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 俺が生体素材の回収を終えた頃、トラックも到着した。

 はしゃぎ疲れたエルフたちは、みんな眠っていた。明るくなる前に村を囲ってる壁を強化する予定なので、朝まで放っておく事にした。

 ちなみに、この村の生体鉱脈はイマイチな成果でした。


 それじゃあ、さっさと壁を作りましょうか。

 まずは材料が足りないので、今ある石壁をパクパクしていきます。

 他にも必要な素材はありますが、ストックしている分から使いましょう。

 鉄は砦のストックから、水素とカルシウムと炭素は生体素材のストックから、残りは空気中から補います。


 デデン!


 そして完成したのが、鉄筋コンクリート製の高さ4メートルの壁。アルファベットの“T”の字を逆さまにした形で幅が2メートル。

 1つだけだと押したら倒れそうだけど、連結させたら人力では倒せないだろうね。

 それに村を囲むよう円形に配置したら、重機を使っても難しいと思う。

 攻城兵器でコンクリートを破壊しても、中の鉄筋を切断しないと侵入出来ない安全設計。

 おまけに、ブロックを追加する事で村の面積を広げる事も可能である。


 問題はこの作業を全部、俺一人でする事だね。

 石壁をパクパクして、コンクリートブロックを製造して、連結させる。これを終わるまで繰り返す。

 疲れ知らずのロボの体で良かったよ。


 そう言えば、ロボとして目覚めてから、まだ1回も眠って無いんだよね。

 眠たく成らないから、寝てないんだけど、眠れるのだろうか。

 うーん。

 生物が眠るのって、肉体疲労を回復させるだけじゃ無くて、脳を休める為とか、記憶を整理する為とかって聞いた事あるんだけど。

 眠らなくて良いって事は、俺には脳みそが無いって事にならないか?


 うわぁぁぁぁ。怖い恐い。

 そこは考えるの、やめておこう。


 24時間動けるというのは、今のサバイバル状態ではプラスに働くだろう。

 いつ夜襲を受けてもオカシくない事をしてるからね。

 でも仕方ないじゃないか。この世界の人間がゲス過ぎるのが悪いんだ!

 ゲスでも俺に不干渉なら放っておくんだけど、俺を見たら襲って来るんだぞ!

 人間が全員敵のデスゲームなんて、安心して眠れる訳がない。

 まぁ、眠ろうとしても、まぶたが無いから目をつぶる事も出来ないんだけどね。




 夜が明けてエルフたちがぞろぞろとトラックから降りて来た。

 みんな、村の周囲をグルっと囲んでるコンクリートの壁をみているな。

 これがゲームなら、次は家を始めとする生活に必要な建造物を作るのだけど、旧村人の家がそのまま残っているので使わせてもらおう。

 あとは食料確保の為の畑だ。壁の外側にある畑は諦めるしかないが、壁の内側にある畑だけで足りるだろうか。

 まぁ、畑を広げたとしても収穫は3~4か月後になるだろうし、その辺の調整は眷属のマキに丸投げしておこう。


 あと必要なのは軍事訓練施設だな。

 全員、後生大事にアサルトライフルを持ってるけど、まだ誰も撃った事無いんだよな。


 弾の込め方とか、銃口を覗き込んじゃいけないとか、仲間に向けちゃいけないとか、そういう基本から教えないとな。

 俺が村を離れてても、エルフたちだけで村を防衛出来るように訓練しないといけない。

 時間がかかりそうだなぁ。


 まずは射撃場と的が必要だね。

 あっ!攻められた時に使う物見やぐらも必要か。




 それじゃ、これからの事をエルフたちに説明しよう。

 眷属召喚!


「マキよ。ここが新たなエルフの村だ」


「は、はい! 鉄人様!」


「家は好きに使うが良い」


「は、はい!」


「畑を耕し食料を作れ。畑が足りなければ広げても良い」


「は、はい!」


「汝らに与えたアサルトライフルの練習場を作る。使い方を覚えるように」


「はっ、はい!!」


「まずは数人から始め、その者たちが習熟したのなら、次にその者たちが教官となって他の者たちに武器の使い方を教えよ」


「はっ、はい!!」


「最初の数人は、マキが選定すると良い」


「はい!よろこんで!」



 これで最初の数人を訓練すれば、そのうち全員使えるようになるだろう。

 問題は訓練が終わる前に攻められた時だ。

 俺一人で村全部を守るのは不可能だ。

 エルフたちが隠れるシェルターを作った方が良いのだろうか。

 ハシゴを使って壁を登られても困るから、壁の上部に仕掛けを作る必要もあるかな。


 なんだか、まだまだ必要な物が沢山あるぞ。

 しばらくは、この村から離れるのは無理かもしれない。




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