りっかと雪の結晶 『冬の暖かさ』
物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには、1つずつ名前と物語があります
手にとって下さった方が、楽しく笑顔で物語の続きを作っていってもらえるような、わくわくするリボンを作っています
関西を中心に、百貨店や各地マルシェイベントへ出店しております
小説は毎朝6時に投稿いたします
ぜひ、ご覧下さい♡
Instagramで、リボンの紹介や出店情報を載せておりますので、ご覧下さい
hhtps://www.instagram.com/iroit0
雪がちらほら降ってきた
今年の冬はいつも以上に寒い
そんな言葉をよく聞くが特別今日は寒いと思う
ハァーっと息を出せば白くなる
その白い息を見るだけ寒さが増す
公園では元気よく遊ぶ子どもたち
走り回って暑いのか上着を脱ぎたいと言い出し上着を置いていく我が子を必死に追いかける
『風邪引くぅ!!!!!』
『あついもん♪キャッキャ♪』
髪の毛を振り乱して走り回るやんちゃ坊・・・いや、娘
お兄ちゃんと毎日サッカーをして、毎日走り回って過ごしているからか、逃足だけは早かった
全く追いつけない私を振り返って確認してから、可愛いおしりをペシペシ叩いて、あっかんべーをする娘の姿を見て、私は足を緩め諦めた
『誰に似たんだか・・・』
ふーっと一息ついて、等間隔に置かれた木のベンチへ私は座った
1年生になった春から、もうすぐ2年になるのかと冬の遠い空を見上げた
『元気な娘さんだね』
私の右隣のベンチに座っていた、少し白髪交じりの女性に話かけられた
『元気だけが取り柄です。はは』
『元気が一番だよ。私は、もう80になるんだけどね、散歩に行くのも最近大変よ。あっはっは』
そう言って大きく笑った
背筋はピンとしていて、肌も艷やか、てっきり私の母と同じくらいの60代だと思っていたので、ビックリしていた
『もっとお若いかと思ってました』
『はは。ありがとう!まだねジムへ行ったり仕事もしてるのよ♪動けるのが一番!まぁ、おばあちゃんだけどね♪』
『元気でいることって本当幸せなことですよね♪』
他愛のない話をしていると、公園からこちらへ走ってくる娘の姿が目に入った
『どうしたの?何くっつけてんの?』
見ると髪の毛に木の枝やら葉っぱがくっついていた
『たんけんしてたら、かみのけひっかかって木がたくさんついたの』
『あらら、髪の毛結んだら?』
『おきにいりのゴムわすれたもんん』
『えー、じゃあ探検終わりにしよ!』
『やだーーーー!!』
私達の話を聞きながら、隣のおばあさんが不思議そうに私のマフラーを見ていた
『そのマフラーに付いてるのはゴムじゃないの?それ付けてあげたらいいじゃない?』
何のことかと自分のマフラーを見ると、そこには『りっかと雪の結晶』が付いていた
『あ!ほんとだ!いつもマフラーに付けてたから気が付かなかった!これ付けよう♪』
『はやくぅ!はやくぅ!』
私はマフラーからリボンを外し、娘の髪の毛を高い位置でポニーテールに仕上げた
その瞬間娘はまた走り探検へと向かって行った
『いい笑顔!』
『教えて下さってありがとうございます』
『おばあちゃんの知恵袋!』
そう言って、お互いくすりと笑いあった
『いくつになっても笑えるのがいいね』
冬の遠い空も、もうじき暖かく空が近くなる
何気ない今日の日も、他愛のない話と笑顔で過ぎていく
冷たい風がどこか暖かく感じた
終
最後まで読んで下さり、ありがとうございます
色々なお話を書いておりますので、どうぞごゆっくりとしていってもらえると嬉しいです
また明日、6時にお会いしましょう♪