10/12
帰路
次の日の朝も晴天だった。
八幡平を去りがたい思いを抱きながら
私たちはスキーで大更を目指した。
ところどころアスピーテラインで
行く手を遮られたところもあったが、
壮快なスキーを楽しむことができた。
盛岡では課長の発案で「わんこそば」をいただいた。
美味しかったというより面白かった。
そして翌朝上野駅に到着
ついに別れの時がやってきた。
楽しかった。本当に楽しかった。
疲れたけれど、楽しかった。
すでに私は春スキーの魅力の虜になっていた。
また来たい。
春スキーをしたい。
でも、「また、お誘いください。」とは言えなかった。
今年はたまたま藤沢さんが独り身だったから。
でも、来年は?
こんなに素敵な人がいつまでも独り身でいるはずはない。
と、すれば、私は?
そんなこと、言われなくたって、分かっていますって。