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一緒に訓練してみる

ブクマ・評価・いいねなどいつもありがとうございます。読んでいただけるだけでありがたいです。お楽しみ頂けると幸いです。


時間取れなかったのでいつもより短いですが、何とか3000字超えました。今回はこれでお願いします。

花見の宴もたけなわになった頃、俺の一言が今まで酔っぱらって騒いでいた連中を一発で静かにさせた一言がある。


「それにしてもさ、やっと本腰を入れて訓練に励むことが出来るようになるね」


「「「「「えっ…………」」」」」


トワに話しかけたつもりだったので周囲の男どもが言葉を無くしているのを見て非常に驚いた。


「えっ…?そんなに驚くことか?」

「イレブンの訓練は精神と肉体をゴリゴリに削って鍛えていくから同じ素養が無いと厳しいと思うな」


リセルが説明してくれたけど、そうなのかなと訓練組を見てみる。


この訓練組とはトワはもちろんとしてトワの元同僚に加えてヒャーズさんやミルティナさんも含んでいる。手に職を付けるために色々とがんばってきたようだが、やはり戦闘職を志したものを再編した。

ちなみにガンジャスさんは剣術の指導、ウォーレンさんは木こりの仕事がいそがしいのでそれで良しとなっているよ。

グレイブ村についたら村の警備含めて治安維持にがんばってもらおうと思う。村の警備員が強かったら冒険者が来たとしてもバカなことはしないと思うから。


というわけで誰でも強くなれるようにと基礎体力から格闘戦をして、共通武器として剣術を磨くことにしている。それ以外にも武器を使いたいものは槍や斧の訓練をしているし、希望者には魔法が使えるようにも訓練メニューを組んでいる。

メニューをしっかりこなしているか以前はステルスビーたちに中継してもらって監視するだけだったが、実際に手をかけることが出来るため楽しみにしていたのだ。


俺からすれば訓練は手加減の連続だった。スキルレベルを上げれば使えるようになるがどの程度の出力になったのかこわごわ確かめるためのものだった。それも俺が悪いのだ。スキルレベルを0から一気に10まで上げたりするため一気に自由度が跳ね上がるのだ。しかも魔力も高いため本気で打つと地形が変わりかねない。

そんなこともあっての精霊たちによる制限をかけてもらっているわけだが、魔力は特にその恩恵が激しい。いつも助けてもらっているが、精霊たちからすると俺の過剰な魔力を吸い取っているだけらしく苦にはならないどうだ。これぞwin-winの関係だ。


また話がズレた。俺のスキルポーションの摂取が毎日の積み重ねだったように、訓練だって毎日の積み重ねだと認識している。

俺だって制限をかけて一緒に混じるのだから同じ条件だと思っていたが彼らには違うらしい。


「今までの休憩が少なかったか?」


監視している時に一番気を付けていたのは休憩だったのだが。


「とにかく一緒にやってみたら?」

「そうしよう」


酔いも醒めて青くなっている人たちは置いておいて、その場は解散となった。


 ☆ ★ ☆ ★ ☆


翌朝、グレイブ村の広場に全員が集合していた。挨拶の前に皆が円陣を組んでいたので何かあったのだろうかと思っていたが、何もなく整列してくれた。

とりあえず今日は俺がいるから俺が仕切って良いようだ。朝の挨拶から行うことになった。


「おはようございます」

「「「「「っざいます!!」」」」」


気合だけは入っている。どちらかというと覚悟を決めた感が強いが。


「とにかくまずは走りましょうか。朝のうちに訓練用の場所を整備しておきましたのでここをメインに使ってください。王都の訓練場を参考にしてみました」


王都の訓練場は試験でも使ったのだが3×3で模擬戦の場所を区切って使用していたが実は建前である。陸上競技場のようにトラックと中に芝生の生えたフィールドを用意した。ここを訓練として使うつもりだ。トラックの外側も休憩できるように少しスペースをとってある。

大地魔法で土を整備し、植物魔法で芝生を生やしただけなのでまだ手を加える余地はあるが、ひとまずはこんなもので良いだろう。


「言われなくても御存知だと思いますが実際に戦うときに足場が平坦ということはあり得ません。しかし基本の体力を身に付けようと思うならまずはしっかり走ることが必要だと思うので今日は平地を走ります」

「「「「「っした!!!」」」」」


昨日のあの雰囲気から考えても奇妙なほど素直だ。準備運動とし柔軟体操を伝えるとそれぞれ始めていく。この辺りは以前に伝えているのでそれぞれ個人と二人組を作ってのストレッチを行っていく。


背中を押しあう2人組のときにミルティナさんに聞いてみる。


「なんだか思ったよりもみなさん素直ですね……」

「朝からこんな大魔法見せられたらやるしかないでしょう。エルフの私でも見たことがありませんよ」

「そこまでですか?」

「範囲もそうですけどほぼ同時に魔法を行使されていたでしょう?普通は一人一つしか発動出来ません。何か特殊なスキルをお持ちですか?」

「あ~、持ってますね」


心当たりがいろいろとあり過ぎる。


「それだけのことが出来る人の努力を自分が出来ないからとか、年下とかいう理由で避けるのはダメだと思い知ったのですよ。私からすればどんな人間も年下ですけどね」

「どのスキルも全力で使うことは控えてますけどね。何が起こるか分からないので」

「だから真剣にやろうと思ったのですよ」

「理解しました」


何だ、前向きになってくれたのか。良かった。じゃあ、本気の指導で構わないよね。


「ではざっくり100周してみましょうか」

「「「「………」」」」


なぜかみんながミルティナさんを見ている。一周は400メートルが多いみたいなので大体そうなるように作ってみた。所々ズレているかもしれないところは仕方ないと思ってほしい。

無言になった皆さんを前に大体40キロメートルですからと告げる。


「何といっても走る体力は大事です。今は運動優先で武器も防具も身に付けていませんが今よりもきっと重い状態です。何も身に付けていない状態でもしっかり走りきるき体力を身に付けましょう!今日は俺も一緒に走りますから」


反応が鈍い。


「戦闘でも逃げるしかなくなった時にもっと走っておけばと後悔するようではダメでしょう?この後の訓練も疲れてヘトヘトになった状態で正しい型を身に付けてもらうためには朝から体力を絞り尽くすのが大事なんです」


まだダメだった。


「今日だけ特別に一位になったら何か武器でも防具でも装飾品でも好きなもの一つを俺が作って進呈しますよ」

「「「「うおおおぉぉぉぉぉぉっ!!!!」」」」


現金すぎるだろ。いい年した大人が何か商品付けてもらわないと出来ないとか!たとえフルマラソンに近くてもステータス補正が入っていれば走りきることには問題はない。


「ちょっと待ってくれ。魔法使いの俺としてはガチの体力お化けたちとやるのは不利だぞ!何かハンデを付けてほしい!」

「えっと、厳密なルール化は難しいですけど、それなら魔力の使用を許可します。ただし、強化だけで妨害や攻撃に使用するのは不可です。主旨が変わって来てしまうので、そういう面白そうなのはまた今度やりましょう。ちなみに破ったら1000周走らせますので」

「「「「ラジャー!!!!」」」」


良い返事である。


「私にはまんま練習になるわけだな」

「ミルティナさんの場合はそうですね。攻撃ではなく速度の方に活かすことが出来ればかなり有利だと思います」


「では始めましょうか。合図を出す関係上俺は皆さんの後ろから追いかける形になります。何周走ったかは担当のフレンドビーが教えてくれますのでそれを見てください」


自分で数えるくらいの精神の余裕も欲しいが単純作業は思考が鈍るから、これくらいは仕方ないね。


「では、始めましょう。位置について」


横一列になって構える。


「用意スタート」

お読みいただきありがとうございました。毎回の文言は同じですが、毎日感謝しております。

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