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大人になる日に

作者: 永井晴


愛が渋滞する日、


桜の花びら舞い散るような、


光が溢れる訳では無いけど、


我が子へ愛を振り撒いてる親、


触れられない行進が逞しくも、


少し恐怖を彼らに与え、


殺風景な空間に責め苦な愛が滴れる、


変なむず痒さ、


恭しさは隠してくれて、


サヨナラなんてほんとじゃないし、


崩れてく景色はほんとのようで、


友愛の戯言はもう解けた雪のように飛び交い、


曖昧な混色が膨張して、


皆それに敷き詰められて、


窮屈さと柔らかさの狭間で、


僕らは挟まれたまま、


気付かぬうちに逆止弁を通り抜け、


分からぬうちに戻れない、


でもそのぐらい知っている、


どうすればいいか分からない、


犬に追われる羊のように、


急かされて彩られた青春の花、


それはドライフラワーのようになって、


永遠を閉じ込めたつがいとなって消えてゆく、


いつか僕たちはそれを見ながら、


酒でも飲んで泣いたりするのか、


青春の後味に痛くなるほど目を瞑れば、


悲しい大人のようになるのか、


桜の花びら華々しい時、


数年前の僕らの若葉が芽生える時、


僕らはそれを片目に、


掠めた記憶の荒々しさに傷ついて、


その惨めさを知ってゆく、


彼らも僕らのようになる、


子供を見る目を知った時、


僕らはまだ夢を見たい、


子供のように分からなくなりたい、


まだ大人の途中だけれど、


曖昧さに怯える覚悟は薄っぺらい、


きっとまたその時は来て、


僕らは大人になっていくのか、


美しい時を見過ごしていき、


涙が歪ませる青葉の未熟さ純粋さ、


輝く星々は恐ろしい速さで脇を掠めて、


捉える間もなく、


派手な尾を引いて去ってゆく、


とても遠くの光は霞んで、


クレーターも反射板になって、


点がぼやけて大きく見える、


大人の愛は分かりずらい、


いつか僕らも振りまくだろうか、


それに込められた悲しみ慈しみ、


分かった頃にはもう大人、

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