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俺はエルフたちをトラックに乗せ、川を越えて一気にシャハル帝国の陣地に突撃した。
元捕虜の兵士たちは置いてきた。トラックに全員は乗れないし、モッコリを無人には出来ない。
ぶっちゃけ、元捕虜は銃も火炎放射器も使えないから戦場では邪魔なんだよね。
奇襲の効果はそれなりにあった。
連中は勝ったつもりで気が抜けてたんだろう。砲の近くに火薬の樽を置いたままだった。普通ならそれだけで始末書モノだよ。
おかげで誘爆が進む進む。次から次へと砲が火の海へ沈んで行ったよ。
無能な見方ってドコにでもいるから、ホント助かるね。
火炎放射器で洩らした兵を、俺がガトリングガンとサブマシンガンでお掃除する。
シャハル帝国の戦線は崩壊し、生き残った兵は皆バラバラに逃げ出したね。
さて、神聖帝国コンファールトに要求を突き付けるなら、今がチャンスだと思う。
包囲してたシャハル帝国が大混乱に陥って、事情を知らない神聖帝国コンファールトはパニクってると思うんだよ。
でも、なんて声をかけようか。
今更“味方です”なんて言えないし、言っても信じないよね。
やっぱ、強気で押しまくって、断られたら神聖帝国コンファールトに突撃すれば良いかな。
エルフたちにはエリクサーモドキを渡してるし、武器も持たせてるから、まだまだ戦えるでしょう。
なんか、ロボになって好戦的になったような気がするなぁ。
“郷に入っては郷に従え”って事で、野蛮な世界に馴染んだのかなぁ。
まぁ、考えても仕方が無いね。
俺はステータス画面をポチポチして音声の出力を300%へ上げた。
「神聖帝国コンファールトに告げる!シャハル帝国の運命を見たであろう!エルフに対する扱いを変えなければ、壁内の民も同じ運命となる!」
まずは軽く脅して神聖帝国コンファールトの出方をみよう。
「我は神聖帝国コンファールトの国王である!」
いきなりボスから返答が来るなんて、予想外!
てか、ここまで声が届くのって拡声器のような魔導具を使ってんのかな?
「ウィンダミア教団が交易に用いているものは、我らが父祖が残した聖遺物である。即刻中断し、遺物を全て我らに引き渡せ!」
電子基板を取引してるなら、在庫をある程度は確保してるでしょ?
まずは。それを全部いただきましょう。
・・・うーん。国王からの返答が来ないねぇ。迷ってるのかな?
国が無くなる瀬戸際なんだから、要求を受け入れると思ったんだけどな。
ひょっとして国王よりウィンダミア教団の方が権力が上で、板挟みになってる?
あ!国名に“神聖”がついてるよ。
つまり、神様かその代弁者の聖職者が認めないと、国王は国王では無いって事。
神様の後ろ盾が無いと、この世界の人たちは納得しない。だから国王の要求でもウィンダミア教団はツッパねる事が出来ちゃう。
これは厄介だ。教団を納得させないと、遺物がGET出来ないってことだ。
「鉄人よ。・・・すまぬが、わしにその権限はない!」
予想通りの返答が来たよ。教団は状況を認識してないのだろうか。
仕方が無い。俺が直談判しに行こう。ウィンダミア教団の連中は、半分も残せば十分でしょ。
「ならば我が直に談判しよう。門を開けよ!」
門に近付くと、目を丸くした兵士と目が合った。俺に眼球は付いて無いけど、なんとなくそんな感じ。
俺が指をクイックイッとして、開けろというジェスチャーをすると、青ざめた兵士が慌てて巻き上げ機を回し、門が開いた。
アホな教団や国王はともかく、兵士は俺に対する恐怖が染みついてるようだ。
門をくぐり、街の中に入ると、俺はさっそく無数の兵たちに取り囲まれた。
俺とシャハル帝国との戦いを直接見てない奴らは、そうなるよねぇ。
しかし装備の質は、神聖帝国コンファールトの兵士とは思えないほど低い。木製の盾と槍だけ。金属鎧どころか、鎖鎧も革鎧も装備してない。布の服は装備には入りませんよ!
こりゃあ、兵士というよりも住民をかき集めただけじゃないかな。
この国の兵士不足は末期だねぇ。
まぁ、かなり俺のせいだと思うけど。
「鉄人だー! 鉄人が入ってきたぞー!」
「畜生ーー! 兄弟の仇だ!」
「エルフを殺して何が悪い! ぶっ殺してやる!」
反応が予想通り過ぎて、新鮮さが足りないんだよ!
俺がウンザリしながら視線を上げた先、大通りの更に先に大聖堂のような建物が見える。
その建物のバルコニーに一人、豪華な服装をした老人が現れた。




