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ユニバース!  作者: ふぁい
第七章 水牢都市大脱出編
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第九十九話 雪解け

「あ、撃っちゃった」


振り向いたマサムネに驚いたのか、金髪のエルフ、ビビは構えた矢を手から放してしまう。

矢は勢いよく真っすぐ飛び、寸分のズレなくマサムネの股間に命中した。


キン


しかし矢は弾かれる。



「なんで股間に当たって金属音がするのよ・・・。つーかごめんなさい」



「うんうん、そうだね、謝罪が先だね。なんで俺の尻を狙ったんだ?新手の求愛行動か?」



「ちちち違うわよ!!あなた・・・不死身じゃない?お互い無傷で闘いを止めたかったのよ。

 二人が争う必要なんかないじゃない!」


ビビは顔を真っ赤にしながら弁明をしている。


「争う理由ならあるさ。コイツはな・・・熟女好きとホザきながら実際はロリコンだったんだ。

 仲間と見せかけて騙し討ちをしたんだぞ。許せるもんか」


「熟女好き・・・」


「だから誤解だってんだろ。仕方ない・・・プリシラあああ、プリシラどこだああああ」



マサムネは大声でプリシラを呼ぶ。出てこなくてもいいのに、崩れたガレキの後ろからプリシラがヒョッコリ顔を出す。



「ほら、クラノスケ俺を見ろ。無反応だろ?ついでにビビも見てくれないか?」



プリシラのほうをチラチラみながら、マサムネは腰に手を当てて仁王立ちをしている。

威風堂々。そんな言葉が良く似合う、いで立ちだ。


「なんでアタシまで見なきゃいけないのよ・・・バカじゃない」


「確かに・・・誤解・・・だったのか・・・」



クラノスケはその場にヘタりこむ。




「ふう・・・わかってくれたらそれでいいよ。で、ビビは何をしにきたんだ?」



「実際の所用事があるのは、クラノスケね。スノウから書状を預かってきているの。

 声に出して読んではダメよ?黙って読んでね」



ビビは座り込んでいるクラノスケに手紙を渡す。

クラノスケは、表情も変えずに手紙を読み、しばらくして手紙を自ら出す炎で焼却処分した。



「・・・了解した。ありがとう。ビビ」


「気持ち悪いわ・・・クソロリコン」


ビビは罵声を浴びせたが晴れやかな笑顔だった。


「さて、用事も済んだことだし、脱出するわよ。マサムネ、クラノスケはどうする?」



「「おれは・・・」」




「プリシラさまああああ、たいへんですうううう」


食堂の入り口から看守兵が一人、勢いよく入ってくる。


「ど、どうしたデチか?」



「東の海より艦隊多数。水上にも空中にも戦艦が攻めてきております!!

 トウ・バレンシアが魔族を率いて総攻撃をかけてきました!!」



事態は思わぬ方向へと進んでいった。


お読みいただきありがとうございました。

これにて七章完結です。

明日から八章です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 第七章 まで読了しました! クラノスケと和解かと思いきや、 まさかの性癖誤解からの対決 耐久力のあるマサムネのほうに分がありそうだけど クラノスケのほうが熟練ぽいかんじ [一言] ひさび…
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