういえば管理人格でも痛覚とかあるんですかね?基本的に最強で無敵であらゆるダメージが0になるらしいんですけど・・・
「・・・ふぅ・・・今回はコレくらいにしておいてあげるよ・・・まだ仕事もあるしね?」
「・・・・・・・・・・・・」
どうやらノイエさんと白い人の長い戦い(一方的な制裁)がやっと終わったようです。
白い人は足元の黒い物体を壁際に放置して笑顔でユラリと立ちあがり、真っ赤に染まった手ヲコチラニむケテ―――
「ひあっ・・・あう・・・あうあぁぅあぁ・・・・・・」
―――あ、コレは死にますね・・・・
「・・・ハッ!ここは・・・ってこの流れは既視感が!」
周りを見渡すと黒曜石のように黒い壁に緑色に光るラインが走った例のSF風の場所。
よかった、今度は死んで無いみたいです。
「やっと起きてくれたました・・・挨拶しようと思っていたら突然気絶するのでから焦ってしまいました」
「はじめまして・・・えっと、すいません・・・どちら様でしょうか」
・・・そして目の前には白い人とノイエさん・・・の死体?・・・生きてますよね?
まぁサーバだからきっと死んでないですよね?
でも・・・そのサーバの管理人格であるノイエさんを一方的に攻撃出来るという事は上位サーバとかなのですかね?
「あぁ、自己紹介がまだでしたね。私は白埜と言って、調整担当の管理人格です。・・・まぁ簡単に言うと広域担当のGMと思ってもらえれば良いです」
「あ、これはご丁寧にどうも・・・私はフィリアレー「知ってますよ?」・・・ですよねー」
言わせてくれても良いのに・・・しかし白埜さんは何か逆らえないオーラというか何というか・・・
絶対に逆らってはいけないような気がするんですよね・・・まだ怒ってるんでしょうか?
「まぁ、その事も折角だから説明しますか・・・ココじゃ何ですので奥の部屋へどうぞ。あの人をいつまでも待たせるのも悪いので」
勧められて入った部屋は・・・なんというか、コンソールルーム?大型モニタと大量の浮遊ディスプレイ。
・・・まさにSF!といった感じですね、ココは魔法ファンタジー世界なんですけど。
その部屋の中央、黒地に緑のラインが走った・・・この部屋の壁と同じような模様の3メートル四方程の立方体・・・から赤い女性が生えてました?美人なんですが・・・ナニアレ
「あの人が貴方がココに連れて来られた理由・・・物理演算担当のエリュテイアさんですよ」
「やぁやぁ、ご紹介されました、エリュテイアさんだよ!ローツとかエリュ姉とか好きに呼ぶが良い!!」
「あ、これは・・・ご丁寧に?・・・えっと、じゃあローツさんとお呼びしますね」
ローツさんは美人さんなのですが、箱から身体が生えてたり(?)テンションが異様に高かったりで・・・残念美人さんというヤツですね。
それにしても白埜さんとノイエさんはソックリですが、ローツさんは似てないですね。GMはみんな同じ顔なのかと思ったのですが・・・
「あぁ、私と黒菜ちゃんが似てるのは姉妹機だからですよ、現実世界にある機器が同型、と説明した方が解りやすいですか?」
「なるほど、姉妹でしたか。それならローツさんだけ似てないのも納得できます・・・」
正確には白埜さんとノイエさんが似ている。と言った方が良いんですかね。
あぁ、そういえば―――
「・・・さっきから心読まれているような気がして仕方ないのですが」
「やっと気付きましたか」
「・・・え、本当に読まれてたんですか!?」
・・・・GM権限で読心が出来るなんて・・!?
まずいマズイ拙い!さっきからローツさんは残念美人だとかノイエさんは白埜さんよりアホっぽいとか考えてたました!
・・・ってあぁあああああコレも読まれてるんですか?!どんどん深みに嵌って行く・・・!
「あー・・・貴方の心を読めるのは私だけですし、曖昧にしか読めませんから安心してください」
「ぇう?あ、そうなんですか。良かった・・・いや良く無いですね、なんで読心とか出来るんですか。プライバシーの侵害ですよ!」
いくらGMだからってやって良い事と悪い事があります。
・・・あれ?白埜さんはサーバだから良いのかな?いやそんな事無いですよね?
「まぁ、読心を簡単に説明すると・・・そうですね、コレをどうぞ」
渡されたのは・・・手鏡?・・・何かマジックアイテムのようなモノでしょうか。
映ってるのは、薄金色の髪をした目の前の人と同じ顔。
・・・金髪の白埜さんが移ってました?・・・だから何。
「不思議そうな顔をしてますが、それはただの鏡ですよ・・・映ってるのは貴方の顔です」
んー?という事はこの金髪の白埜さんが私だということで。
つまり私と白埜さんとノイエさん、3人は同じ顔な訳で。
「ハッ、まさか・・・3つ子―「違いますよ」・・・・ですか」
あれ、違いましたか。・・・他に何か意味があるんでしょうか?
「え・・・えぇ~?えっと、つまりどういうことです?」
「簡単に説明しますと、『フィリアレーギス』というNPCは私、白埜のコピーを元に造られたんです」
―――クローン人間(?)みたいなモノ、ですかね?
あ、死んでた(?)ノイエさんが反魂ってきたみたいです。
「ついでに言うと、フィリアの”AI”は白姉のリソース、つまりサーバ・コーディネートで動いてるんだよ」
「ノイエさん無事だったんですね・・・長い事見てなかったので忘れてましたよ・・・」
「あははは、地味ーに酷いなぁ・・・まぁ良いけどさ」
『フィリアレーギス』の”AI”は白埜さんのサーバで動いている?
何か黒菜さんは”AI”を強調してましたが・・・・あれ、”AI”?
この世界のNPCは全員LI(学習知能)のはずじゃ?
「あ、気付いたみたいだね・・・フィリアはこの世界で数少ないAIで動くNPCなんだよ」
「そしてそのAIは私が演算してるから心を読めるという訳です・・・まぁ、貴方が混ざっている為に殆どノイズなんですけどね」
「な、なるほど?・・・えっと、じゃぁなんで髪が金色なんでしょう、コピーなら白くなるんじゃ?」
「フフフフ・・・・実はその身体はねぇ・・・・私達サーバ管理人格達全員で弄繰り回したのだ!」
なにやら得意気に宣言するノイエさん・・・クローン人間の上に改造人間?!
「・・・なにそれこわい」