表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双神・人伝説  作者: 安堂遼介
第一章『シャカ国編』
2/6

1.出会い


「いや、死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!」

 そんな声が聞こえたので見に行ってみよう。


 崖っぷちを走りながら黒い翼の生えた3メートルぐらいの堕天使に追われている男の子がいるではないか。

 彼の名前はエリン。エリン=ケラティナス。そして前世は高校2年生で友達とゲーセンに行った帰りにブレーキの効かなくなってしまった車に轢かれて気づいたら原っぱの上で、気がついてから歩いていると黒い堕天使に追われていると言うわけだ。

 おっと堕天使が何かわからないよね。

 まずここがどこなのかから説明しよう。

 ここは『神教国シャラティナ』と『シャカ国』の国境付近で、彼がいるのはシャラティナ側だ。他にも『魔導国フィルメニア』や大陸中央に位置する『神の箱庭アルカンティナ』とかもあるんだ。

 そして堕天使はアルカンティナの天使が罪などを犯して国外追放をされ、自我を失った存在だ。

 堕天使の強さは大きく3つあって、それは翼の数で決まる。翼が2枚が下級天使、4枚が中級天使、6枚が上級天使さ。

 今、彼を追いかけているのは一対しか翼がないから下級天使だね。それでも村とかなら余裕で滅ぼせるし、力も強い。

 彼がまだ死んでいないのは新しい体が強いからさ。普通ならもう死んでる。

 あ、でもそろそろ死にそうだね。

 それじゃ、視点を変えようか、ばいばい


 ≺≺◆≻≻


「いや、死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!」


 なんで僕がこんなことにならなきゃいけねーんだよ。普通異世界に転生したら最初は金持ちとか王族とかの屋敷の中だよな!なんで来るなりそうそうこんな「我を見たものは皆死すべし」みたいなやつに追われなきゃいけねんだ。

 うわぁ!

 右手で地面を殴った衝撃で地面が割れ、足場がふらつく。

 あんなの食らったら一瞬でお陀仏だよ!

 必死で走ってるけどなんか少しずつ左側の崖に追い詰められてる気がするし、このままじゃジリ貧だ。

 そんな時だ

 橋が崖を繋げて向こう側に行けるようになっている。

 橋は木の板と縄を合わせたボロボロの橋だ。

 あの橋を渡ればなんとかなるかもしれない。


 キエェェーーーーーー!!


 黒い巨体がいきなり咆哮をしだした。僕が渡ろうとしたことに気づいたんだ。

 攻撃はもっと激しくなって今にも死にそうだ。

 暴れて舞った瓦礫が僕の太ももを切り裂く


「くぅ!」


 僕は走って避けて走って跳んで、なんとか橋を渡り始めた。心臓がうるさすぎて耳が聞こえない。


 ここで一つ想定外が起こった。


 最初僕は橋を渡れるのは僕だけで黒いやつは橋を渡れずに立ち往生すると思っていた。それだけ橋を狭くて小さかったから……。


 骨が粉砕するような音をたてながら橋が悲鳴をあげる。

 橋の留め具が切れ、橋は斜めになり始める。足場は蛇のように蠢き、立つことも走ることもままならない。


 アァーーシャャーー!!


 走れ走れ走れ走れ走れ走れ走れ走れ走れ走れ走れ走れ走れ、足がちぎれるまで、心臓が止まるんじゃないかってぐらい。


「届けぇーーーーぇ!」


 僕が崖を飛び越え岸に手が届いた時、黒は崖に落ちていった。

 あれ?そいえばあいつ翼持ってなかったっけ。

 は!と気がついた時、すでにやつは真後ろで僕の顔面を砕かんと拳が目と鼻の先まで来ていた。


 あ、これ死んだわ


 と、思った時彼女は現れた。


「【貫け】【クリムガン】!!」


 彼女の手から溢れる炎はすぐさま槍の姿へと変わり、黒の背中を貫き、一瞬で灰と化した。


 彼女はゆらめく絹と光を放つような赤色を混ぜたような長髪を身にまとい、紐で後ろ髪を結び、余った髪を肩にかけた美しい女性だった。


「そこの君、大丈夫ですか?怪我は?」


「えっと、ごめんなさい。助けていただいてありがとうございます。あなたは一体?」


 声が綺麗で芯の通った迷いのないものだった。


「わたしですか?わたしはリーシアと言います。堕天使が子供を襲っていると聞き、飛んできました。...それで..貴方は?」



「僕はですか!……僕は多分、多分、エリンって言います」


「そうですかエリンさん、ではすみませんが身元がわからないので少しだけ痛いことをさせてください」


 え、それってどういう?と思ったらリーシアさんに格闘漫画の如く首をトンッてされて僕はまた寝た。


 それが彼女と僕の最初の出会いだ。

 


 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ