兄と妹のBROTHERHOOD 正義の使者
このお話はコメディです。
※何度も言いますが、寛容な心で読んでください
ある日、日本を襲った大地震。
それにより日本は大混乱に陥る。
原因は不明のまま、数日が過ぎた…
復興作業などをしている途中、謎の軍団が人々を襲った。
そう、地中帝国「セイトカイ」が地上の人間たちに宣戦布告を仕掛けてきたのだ。
彼らは地震によって起きた地盤のずれを利用し、地上に這い上がり、無差別に人々を襲い始めた。
しかしそれを人間達は黙ってみていなかった。なぜなら、日本には悪を倒す正義のヒーローがいたからである。
俺、鎌倉涼平は普通の高校2年生。得意スポーツは○○○○。
自分で言うのもなんだが、結構上手い。何と言うか、代表にも招集されてるし…自慢ですいません。
「兄さん、朝ですよ!」
「おお朱里…」
そんな俺の部屋に入ってきた一人の可憐な少女。彼女の名前は鎌倉朱里といい、俺の一つ下の妹だ。
本当に顔はかわいくてもう抱きしめたくてもう愛らしくてしょうがない。
あ、一応言っておきますが、俺はシスコンですよ。
「兄さんの分の朝ごはんはもう出来ましたので、早くしてください」
「ああ。すまない」
俺は朱里にそう言って着替えを始める。
「ちょっ!兄さん…私が見てる前で着替えるなんて…」
と、言いながら朱里は顔を赤くしつつ、俺の着替えをジッと見ている。
「お、言い忘れてた。おはよう、朱里」
「おはようございます。兄さん」
ああ。今日もいい一日になりそうだ。俺は妹の顔を見ながらそんなことを思った。
俺は着替えもそこそこに、朝ごはんを食べ、いつものように学校に向かった。
ゴゴゴゴ…
「また地震?!」
ここのところ地震ばかりでおかしい限りだ。
「最近多いですよね。やっぱり地中帝国がどうたらこうたら…」
朱里が最近見たニュースを言う。
地中帝国?馬鹿馬鹿しい。そんなものあるわけないだろ。
「全く、朱里はそんなことを信じてるのか?そんなのあるはずがないって…!!」
俺は目を見開いた。なぜなら、先ほどの地震で朱里の真上にある看板が揺れて、落っこちてきたからだ。
「朱里!!」
「え?」
俺は急いで朱里を突き飛ばす。
朱里はびっくりした顔で俺を見つめたいたが、やがてそれは恐怖になった。
「兄さん!!」
ガーン!!
「がっ…!!」
看板は俺の頭を直撃したのだ。
しかし覚悟はしていた。ただ妹を助けたかったのだ。
「に…に…兄さん…ウソでしょ?ねぇ…兄さん!!」
朱里が動かない俺に駆け寄る。頭からの出血量的にもう助からないだろう。
朱里は泣きながら携帯を取り出し。119をコールする。
しかし俺に意識などすでに無かった…
「ふーん。これが新しい仲間?」
何か結構近くから声が聞こえる。
「でも妹を助けるために、自分を犠牲にしたんだぜ」
「へぇ…結構勇敢なんだね〜」
「ま、戦力になることには変わりないな」
「まあ目覚めてから考えましょう?」
誰だ…誰が話している。
みんな聞き覚えの無い声だ。俺はどうなったんだ?
頭が痛くて思い出せない。
「う…」
「おっ。気がついたようだぞ」
俺は頭を抱えながら薄目を開ける。
「うう…」
そこには見たこともないような機械が多数あった。
そして俺の目の前には4人の男女。
「ここは…?」
「ここは防衛省の秘密防衛部」
「え?」
目の前にいる小さな女の子がそう語り始めた。
「防衛省?俺が何でそんなところに…?と言うか俺は?」
「お前、名前を思い出せないのか?!」
今度はちょっと間抜けそうだが、テンションが高そうな、俺と同い年ぐらいの男が言った。
「俺は…そうだ!!妹は?!妹はどうなった?!」
「落ち着けよ。妹は無事だ」
イケメンの男が俺に言った。こいつはモテるだろうな、とか密かに思った。
「そ、そうか…でも何で俺は…」
「アンタは助かりそうもないからここに運ばれたんだよ」
「え?」
最後に俺に話しかけてきたのはちょっとボーイッシュな感じの女の子だ。
「全然状況が把握できていないようね。いい?アンタは一応助かったのよ」
「助かった…どうして?」
俺はそのボーイッシュな女に尋ねた。
「あのね、アンタは選ばれし者だったから」
「は?選ばれし者?」
何だそれは?ゲームの世界か?ドラドラクエストの勇者のつもりか?
「そ。アンタはね、私達兄妹戦隊ブラフマンに選ばれたのよ」
「…は?」
意味が分からない。兄妹戦隊ブラフマン?
「その顔は信じていないようね。仁、アンタ、変身してみて」
小さい女の子が仁と呼ばれた間抜けそうな奴に言う。
「俺?分かったよ…変身!ブラフチェンジャー!!」
そう言うと、そいつの体が光り、見る見るうちに姿が変わる。
そしてそのうち、いわゆる戦隊ヒーローの青いやつになった。
「ブラフブルー!!ってか?」
「…何のトリックだよ」
「トリックでも何でもないわ。あなた、これを見なさい」
「へ?」
するといつの間にか後ろにいた眼鏡をかけた女性がある映像をモニターに映した。
「こ、これは?!」
それは数ヶ月前に起きた大地震の映像だ。
そこには信じられない光景が写っていた。そう、地中から人が這い出てきていたのだ。
「な、何の映画だよこれは?!」
「まだ信じられないの?!現実を見なさい!!」
俺はボーイッシュな女に睨まれながらそんなことを言われた。
んなこと言われたって、分かんねえよ!!
「あのとき、地中帝国「セイトカイ」の奴らが私達に宣戦布告してきたの。そしてそいつらに対抗する手段としてブラフマンを結成した」
「…」
俺は黙ってその話を聞く。頬をつねってみるが、夢じゃない。
これが現実だと認めなくてはいけないのだろうか?
「でも4人じゃ限界があった。戦隊ヒーロー的に。だからあなたをブラフマンに入れたの」
「お、俺も?!俺もそのブラフマンとやらに?!」
冗談じゃないぞ!俺には妹が待ってるんだ!早く元気な姿を見せないと!
「俺は妹に自分の無事を…!」
「無理よ」
「え?」
短く小さな女の子が告げた。
「どういうことだ?」
「彼女は地中帝国にいるわ」
「はぁ?!無事じゃねえじゃねえかよ?!嘘ついたのか?!」
「いいえ、確かに妹は無事なのよ。だって今彼女は地中帝国の人間だから」
「ど、どういうことだよ!!」
俺は動揺しながらも訊いた。
「それは知らないわ。でも私達は確かに敵の一味として生きていたのを確認したもの」
「な、何てことだ…」
俺はその場にへたり込む。
どうすればいいんだよ朱里…俺はどうすれば…
ブーブーブー!
「?!」
そのとき、室内に大きな音のブザーが鳴った。
そしてみんながビクリと反応をした。
「セイトカイが来たのね」
「場所は?」
「東京都渋谷のハチ公前です!」
「わかった!!」
綺麗なオペレーターがみんなに敵の位置を教えた。
そして指揮官みたいな眼鏡の女性が言った。
「あなたも行くのよ」
「え?」
「あなたも選ばれし者だから。ブラフレッド」
「?!…俺は…」
意味が分からない。これは現実なのか?
俺は頭を抱える。もし現実だとしたら朱里は俺の敵なのか?!
「彼はほっとくわ。どうせ今は使い物にならない」
小さな女の子がそう言うと、例の4人は行ってしまった。
「…」
俺はその場に残る。どうすればいいか分からないんだ。
「これが夢でも現実でもどっちでもいいわ」
「?」
眼鏡の女性が俺にそんなことを言う。
「ただね、夢でも、現実でも、あなたは何をすべきだと思う?」
「俺は…」
「委員長!!」
「何?彩華さん?」
そのとき、オペレーターが眼鏡の女性を呼んだ。つうか委員長って…
「ブラフマンたちが…!」
「ああ!!」
そこには例の4人が捕まっている光景が映し出されていた。
どうやら敵の罠にはまったようだ。
「ふん。この程度の敵を捕まえられぬようではまだまだ甘いな西岡」
「いえいえ。さすがは風紀様ですわ」
そこには敵の一味らしき男女が映し出されていた。
「これから公開処刑でも行なうことにするか」
「?!」
例の4人も含め、俺達の顔色も変わった。
「何で彼らは変身しないんですか?!」
「出来ないのよ。ブラフチェンジャーはチェンジボタンを押さないと変身できないの!つまり、手足を縛られてしまったら…」
「そんな…」
俺はその光景を見つめた。どうすればいいんだ?
俺はどうすればいいんだ?
「これじゃもうこの4人は…」
「くっ…」
俺は気がつけば駆け出していた。
「待ちなさい!」
しかし俺は委員長と呼ばれる人に呼び止められた。
「何で止めるんですか?!早くしないと彼らが…」
「そうじゃないわ。これ、変身と変身後のマニュアル。走りながら読むのよ」
「え…」
委員長が俺に渡してきたマニュアルには、ブラフマンへの変身方法と、変身後の武器などが書いてあった。
「あと、これが無いと変身できないわよ」
そしてもう一つ俺に渡してきたのは、ブラフチェンジャーだった。
「あ…」
「急ぐのよ!」
「はい!!」
俺は現場に急行した。
「くっ…まさか不覚を取るなんて…」
小さな女の子がそんなことを言う。
「チクショー…俺まだ死にたくねえよ…」
間抜けそうな男がそう呟く。
「くっ…変身さえしてりゃこんなの…!!」
ボーイッシュな女がそんな言葉を言う。
「俺も甘かったのか…」
イケメンは最後までイケメンであった。
「じゃあこいつらの十字架の下から火を点けろ」
敵の目つきの鋭い男が部下にそう命令する。
どうやら魔女狩りと同じことをするようだ。
「ブラフマンよさらばだ」
「待て!!」
そんなとき、とある大声がその場に響いた。
「何だお前!」
そこには一人の男が敵の男を一睨みしていた。
「そいつらを放せ!」
「ダメよ!逃げて!」
小さな女の子が勇敢な男に言うが、その言葉は彼に届かなかった。
「貴様も死ね」
「うっ!」
そのとき、敵の一味の放った大砲がその男を襲った。
「ああ?!」
誰もが彼の死を想像した。しかし…
「ブラフチェンジャー!!」
「何だと?!」
被弾する間近、彼の叫んだ言葉は予想外なものだった…
「貴様…何者だ?!」
目つきの鋭い男が変身した俺に叫ぶ。
「俺は正義の使者、ブラフレッド!!」
「何ぃ?!ブラフマンは5人いたのか?!」
「普通戦隊ヒーローは5人です風紀様」
「う…」
目つきの鋭い男は部下の女性に突っ込まれて固まった。
俺はその間に4人に駆け寄り、4人の縄を解いた。
いつも思うのだが、敵はこういうところは狙わない。
「アンタ…」
ボーイッシュな女が俺を涙目で見た。
本当は怖かったのだろう。
「話は後だ。今はあいつらを片付けるぞ!」
「おう!!」
みんながそう返事し、4人ともチェンジボタンを押す。
「ブラフチェンジャー!!」
4人が同時に変わっていく。
イケメンの男はブラックに。
お調子者はブルーに。
ボーイッシュな女はピンクに。
小さな女の子はホワイトに。
「振り向いた女は数知れず、別名、愛の通り魔、ブラフブラック!」
「世界中の女は俺のものだぜ!自称ジゴロ、ブラフブルー!」
「世界は私を中心に回ってる!いつでもハッピー、ブラフピンク!」
「私の貧乳は発育不良なだけ!クールで毒舌、ブラフホワイト!」
「そして、世界の平和は俺達が守る!5人揃って!」
「「「「「ブラフマン!!」」」」」
俺達は決めポーズもきっちりと決めた。リハなしに。
「くっ…ブラフマンめ。我々の邪魔をことごとくして…」
「風紀様。後はお任せします」
「はっ?!」
部下の女は先に逃げてしまった。
「残すはお前だけだ!目つきの悪い男!」
「せめて風紀と呼べ!」
俺達5人はその男を囲んだ。
「行くぞ!俺達の愛は無限大!」
そして俺達5人で無抵抗の敵をボコボコにした。
「く…覚えておけよ!!」
目つきの鋭い男は傷だらけの体で消えていった。
「逃がしたか…ん?」
そのとき、俺は視線を感じた。
その方向に俺は目を向けた。
「朱里?!」
「!!」
彼女は俺を見るとすぐに踵を返して逃げていった。
どういうことだ…?何で彼女は俺を避ける?
「朱里!!」
俺の叫びは彼女に届かなかった…
ガバッ!!
俺は布団から跳ね起きた。
「なんつー夢だ…」
俺はため息を吐きながら起きることにする。
「ふぅ…バカバカし…?!」
しかし俺の腕にはしっかりとブラフチェンジャーがはめられていたのだった…
何をやってるんだ〜〜〜〜!!
すいませんすいません。ちょっと息抜きしたかったんですよ〜。
だからあんまり叩かないでください…




