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回復魔法を極めて始める異世界冒険譚~神々に祝福されし代行者の旅路~  作者: かぷちーの
第1章 運命の出会いと回復魔法
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第4話 魔法との出会い

 馬車で帰っている間、僕のステータスについて話し合いがされていた。


「まさか、ノエルが神々に祝福された子だったとは。お父さんも予想外すぎて、驚いたよ。」


「ノエル。すごいわ。神々にあんなに祝福を受けるなんて今までの王国歴史上、一度も聞いた事がないもの。」


(パパさんママさん。そんなこと言われても。どうすればいいんだこれマジで…)


「父上と母上に産んでもらったおかげです!クレルドリュンヌ家の誇りにかけて立派な貴族になって見せます!」


 どうにかその場を凌いで祭り上げられるのを回避しようとするが妙案が全くと言っていいほど思い浮かばないノエルだった。


 クレルドリュンヌ邸に帰ってきた3人は、執事のロベールの淹れた紅茶を飲み一旦気持ちを落ち着けたようだ。


 そして現在、父アルベールと母アンリは先ほどのノエルのとんでもないステータスの件について話し合いを行っており、かなり熱中というか白熱というか、すごいことになっている。


 一方で、暇になったノエルは自分のステータスを見たことにより、様々な魔法の適正があることが判明したので、執事のロベールに魔法の使い方を習っていた。


 なんでもロベールは元々かなり腕の立つ近距離タイプの魔法戦士だったようで、武術や格闘術、魔法に非常に長けているというので驚きだ。


 ロベールは今日もオールバックの白髪にモノクルに執事服で、誰がどこからどう見てもイケてる執事に見えるだろう。普通にカッコイイ。壮年のイケオジである。


「ノエル坊ちゃまに私がご指導させていただけるとは、光栄の極みでございます。」


「ロベールさん。よろしくね!」


 ロベールに様々な魔法の適正がある事を伝えると、かなり目を輝かせて喜んでくれ、魔法を使うための魔力の使い方を指導してくれていた。


「さすが坊ちゃま。全ての魔法に適正をお持ちとは…!」


「全く自覚ないけど、いろいろできるってことだよね!楽しみだよ!」


(ロベールも嬉しそうにしながら若干引いてるよな。全ての魔法に適性がある時点で異常だったか。神礼の儀の時に開示された僕のステータスかなりやばいんじゃないか。)


「それではまず、魔法を使う前に必ず必要な基礎。魔力の循環コントロールの鍛錬に入りますがよろしいですかな?」


「うん!お願いします!」


 魔力をコントロールするためのコツはこうだ。


 まず、第1段階。魔力の循環コントロールの鍛錬だ。


 精神集中を行う。

 集中しながら自分の心臓辺りから全身の隅々まで魔力が血液に乗って廻っていくようなイメージを頭で描き続ける。


 こうすることで、実際に自分の持っている魔力も徐々にではあるが全身に廻っていくようになるらしい。


 この鍛錬をひたすら繰り返して、魔力の循環コントロールをどれだけ自分の身に着けたかによって、体の至る所から魔力を練り上げ、強く大きく放出できるようになるかの基礎能力が変わる。


 やはり基本は大切だ。しっかりやろう。


 また、かなりの上級者にならなければできない芸当の一つとして、魔力シールドというものがあり、自分の身体の任意の場所に瞬間的に自分の魔力を放出して、小規模の衝撃吸収シールドを展開。敵の攻撃を受け流すという芸当だ。


 ロベールはこの魔力シールドの扱いに非常に長けており、このシールドを衝撃吸収ではなく瞬間的に硬く鋭く研ぎ澄まして展開することで近接戦の破壊力を飛躍的に上げているらしい。


 さらに魔力シールドに魔法属性を付与して、炎魔法シールドや雷魔法シールドなど状況に応じて使い分けるそうだ。ちなみにロベールは破壊神の恩寵を受けているらしい。


 恐ろしいほどゴリゴリの近接アタッカー様だ。


(この人、マジで執事さんなんですかね?)


「ロベールさん。ものすごい強いんですね。それが今ではうちの執事だなんて信じられない…」


「ハッハッハ、大変恐縮でございます。もう戦いは引退しております故、全盛期のようには動けませんでしょうなぁ。」


(絶対嘘だ。めちゃくちゃ動けるだろロベールさん。)


 いったんロベールの事は気になるが置いておいて、今は自分の鍛錬に集中だ。


 二度三度、深呼吸をする。心を落ち着けて、精神を集中。鍛錬を開始する。


「よし!やるぞー!」


(集中して、心臓から血液に乗せて魔力が全身を廻るようにイメージ…)


 ノエルの全身を優しく包むように体の内側から眩い白い光があふれ出てくる。


(もっとだ。もっと、集中。集中しろ…この全身に魔力が廻るように集中…)


 ノエルの全身が白い光に包まれて、光の奔流が周りに溢れ出す。


 そこから集中し続けること、1時間。


 ヒュ――ゴォオオオオオオオオオオオオ!!!!


 ノエルの周りの魔力が勢いを増して渦を巻く、カーペットが浮き、テーブルクロスが飛び、書類が散乱し、本が舞い、シャンデリアが揺れに揺れる。


「ノエル坊ちゃま!ストップです!!!!!!!」


「え?…わあああ!」


 部屋の中が大惨事になっていた。これは片づけが大変だ。骨が折れるぞ。


(やっちまったぁー…でも魔力の循環コントロールはできてるんだよね?)


「ロベールさん。すみません。部屋をこんなに散らかしてしまって…」


「ノエル坊ちゃまは驚異的な魔法の才をお持ちなのですな。大変、御見それいたしました。片付けなどは全て私が済ませておきます。先に紅茶を淹れますので飲みながらごゆるりとお待ちください。」


「ロベールさん。いつもありがとう。仕事を増やしてしまってごめんね。」


「いえいえ、執事明利につきます。お気になさらず。」


 無事に魔力の循環コントロールを習得?したノエルだった。


<次回予告>


森の中


パチンコ玉


咆哮


運命の出会い


死ぬな。


魔法の鍛錬を始めた男は、どこまで強くなれるのか。


次回


回復魔法を極めて始める異世界冒険譚


第1章 運命の出会いと回復魔法


第5話


漆黒の陸竜

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