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-03-

 

 そういえば女の子の名前を訊いてなかったな。


「娘、名は何という」


「マキナ・ギンヌメール・ヴィオン・バッカニア・プラウラーです」


 え?

 何その長い名前。ツッコんで良いのか?ツッコミ待ちなのか?


 長い名前はエルフ有る有るなのかもしれない。文化の違いだろうか。

 エルフ的には、これでも短く略した名前です、とか言われたらお手上げだぞ。

 だが、こんな長い名前、覚えれる訳が無い。


 うーむ。どうしよう・・・。



「マキだ。今日からお前は、マキと名乗れ」


 まー、あれだ。アホみたいに長い名前の犬種の犬に、タロウとかの固有名を付けるのと同じだ。


「は、はい。ありがとうございます。ありがとうございます」


 あれぇ。怒るかと思ったけど、逆に感謝されたぞ。

 これもエルフ有る有るなのだろうか。マジで文化の違いがわからない。

 本人が気に入ったなら良いだろう。余計な事を言って蒸し返すくらいなら放置だ。


「それよりも、村へ行こう」


「は、はいっ!」




 エルフ少女に案内された村は、非常に賑やかだった。

 中世風の兵士が松明でエルフの家に火を付けて、盛大にキャンプファイヤーをしている。

 女性のエルフは裸にされて、檻で出来た馬車にすし詰めになっている。

 男性のエルフは串刺しにされて、村のオブジェになっていた。


 どんな世紀末だよ。マッドなマックスが上品に思える光景だぞ。


「酷いな」


 兵士は大した武器を持ってないようなので、俺は村の中心へと堂々と歩いて進んだ。

 コソコソしてても、身長2メートルのロボじゃ、簡単に見つかると思うんだよね。


 俺の姿を認めると、明らかに人間の兵士たちはうろたえ始めた。


「巨人だ! 巨人が出たぞぉー!」


 おいおい。身長2メートルで巨人は無いだろう。

 そりゃあ、兵士たちと比べたら、頭一つ分以上の差は有るけどね。


 右往左往する兵士たちの中央で、馬に乗ったチョットだけ良い感じの鎧を着たオッサンが激を飛ばしている。


「落ち着け!狼狽えるな! 所詮は蛮族の神!我らの信仰が有れば、敵では無い!」


 カッコ良く演説をかましたオッサンが、馬に乗ったままランスを構えて突撃して来た。


 あれ?

 オッサンは俺の事を知ってるようだぞ。オッサンが知ってるなら他にも知ってる奴はいるだろう。

 俺以外にも機械の体を持つ存在がいるなら、逢って情報交換したいね。


「さすが団長だぁ! 俺たちに出来ない事を平然とやってのけるぅ!」


 周囲の兵士は突撃したオッサンの事をやたらと持ち上げているようだ。


 盛り上がる兵士とは反対に、俺は迷っていた。

 オッサンを射殺するのは簡単だが、射線上に馬の頭部が有るのだ。罪のない馬を巻き沿いにするのはヤリ過ぎだろう。


 俺はランスを両手で受け止めると同時にへし折り、すかさずオッサンにラリアットをキメた。

 バランスを崩したオッサンは馬から叩き落ち、呻く時間すら与えずに頭部を足で踏みつぶして終了。

 振り向くと、馬は元気そうだ。


「団長がやられたー!」


 今まで指揮官をヨイショしてた兵士が、踵を返して逃げ出した。それを見た全ての兵士も逃走を始めた。

 指揮官不在の集団は弱いと聞いた事あったけど、全員逃げるとかどうなってるんだ?


「あっ、マズい」


 エルフを載せた馬車で逃げようとしてる奴がいる。そのままエルフを持って行かれると面倒だ。

 馬車に近寄る奴を『サブマシンガン』で一掃する。


 パパパン、パパパン、パパパン。


 10人ほど撃った所で馬車に近寄る奴は居なくなった。

 銃器を知らない中世の霊長類でも、馬車に近寄ると殺される事を理解出来たようだ。


 あとは、コッソリ隠れて俺を見ている者や、俺の隙を狙って馬車に乗り込もうとする者を狙撃して戦闘終了だ。


 さて、兵士の死体と串刺しエルフの死体はどうしたら良いのだろうか。

 目が覚めてから、死体ばっかり見てるような気がするな。


 このまま放置したら疫病が発生したり、獣が寄って来るだろう。

 串刺しにされたエルフは、馬車から降りてきた女性エルフに任せても大丈夫だろうか。宗教的な儀式があるかも知れないので、俺が手を出すのは良く無いと思う。

 困るのは蹂躙してた兵士の遺体だ。

 どう考えても邪魔。不要なモノだ。


 ラクな処分方法が無いかステータス画面をポチポチしてると、見つけてしまった。

『その他の製造』に遺体を素材として利用して作れる物の一覧があった。

 バイオエタノールとか化学肥料とか抗生物質とか結構有意義な物が作れるようだ。


 不良在庫の死体を有効活用すると考えよう。

 俺は試しに、兵士の遺体を投入口に頭から入れた。


 グッチョボギギッグチャバキグチュグチャ・・・


 聴いてはいけないような音が、俺の腹部から鳴っている。


 そうこうしている内に、1人分の遺体の処理が終わり、製品が完成したようだ。


「マキよ。聞くが良い」


「はいっ!鉄人様!」


「これを、怪我をした者に飲ませなさい」


 俺が渡したのは、ちっちゃなアンプルに入った液体だ。

 液体の成分とか、アンプルの素材が何処から来たのかとか、不明な事が多過ぎるが出来てしまったものは仕方が無い。


「これは、お薬ですか?」


「それで1人分だ。四肢欠損程度なら治る。重傷者から使うように」


「そ、そそそそれってエリクサー!? 鉄人様、貴重な物をありがとうございます!」


 ぶっちゃけ、エリクサーとは別物だと思うけど、俺からしたらどちらもファンタジーなので見分けが付かない。


 このボディを作った科学力が一番のファンタジーだけどな!



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