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俺と私と”魔法の世界”  作者: ながも~
セアルクニーグ皇国編
18/52

Dive_2 私の心と現状

話を聞いてみるとこの身体は今日から開始する予定だったイベント用NPCで『フィリアレーギス・G・セアルクニーグ』という名前のお姫様らしい。

身体は完全にそのお姫様。つまりシステム上ではNPC扱い。

プレイヤーである”俺”としての記憶を完全に持っているが、自身の情報はフィリアの情報が混在。

性格が殆どお姫様、そして”俺”と性格が微妙に違う、つまり精神が混在?融合?してる。

その影響か、微妙に口調や性格が安定していない。2人の間で揺れ動いて不安定。


「・・・っていう事で合ってますか?」


「うん、大体そんな感じだね。それとそんな無理して口調変えなくて自然で良いよ?」



・・・なんだか面倒な事が起きてしまったようで、『どうしてこうなった』とはまさにこの事ですね。



「それで、その原因を調べてみたら、詳細は不明だけどエラー発生箇所からしてログイン時の精神接続とNPCの起動が重なった結果だって事らしいんだ」


「そっかぁ・・・って確かに滅多に無い事だとは思うけど同時接続くらいなら事例は無いの?」


「今回はサーバ稼働中に起動したからね・・・いつもNPCの起動はメンテナンス明けの直前だから、こんな事起こらなかったんだ」


「へぇー・・・」



・・・あぁー・・・2が並んで超記念日!とか思いながらログインしたら同じような理由で記念にイベント起こしてたと。・・・なんて残念な原因。

それは良いとして、黒い人が申し訳なさそうな顔してるな。別にそこまで深刻になる問題じゃないような・・・?



「・・・それで、ココからが本題。さっきのキミの精神の話なんだけど、混在ならまだしも融合してたらログアウト時に現実に影響する可能性が指摘されたんだ」



・・・現実で今の口調(ちょっと丁寧語入り)で喋る"俺"・・・元は結構粗暴な感じの口調だったみたいだけど。・・・何か問題があるのかな?



「えっと、何か問題がありますか?それ程無いような気も・・・ちょっと友人達には変な目で見られるかもですが」


「考えてみてよ、精神は男女が混ざってる状態、うっかり女子トイレに無意識に入っちゃったりするかもしれない。しかも女側はお姫様、無駄に威張ったりはしない性格だけど・・・現代社会ではちょっとアレな人に見られかねないよ」



・・・言われてみてからちょっと真剣に想像してみる。

1.極自然に女子トイレへと入る"俺"がそのまま個室へ

2.あまりの自然さに呆然とする周りの人、その後直ぐに正気に戻って混乱が起きたり?

3.用を足して、外が騒がしいけど何かあったのかな?とか思いながら外へ

4.警察に敢無く御用。そのまま取調室。彼は語る・・・極自然に入ってしまい気付きませんでした。

・・・・友人達からは勇者扱いかもしれないけど、世間一般から変態扱いは嫌です。



「想像してみると確かに碌でもない事が起こるような気がしますね・・・」


「でしょ?だから、現状を構築してる異常を取り除いて元に戻した方が良いと思うんだ」


「原因と言うと・・・私の精神の話ですか?それで取り除くって・・・」



・・・まさか、私に一度死ねとか言うのかな、死んだらどうなるのか知らないし・・・



「いや、確かに半分はキミの精神が原因なんだけど、もう1カ所異常があってね・・・まぁバラしてしまうと今回のイベントの魔王なんだけど」



原因が魔王にもあるんですか、むしろ魔王が原因じゃないんですか。



「それでその魔王をキミが倒す、その際に私達で異常をなんとかする。そしたらきっと元通りだよ」



何やら大変なクエストが発生してしまったような・・・まぁ変態扱いよりはマシ、かな?

しかし魔王を倒せ・・・と、古今東西王道RPG主人公の気持ちを味わう事になるとは



「・・・それでその魔王はドコに居るんでしょう。というかラスボスちっくな敵、私に倒せるんですか?」


「場所は魔界。魔物がいっぱいいるけど、まぁフィリアは不老不死だから大丈夫だと思うよ。私達も付いていくしね」


「貴女ば戦えるんですか?どう見ても少女にしか・・・って魔法がありましたね。それとサラっと不老不死とか言わないでください。・・・まぁそれなら安心できそうです」



新事実、私は不老不死。ダメージ無視で魔物の群れに突撃するお姫様!・・・って無いな

・・・いや逆にアリかなぁ?



「そう、不老不死。『その昔、巨悪を魔界奥に封じる為にその身を楔にした』っていうストーリーだし、当時最も魔力を持っていた姫以外で誰が封印を維持出来るのか・・・っていうね。

その膨大な魔力で封印を維持しつつ、お姫様はこの神殿で仮死状態で老いない、という設定。

・・・まぁ実際そんな封印だとか神殿が~とか設定するの面倒だったから『説明役の姫は不老不死で神殿から出れない』『魔王は魔界、頑張れば倒せる程度』っていう事だけ設定したんだ」



なんという裏話。面倒だったからというだけでそんな設定をするとは・・・

・・・というか『設定』とかそんな事ぽんぽん言っても良いんだろうか?



「それにイベントNPCだよ?もし誰も魔王倒せなかったらどうするの。その存在を伝える役としてココに居るフィリアが死んだりしたら伝える人が居なくなっちゃうよ」



要は『魔王が倒されるまで姫は死なない』という設定さえあれば良かったと。

確かにその結果だけを残せば良いのなら問題は無い・・・のかな?



「なるほど、それは納得しました。それともう一つの質問の方ですが戦えるんですか?・・・そう言えば裏事情に詳しいですけど、運営の方ですか?」


「そう、私はGMみたいなモノだから、そりゃ詳しいよ。・・・それと同時に直接干渉が出来ないんだ、だから援護する形になるよ」



なるほどなっとく、GMさんでした。そう言えば初めて会った時もエラーがどうとか言ってましたね。



「・・・結局戦闘は私の役目ですか。まぁ元からそういうゲームとしてこの世界来たのでそれ程問題は無いですが」


「ゴメンね・・・でも気を付けて。確かに不老不死なんだけど身体が無くなればココに戻される。なによりもキミの精神は普通の人間なんだよ。死ぬという感覚に耐えきれずにキミの精神が消滅してフィリアだけ残るかもしれない」


「うわぁ。洒落にならないですねそれは・・・それも加味して、所謂Lv1な私がそんな魔王なんて倒しに行けるので?」


「そこで私の出番。この世界で私は武器の神様扱い。システム上の仕事は魔物への物理攻撃判定時の追加ダメージ処理。技も力も足りなくてもサクッと切れるよ!」


「神様ぁ?!・・・あぁでもGMって神様みたいなモノ・・・かな?というか判定?処理って・・・?」



急にシステムちっくな話になって来た。GMなのに判定って・・・一体?



「ふふふ・・・不思議そうな顔をしてるね、何を隠そうこの私!ノイエさんは攻撃判定担当サーバ・ジャッジメントの管理人格。そしてその私が全力処理を行う武器だよ、この世界で切れないモノは私たちGMとその保護指定物くらいだろうね。どう、スゴイでしょう?」



急展開すぎて空いた口が塞がらない。微妙に冷静な部分が残ってるのは”フィリア”としての部分なのかな?

・・・どうやら剣なんて持った事無いのにいきなり最強武器を手に入れてしまったようです。

・・・長々と説明回でした

そろそろフィリアさんが旅立ちます(?)

―――その勇気が自分(と世界)を救うと信じて・・・!!―――


なんか今までの文章が読みづらかったので台詞と地文の間には1行空白入れてみました。

・・・各段に読みやすくなった気がします。早く気付けばよかった

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