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フレンドビーの進化

昨日もブクマ、評価、いいねしていただいてありがとうございます。数字が上がるとテンション上がるのは何でしょうね。がんばろうと思えます!

それでは今日もお楽しみ頂けると幸いです。

主殿?そもそもフレンドビーが光るってなんだよ。進化したのか?魔物の進化は今まで見た事あるけどフレンドビーではそんなの聞いた事無いぞ。運営がまだ出してなかった情報か?

色々と疑問が浮かんでくるが、一つずつ解決していくしかないな。


「えっと俺と契約したいってことで良いのか?」

≪その通りです≫

「残りの2匹?2人も同じ考えなのか?」


今までやり取りしていた真ん中の代表が後ろを向いて意思を確認する。言葉は何を言っているのか分からないが、なんとなく話をしているのだけが分かるくらいだ。

あとの2匹もコクコクと頷いている。代表も1回頷くとまた俺の方へと向き直る。


≪確認いたしました。両名とも契約を希望しております≫

「分かった。俺が使えるのはテイムなんだけど、大丈夫かな?」

≪はい。通常の枠からは少し離れましたが、まだ魔物の範疇におります。…テイムでの契約で、可能かと、思われます≫


なぜ分かるのかは分からないそうだ。今は真ん中にいるのと話しているが、フレンドビーではなく違う種類になったことは分かるとのこと。

言葉が途切れ途切れになってきたから聞くと意思疎通するのも結構大変らしく、辛くなってきたらしい。


「しんどいなら少し休憩するか?」

≪いえ、その…。テイムして、頂くと楽になります≫

「ごめん。すぐにテイムで契約しよう」


元からフレンドビーとのテイムをするために習得したものだ。形は少し変わったが、希望通りのため文句など何もない。


テイムに必要なのはお互いの契約の意思、契約責任者の俺と対象の魔物の魔力をお互いに少しだけ取り込みあう。希望はお互いに叶えあうことになるが、大体は魔物は世話を希望する代わりに、自分の意思や契約者の指示に従って力を貸してくれる。

1回契約すればどちらかが本心から破棄を願わない限りは契約完了だ。ちなみに言葉が通じなくても構わない。餌をやるなどして懐いてくれたらそれでいい。以前は俺に契約の意思があっても向こうにまだ存在していなかったので、テイムに至らなかったと補足しておく。


以上説明終わり。早速順に契約していこう。一番目は代表で交渉してきた蜂からだ。


≪テイム、契約に頂いてばかりで申し訳ないのですが、希望を1つだけ申し上げでもよろしいでしょうか≫

「希望?別に構わないよ。俺も結構がんばってもらうつもりだしな」

≪構いません。わたしたちの救世主であり、大恩ある方ですから。できれば名前を頂きたく思います≫

「オッケーだ。じゃあ考えるから後にしよう。話すのしんどいんだろう?」

≪は、はい≫


どうやら代表の持つスキルで考えを伝えてくれているようだ。どんな芸当かと思ったが、俺側に『虫の知らせ』があることも影響しているらしい。このスキルにそんな効果なかっただろうとツッコミたいがそれはまた今度にしておこう。


「じゃあ、良いかな。『テイム』!」


魔力の交換がされているのを感じる。これでお互いに何かあったときに分かるようにもなる。便利だな。また光り出した。ちょっとまぶしいし、目は閉じておこう。おっと名前か。


「そうだなぁ。たくさんの花の恩恵を得てほしいから、万花ばんかでどうかな」


光も治まってまた姿が見えてくる。


「感謝いたします。バンカ、頂戴いたします」

「言葉が通じるようになったな。ってまた変化した!?」


3匹なら手の平に乗るかなというのがフレンドビーの大きさ。そこから1匹なら手の平に乗るというのがさっきまでの大きさだった。

大きさは変わってないけど羽や触覚は蜂だけど妖精みたいな感じへと変貌した。万花の見かけは黄色の髪に黒の瞳でベースは元のフレンドビーの色が反映されている。


テイムして種族が変わることはないはずだ。名前を付けるのもテイムのときの最初の挨拶のようなものだ。これも影響があったとは思えない。


「気にして頂かなくても結構です。同胞たちの魂と気持ちを受け継いで進化したと思っていただければ」

「いや、いきなり種族が変わったら普通は気にするからね」


ふふふ、と笑って誤魔化された。あと2匹、いやこう進化するなら人扱いする方が俺の心としては平穏が保たれる。


同じようにテイムすると、それぞれ進化した。


1人ずつ紹介していこう。代表改めて、万花は将来女王になることもあってか、貴族のご令嬢を感じさせるような振舞いをしている。今はまだいささかお転婆の感はあるけど、かしこまられるよりはその方が俺も助かる。

この子は俺が土の中から掘り起こした蜂だそうだ。元から次の女王蜂になることもあって、ギリギリで避難で逃がしてくれたそうだ。忠義を尽くしたのがいたのだなと少し切ない。


次にテイムしたのは最初に俺を呼びに来たフレンドビーから進化した。主に女王蜂のお世話をすることを希望している。


「助けていただき感謝の言葉もございません。巣の中のことは万事お任せくださいませ。これから生まれる子たちの指導から世話まで全て行います」


巣の拡張からメンテナンス、食料の調整やら、子どもの育成まで行うそうだ。たたずまいからしても何でも出来るメイドさんっぽい感じだな。


「じゃあ名前は毎果まいかで。全てを望み通りに果たせるように願いを込めてだ。でも1人で無理しないようにだけ気を付けような」

「お言葉痛み入ります。マイカ」


毎果は黒髪に黄色の眼で万花とは逆の色遣いだ。手のひらサイズの蜂のメイドか…。どうも人形遊びをしているような感じがして恥ずかしくなる。

この子たちが入る巣って、サイズもかなり大きくなりそうだなぁ。ちょっと俺も考えないといけない。


「で、最後は」

「主!よろしくお願い致す!」


最後に合流した蜂から進化した。進化が終わったところで、なぜか最初からハチマキを巻いていた。黒の長い髪に黒の目。元が日本人であることを考慮すると一番目に慣れた色合いだ。


「巣を壊されてしまうことに絶望を感じました。こんな思いはもう二度とはしたくはありません。私は戦闘を専門とし、毎果とは違い、外のことを行いたく考えております」

「わ、わかった」


自分の手の平に乗るサイズの生き物から圧力で押されたのは初体験だ。熱量がすごい。理由が理由なので気持ちは分かる。見かけを合わせて考えよう。


「じゃあ、薙刀なぎなたで。その見かけで戦う女性となるとそれが一番しっくり来るかな。武芸百般を目指してがんばってくれ」

「感謝いたします。ただ、ナギナタというのはどのようなものでしょう?」

「この世界だと無いのかな。少し長めの幅広の刀に長い柄を付けた武器だよ。俺の故郷で過去に戦う女性っていうとこれを持っているイメージなんだ」

「かしこまりました!ありがたく頂戴いたします!」


ちなみに黄色で光ったのが万花だ。毎果は青色で、薙刀は赤色で光ったが、こうしてみるとそれぞれのイメージカラーを表していたような感じがするな。


さて、聞かなくてはいけないのは彼女たちの今後の身の振り方だ。説明も無しに村の中を引き連れて歩くわけにもいかないのでリセルの家に戻る。俺は椅子に座り、3人はテーブルの上に立つ。

人形遊びしてるようにしか見えなくて辛い……。いや言っている場合ではないな。


「最初は巣を作るところからだよね?」

「はい。主殿はハチミツを必要とされていると推察いたします」

「そうだね。正直言うとそれだけが狙いです」


人に近い形になった小さい生き物に欲望丸出しのことを告げるのはどうにも恥ずかしい。


「かしこまりました。我々の生態では旅について行くのは難しいと考えております。こちらの獣人の方々の手を借りて巣を建築し、ハチミツを集めておきますので」

「今はそうするしかないね。ついて来るのも時間さえもらえば俺が何とか出来るから、楽しみにしておいてよ。俺もある程度状況を整えたら色々と世界を旅したいと思ってるしさ」

「差し支えなければ何とか出来るとはお聞きしてもよろしいでしょうか?」

「ん?まあ話が長くなるし、この家の持ち主にも説明しないといけないから今はまだ秘密ってことで」


普通は引き下がらないと思うんだけど割と俺の言葉優先で待機となってくれた。聞かれたのは巣の建設を始めて良いのかということだけ。

どうにでもなるので、ぜひにとお願いした。


「必要なものがあるなら言ってくれたら用意するけどある?」

「そうですね。微魔石があれば頂戴したいのですが」

「ごめん。中魔石しかないや」


微魔石の魔物は見かけないし、小魔石は全部、中魔石もほとんど全部リセルに預けてきた。中魔石は何かに使えるかもと少し持っているくらいだ。


「とんでもありません。よろしければ中魔石を頂戴しても良いのでしょうか。貴重ではございませんか?」

「いつでも手に入るからいいよ。むしろ微魔石の方が貴重だってくらいだよ。1つでいいの?そのまま使うのか?」


そう言ってアイテムボックスから中魔石を3つ取り出す。大きさとしては中魔石の方が彼女たちよりも大きい。何に使うのかは知らないけれど、そのままでは使えないだろう。


「お手を煩わせるわけには…」

「いや、無理でしょ。手伝いくらいするよ」

「申し訳ありません。それでは中魔石をそれぞれ砕いていただいてもよろしいですか?」

「了解了解」


小石くらいの大きさに気を使いながら砕いていく。しかし何に使うんだろうな。3人も俺の作業を見てるだけだし、聞いてみるか。


「これって――」

「主は中魔石をどこからあがっ!」


一閃、輝いたかなと思ったら薙刀は飛んでテーブルの上から飛んで行ってしまった。


「今は主様が話しているでしょう」


姿勢を正すとスッと飛んで万花の後ろへと控えに戻った。


話し出そうとした瞬間に薙刀と話が被ってしまったのは確かだ。瞬間のうちに毎果が薙刀の横へと滑り込み、脇腹付近に拳を一閃したところは見えた。

そんな光景はいつものことなのだろうか。万花は特に笑顔のままで見ている。この2人のやり取りはこれでいいの?毎果って薙刀より強いなら役割は逆か?薙刀に細かいことは出来なさそうだから無理か。


まだキャラと関係を把握してないから過激なことはしないでほしいなぁ。

新キャラの名前を決めるだけで無茶苦茶時間かかりました。昨日が一話なのはそのせいです。

お読みいただきありがとうございました。

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