表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

272/335

一回戦ダイジェスト

ブクマ・評価・いいねなどいつもありがとうございます。読んでいただけるだけでありがたいです。お楽しみ頂けると幸いです。

その後バイスも連れてデテゴのところに行った。そこでしっかりと話を聞いた。

弁償に関しては壊れ具合に依るらしい。お互いに壊しあった場合は痛み分けで大会側から保証をもらうくらい、一方がかなり壊れてしまった場合は気持ちを渡すくらいらしい。

今回のトワに関しては完全に勝ち方にこだわって破壊してしまったし、要求する権利はグーボンにあるとのことだ。それも全額では無いが。


でも良いだろう。せっかく知り合いになったわけだしずっとそばで面倒を見るわけでは無い友人枠の生存率を上げるためだと思えば鎧の1つくらい作っても別に痛くもかゆくもない。


「でも大会が終わってから作成に入るから言っておいてくれ。グーボンの大体のサイズが無いと調整も出来ないし」

「お前そこまで防具も作れたか?」

「半年も時間があったんだから出来ることが増えていて当たり前だろ」

「え?全部自作?良い腕の鍛冶師を抱えているとかじゃなくて?」


デテゴは飽きれていてバイスには驚かれてしまった。


「誰かに頼むよりも自分で作った方が早いからさ。自分で出来るようにしちゃった」

「あんまり大きな声で言うなよ。普通は専門性を持って仕上げていくものだ。戦うやつは1つの武器を極めていくものだし製作だって製薬と鍛冶を両方極めているなんて聞いたことは無いぞ」


確かにゲームの時は好みや自分に合っているって感覚がある方がより良いものを作り出せた。だからスキルとして習得していても職人に依頼を出して作ってもらっていたな。種族特性とかもあったしな。


「まあじゃあ聞かなかったことにしてよ」

「俺らはそれでいいけどな。あとは自分で責任持てよ」


責任?……ああ、この場で聞いていた人たちか。まあ情報源はここにいる人たちに絞られるわけだし、下手に広めて迷惑を被ったら痛い目を見るということを分かってもらえればいいってことを言いたいんだな。


「ま、余計なことを言うとどうなるかを見せればいいんでしょ」


少しだけ圧力を食らわすつもりで魔力を出しておく。ほんの一瞬だったからこの場にいる人には伝わったんじゃないかな。それでもばらすならそのとき対応すればいい話だ。


「試合以外ではしゃぎすぎると出場資格剥奪されるから気を付けろよ」

「そういうことは早く言ってくれないかな!?」


大人しくしておくことにした。


試合は特筆すべきことが無いまま進んだ。トワの第二試合の相手はあんまり強くもないし知り合いでもないから面白みも無いまま進むだろう。


第三試合第四試合はそれぞれ少し楽しい結果になった。武闘大会というだけあって魔法スキルの使い手よりも武術スキルの使い手の方が勝ちやすい。最初に一定距離あるといってもここまで勝ち残る相手に、集中して魔力を準備して必要な場合は詠唱まで必要になる魔法使いが中々勝てるものではない。

なのに両試合とも魔法スキルの使い手が勝利し、これで魔法がメインの強者同士の戦いが決まったのだ。滅多にないカードに会場が盛り上がっている。とはいえ応援する方は決まっている。


第四試合の勝者で火魔法スキルの使い手であるヒャーズだ。

おそらく普段からソロで戦っているのだろう。杖も防御用にそこそこ使えていた。攻撃を防いでいる間に魔法で一撃を加えるのだ。相手も予選から勝ち上がってきたからそれは分かっていたのだろうけれど、分かっているからといって防げるのなら戦いは全部後出ししたものが勝つという話だ。


なぜヒャーズの方を応援するのかって?決まっている第三試合の勝者ホイトはゾルガンの仲間だからだ。人を嫌う理由なんてそれで十分だろう。勝ち方もあんまり綺麗じゃなかったしな。逃げるだけ逃げて風魔法でズドンだ。しかも自分が有利になってから相手をいたぶる感じがあった。あれで応援してくれというのは無理がある。観客も引いていた。


そんなわけで勝手ながらもしヒャーズが負けてしまった場合は代わりにトワがボッコボコにする予定だ。同じ風使いとして完膚なきまでやってくれることだろう。


あっと、そういえばそのトワは俺からの視線に気が付いたのか観客席に逃げた。普段は言葉少なな無表情で通しているくせに俺の顔を見た途端に焦った表情になっていた。キャラを守れ。

何かを察したらしく何も知らないだろう観覧席のリセル達のところにいる。防具の修理費の話など知らないだろうから普段通りに過ごしていることだろう。

保護者として責任取る分には良いんだけどさ。それに今日はもうトワの試合も無いし、今晩にでもちゃんと伝えておけば良いだろう。


「じゃあ俺は次の試合だから行ってくるぜ」

「あいよ。いってらっしゃい」


壇上で行っているのは第五試合でデテゴは第六試合に出場だ。壇上では斧を持った力持ちさんが有利な形で試合を進めている。たぶん勝つのはこっちだ。力押しだけで勝つなんて相当な差なんだけどな。相手の体格が細いから仕方ないよな。次でデテゴが勝つのは当然だろうけどどんな試合になるか楽しみだ。


その後は予想の通り斧の人が勝利した。名前はウォーレンさんだそうだ。普段は木こりをしているらしい。なんでわざわざ出場したんだろうか不思議だね。


デテゴは勝った。以上だ。特筆すべきことも無く順当とだけ言っておく。


楽しみにしていたのはその次の試合だ。リセルまでの試験官を務めてくれたボナソンである。俺の試験官はネマさんだしな。

やはり今大会の一番人気で普段から金級冒険者だけあって知名度も高い。かわいそうなのが相手でめっちゃ腰が引けている。彼は予選勝ち上がりだからな。精神面でも敵う気がしないだろう。

そんな感じで戦う前から結果が見えていたのでボナソンの試合はあっさり終わった。


その次の試合も勝ったらボナソンと戦うことが確定しているわけでなんだか盛り上がりに欠けてしまった。ブーイングするのは簡単だが実際に自分がその立場になったとしたらを考えてみろと言いたいね。結局は時間いっぱいまで粘って判定までもつれ込んだ。勝者が嬉しそうにしていなかったのは言うまでもない。


一回戦の半分が終了したが、まあ順当な勝利が積み重なっている。意外だったのは斧使いのウォーレンさんが思ったよりも力押しだったくらいだろうか。


後半に進む前に長時間の休憩に入ったが少し遅い昼ご飯を取ることになった。後半に始まる前にトワに早めに釘を刺しておこうと探したがちょうど逃げられていた。


「直接説明出来ないのは残念だけど、リセル、頼んだ」

「頼まれた~」


後半一発目の第九試合の間も捕まえようと探したが戻って来なかったので諦めることにする。


第十試合は気になっていた人が出る。魔法使いくらい魔力が溢れているのだが、装備は拳闘スタイルなのだ。どんな感じなのかはしっかりと見ておきたい。


「なんだ、あの女が気になるのか?浮気か」

「アホか!!違う!!」


デテゴにそうからかわれている間に試合が始まった。試合が始まると共にきちんと観察していたが、魔力をある程度充足させるとそれが一気に闘気に変換されているようだ。


誤魔化しているが俺の鑑定にはハッキリと種族がエルフだと書かれている。魔力の扱いが得意そうなのに実際に使っているのは闘気のようだ。何が原因かというとスキルなんだろうけれど、じっくりと観察するのまでは許してはもらえなさそうだ。原理は知らないけど俺が『鑑定』を使っているのがバレているようだ。後で詰められるのは覚悟しておこう。

結果的に勝利は彼女の方だった。名前はミルティナだそうだ。名前すら見えなかったから本名かも分からないけど、魔国にいるはずのエルフがこんなところにいるんだからなるべく友好的に行きたいところだ。思い切り謝るのは確定として何が謝罪になるのかきちんと聞かないといけないな。


その次がサティさんの試合だ。相手はサティさんと同じように同じ長さの剣を二本提げている。壇上での話を盗み聞く感じだと剣が血を欲しているとかなんとか危ない発言をしていた。近くで観戦しているときはどちらかというと大人しい感じの人だったように思ったが。あ、彼は予選免除組だ。


剣を完全に抜いたら完全にヤバい人になった。審判の掛け声の前に襲い掛かったので慌てて開始が告げられる。


う~ん、普通はそんなヤバいやつだったら問答無用で失格で良いんじゃないかなと思うんだが試合は正当に始まってしまった。


が、すぐに終わった。本来のサティさんは剣を二本を持って踊るように戦うと聞いているが一本だけであっさり切り倒したのだ。


「まともな判断が下せずにまっすぐ突っ込んでくるだけの方でしたらもっと狂わないと意表を突くことにはなりませんね。剣を抜くと狂戦士になるという自己暗示でしょうか。中途半端です」


言葉の方も切れ味よく叩き伏せて終えていた。事前には同じ二剣持ちと期待されていたが何の盛り上がりも無く終えることになった。


その次は予選勝ち上がりのあのお爺さんガンジャスさんが勝利し、サティさんの次の相手が決まった。結構強い人同士が戦うことになるので見どころのある戦いが期待できる。


第十三試合はバイスだったが基礎を本気で磨いてきたようで動きが良くなっていた。基本は足腰を鍛えることだって方針は間違いなかったな。まだ甘いところはあるけど一旦はあんなもんだと思う。三回戦まで勝ち上がれば俺と当たることになるし少し揉んでやろうと思う。


その次が予選からあまり良くない勝ち方をしていたルブトが勝利した。一応銀返しだったので会場は盛り上がっているが一部盛り上がっていない人がいるのも確かだ。そして彼がバイスの相手だ。見ているだけでは正確には分からないけど、まだルブトが力を隠しているとしたらバイスが勝つのは厳しいかもしれない。何とか勝利を期待したい。


ようや終わりが見えてきた第十五回戦はゾルガンの勝利だった。貴族に見いだされるだけあって名前を売れているようだが、名声と悪名が半々だろうか。なぜそんなよろしくないやつを貴族が取り込むことにしているのか俺にはよく分からないなぁ。どちらにしても勝ち上がってくれてありがたい。俺には直接話を聞く機会が持てるだけで助かるというところだ。


そして最後、第十六試合は俺の出番だ。待ち時間が長かったぞ!



ってわけで次回!


お読みいただきありがとうございました。毎回の文言は同じですが、毎日感謝しております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
他にも書いた小説です。短編だけでも時間潰しに良ければどうぞ。
私の魔法の使い方
https://ncode.syosetu.com/n8434ia/
婚約破棄は構いませんが…、本当に私がそんなことをしたとお思いですか?私の本気は少々刺激が強いかと思いますけれど
https://ncode.syosetu.com/n1262ht/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ