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VS謎の男たち(ハンデは目隠し、肉弾戦のみ)

誤字報告を大量に頂きました。本当にありがとうございます。まず先にすいませんって思ってしまうのも性分ですね。

読みづらい箇所も多い作者かもしれませんが、それでもお楽しみ頂けると幸いです。

状況を整理すると、俺は逃げようとする男たちを塞いでいる。目の前の男たちは馬車の中身のものも含めて持ち逃げしたい。ただ、後ろからデテゴ達も追いかけてくるという状況だ。


「全員がバラバラに逃げるなら誰かは逃げられるだろうね。でもまず一番に馬車を押さえるよ。さあ、どうする?」


見たところ他に奪ってきたものは無さそうだ。根城に何か残しているのかもしれないけど、そこに集合するなら誰か一人でも押さえれば一網打尽には出来る。

結局はここで俺を何とかするしか方法はない。一瞬でここから消えることが出来れば何とかなるけど、その方法は出来るのかな。まだ俺ですら出来ないしな。


「では、仕方ありません。あなたを始末させてもらいましょう」


お、真打登場か。彼がこの集団のボスっぽいね。倒す前に聞くことがあった。


「そうそう、忘れてた。フレンドビーの巣を破壊して、そのときに守ろうとした俺の友人たちを傷つけたじいさんがこれなんだけど、知ってるかな?」


向こうからすればボロボロのフードを被ったそれが人間とは認識していたとは思うけれど、俺の言った内容に多少は心当たりがあったのか少し聞く姿勢になったみたいだ。


「顔がボコボコ過ぎてこれじゃあ分からないよね。おまけに気を失ってるし。外見だけでも治すよ」


もったいないがポーションで外見の回復を行う。この世界は体へのきつめの拷問はありだもんな。いくらでも見た目の傷は治せるから。治せない限界もあるだろうけどさ。

はやいところ『治癒魔法』も取得しないとな。あ~、これは傷が治るまでの待ち時間なだけだからね。何かあってスキルを順番通りに取れないのもいつものことだし。


顔が治るとさっきの真打の機嫌が悪くなっていた。


「それは私の弟子ですね。経験豊富な男だったはずですが、そこまでするとは…。全員で囲みでもしたのか!」


え?これが弟子!?年上なのに?まあ、それは個人の自由か。


「こんな雑魚のジジイに何人も必要ないでしょ。俺一人でやったよ。既にユーフラシアで捕縛完了の申請したし、明日の君たちだってことと見せたかったのと関連があるなら知りたかっただけだよ。連れて帰らないといけないから、触れるとは思わないでね。襲撃してくるタイミングがほぼ同じだから気になって聞いてみただけだからさ」

「ふざけた嘘など吐くな!そこまでして僕を怒らせたいのか!」


なんかギャアギャア言ってるけど無視だ。感情を出すのはもう少し後で。でもそうか。要するに裏稼業している連中に獣人の村のことがどこからか洩れているってことか?で、こいつらは知り合いではあるけど完全につながっているわけでもないと。


「一応聞くけど、このジジイのしていたことは君たちに関係あるのかな?」


誰も答えない。闘気なんてあるのか分からないけど、戦闘を始めるぞって気合入れたら静かになったんだ。あとで殴れば教えてくれるのかな。


「よくあるセリフだと思うけど、沈黙は肯定と取るよ?」


それでも誰も答えないか。だったら無理にでも言質取らないといけないよね。


「わかったよ。それじゃあ魔法だと納得しない人が多いみたいだし、肉弾戦にしようか」


指を鳴らして、押さえていた『結界』を解く。ただ、いきなりの解放には戸惑っている。動けなくしてから一方的に攻撃する方が楽だって考えるのが普通だもんね。言葉と行動の不一致が理解できないのだろうね。

でもちゃんと理由はあるよ。俺にとってはただ倒すなんてことは簡単なことだ。大事なのは、嘘偽り無しに全てを正直に話して、もう二度と手出しさせないということ。


「俺もね。前に学んだんだ。自分の得意なことで負けたら立ち直れないって。仮にだよ、自分たちに有利な状況でハンデ付きの相手に圧倒的に負けたら立ち直れる?普通は立ち直れないよね?そんなの物語の主人公だけだよね。あななたちはどう見たって心の強い人たちに見えないし、それで試してみようかと思ってね」


そして頭に付けていた鉢金を一旦ほどいてもう一度巻き直す。結び直す時に目を見えないように隠す。


「これで目も見えないよ。それと魔法は何も使わないようにする。さっきも見てもらった通り魔法の方が今は得意だからね」


軽くジャンプ、ストレッチをして体をほぐす。


「これでキミたちが負けたら恥以外の何物でもないよね。大人数で目隠しした少年1人にボロ負けしました。でも諦めずにもう一度悪事をはたらきます!って笑い話になるからさ。恥ずかしくて外を歩けなくなるよね」


相手が言葉をきちんと理解出来たかを少し間を持たせて待つ。まあ一人の少年の挑発に負けて襲い掛かる時点でそれもどうなんだという考え方もあるけれど。感じる怒気から言うと調子に乗った発言をされた時点で抑えられるようなものでもないらしい。勝てるかもとなぜ思えたのかはぜひ聞いてみたいところでもあるけれど。


「正しく認識できたかな。じゃあ始めようか。待つってのは本当は性に合ってなかったんだ。こっちからいくね」


目を見えない状態にする前から動く気配が無かったので一番近くに立っていた壁に阻まれていた3人の顔と武器を持つ腕に一撃ずつ見舞っておく。全力で殴っておいたからしばらくは気絶して立ち上がれないだろう。

地面を滑っていったり近くの木にぶつかったりとそれぞれ飛んでいったけれど、辛うじて生きてはいるみたいだ。死にはしないでしょう。だって全力で『手加減』しているんだから。


「えっとじゃああと18人かな。さっき話していた召喚魔法使う人は召喚魔法を使ったら少なくとも目隠しはやめるからね。あと、斥候の人は最後に回すよ。あんたの相手は俺じゃないし。元気に再会したいでしょう?」


そう告げながら片手で一人ずつ頭を掴んで地面に叩きつける。そのまま片足を持って地面に叩きつける。これでまた2人戦闘不能へと追い込んだ。この攻撃の仕方は見た目のインパクトがすごいから気に入ってるんだよね。おっと何か投げるつもりかな。


「遠距離攻撃はしても良いけど、味方に当たりそうな状況で使うのはよろしくないよ」


ナイフを構えるような感じがしたので、後ろに回って手首を掴む。ついでに粉になるまで握らないように気を付けて皹を入れるくらいにしておく。痛みを感じたようなので、すかさずあごを揺らす。足を蹴って膝立ちにさせておく。動く気配は無いし大丈夫かな。じゃあ次。


「だから味方に当たるように攻撃したらダメだって。仕留めた人はHPが一桁になってるんだから下手に傷つけたら死んでしまうよ?」


後ろからの横薙ぎを俺は伏せることで、膝立ちの男も引きずり倒して避ける。一度避けたことで避けることも防御も無理な姿勢になっている。躱されるとは思っていなかったようで顔が嘲笑から驚愕へと変化した。顔芸だろ。仕留めるチャンスだよね。立ち上がる勢いで鳩尾に突きを一発いれる。ダウン!でもまだ危険が止まらない。このひりつく感じはいいね!


「人の忠告は聞けって!」


飛んで来た三本の矢を横跳びで躱す。地面に転がりながら拾った石を3個、態勢を整えると矢の出所に向けて投げる。たぶん当たったかな?当たった音はした。これであと10人かな。


「全員で一気に叩きのめせ!3人以上で攻めろ!」


ボスっぽい人の声がした。魔法を使わないなら確かにそれで一撃は与えられると思うよ。戦闘不能にはならないと思うけど。一撃当てないと話は始まらないか。普通に考えれば周りを囲まれるなんてことをさせるわけないと思わないかな。でも、ここは乗ってあげよう。

立ち止まって待っていると4方向から近づいて来る。突いたら味方にも当たるから振りかぶっているみたいだね。ようやく話を聞いてくれた。一斉にタイミングを合わせて振り下ろしてきた。


でも、悪いなぁ。キミたちの一斉にってのは俺にとっては多少の時間差を感じるよ。それでも目隠ししながらでは防具に当たるくらいはした。くそ!完全勝利とはならなかった!


避け終わったらしゃがみこんで足払いをすると面白いように2人の体が浮く。体が地面に触れる前に蹴り飛ばす。残った二人は立ち上がるときにアッパー気味に殴りあげて飛んでもらった。それぞれの方向からしっかりと着地した音が聞こえる。これであと6人。だけど、


「残念。宣言通り目隠しは外すよ」


目を開けたらさっきデテゴ達相手に召喚したのよりも2倍くらいの数のホブゴブリン軍団とそれを率いるゴブリンキングが立っていた。


「ここまでの実力があるなら他にいくらでも生き方なんてあっただろうに…。もったいないね」

「殺せ!」


あ、一応だけど。『手加減』をしていることからも分かるように誰も殺してはいないよ。まだ尋問することがあるだろうからね!

お読みいただきありがとうございました。

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他にも書いた小説です。短編だけでも時間潰しに良ければどうぞ。
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婚約破棄は構いませんが…、本当に私がそんなことをしたとお思いですか?私の本気は少々刺激が強いかと思いますけれど
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