承認欲求高くて何が悪い
よろしくお願いします
運命はそこに存在した
私はケレン・ヘラクラス、王都の騎士団長を務める女騎士だ。
騎士になって早10年、私はその類まれなる戦闘の才能を活かし現在この地位まで成り上がった。私を女だからってバカにしてきたイモくさい輩もいたが、そいつらには実戦で実力の差を見せつけてやったさ。
全長500メートルの超巨大ドラゴンが王都を襲ってきてだな、他の騎士団が逃げ惑うなか私だけはそのドラゴンに立ち向かったのだ。ボロボロになりながらも遂に私はドラゴンの首を斬ったのだ。
いやぁあの時の人々からの歓喜は凄まじかったよ。『ありがとおおお』とか『我らが救世主様ぁ』とか『おまえがNo.1だあ』とかetc......そうあの戦いが私を騎士団長に成り上がらせたのだ。あーもっと感謝されたい...
『だからね、だからねユウ君。おねがーい、ユウ君もぉ 私にぃNO.1って言って❤️』
『わかったよ。...ケレン、おまえがNo.1だよ✨』
キャアアアアアアアアアアアアアア❤️
女騎士ケレン・ヘラクラス32歳、彼女はホス狂いだった。
女騎士、ホストにハマる
きっかけは騎士団員の陰口である。
そもそも私はチヤホヤされたいがために騎士団に入り、モテたいがために血の滲む努力をし、結果今の地位にたどり着いたわけだが誰も私のことを口説きにいかない。私は騎士団長だぞ。この国の英雄なんだぞ。
そんなことを考えながら城の廊下を歩いていたときである。
『団長カッケェ』『スタイルいい』
騎士団員からの賞賛が小さい声だが聞こえてきた。ふん、わかってるじゃないかぁこの私がかっこよくて美しいことを。
『でも団長って、モテなさそうじゃね?』
(えっ!?) 私は衝撃を受けた。
『わかる、孤高の人過ぎて誰も近寄れないっつうかー』
『それな。顔もいいし、スタイルもいいthe美人だし24歳でちょうどいいけどさぁ、位が高過ぎて彼女にできないよ』
彼女にはできないよ
彼女にはできないよ
彼女にはできないよ
パリリ、パリーーーーン
(な、なんだとおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!)
私の心が砕ける音が聞こえた。
私は深くショックを受けた。だからモテなかったんだ私、好きピ出来なかったんだ私。唯一の救いは本当の年齢がバレてないところだ。
普通に考えたら男にモテるのにどうして騎士である必要があろうか。居酒屋とかで看板娘していたほうがモテたというのに...『男にモテたい』と『みんなにチヤホヤされたい』をごっちゃに考えてしまったのだ。
悲しみのあまり私は早期帰宅を選んだ。大怪我による入院を除き、今まで一度もしてこなかった早期帰宅である。
『団長が早く帰るなんて珍しいなぁ、何があったんだ?』
『きっと団長のことだから帰宅と見せかけたモンスター討伐依頼の仕事だぜ。ふゅうー さすが団長!痺れる憧れるぅ』
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
どれくらい走っただろうか。悲しみに脳が支配されていたので自分が一体城からどのくらい走ってきたかなんて覚えないし、無我夢中に走ってたらいつのまにかここにいた。
そこは見るからに繁華街だった。
王都最大規模の繁華街、ニューヤードカブキ町
『ここかぁ、確かモンスターが潜んでるとかで見習い時代仕事で行ったなぁそう言えば。あの時は辛かったなぁ〜だってホストの店があちらこちらにあるってのに、仕事でいけなかったからなぁ〜、
...あれ』
私はふと思いついた。
今仕事中じゃない、彼ピもいない、地位が高いからお金もある
よし、ハマるか
かくしてケレンの新たな人生が始まる
いつかホストに行ってみたいです。客として
その時はBLをご期待ください