第九十四話 立ち聞き
その夜
マサムネは、尿意を催したので、1人トイレへと向かった。
(む、食堂で話し声が聞こえるぞ・・・こんな夜更けになんだろ)
「ホント、ロリコンって扱いやちゅいでちゅ」
「ふふふ、流石聡明なプリシラ様。作戦お見事でした」
「ノランも噂を広めてくれてご苦労様でちた」
なんとプリシラとベテラン囚人のノランが話をしているではないか。
マサムネはさらに聞き耳をたてる。
「このペースでいくと3日後には、プリズムプリシラカノンの充電が溜まります。
レオンガルド王国も消し炭にできましょうぞ」
「プリシシシ、アタチをこんな監獄に追いやったスノウに復讐でちちゅよ。
何もかも無くして、アタチが新しいお姫様になるでちゅ」
マサムネは初めてプリシラの笑い声を聞いた。
自分の名前で笑う奴なんていままでいなかったので驚いた。
「ちょっと待て、待て待てええい」
マサムネは、食堂で話をする二人に向かって叫ぶ
「な?!おまえは、新入りの!!」
「キャーマサムネじゃないでちか!!なんで裸なんでちか!!」
プリシラとノランは予想外の来訪者に驚いている。
「寝る時は裸だ!そんなことよりも今の話は本当か?プリシラタイムはどうするんだ?」
「プリシシシ、バカでち、そんなものするワケないでち、全ては幻でちよ。幼女の幼と幻は似てるでちね!プリシシシシ」
またもプリシラは自分の名前を入れて笑っている。
最初はアリ・・と思っていたが、あまりにもプリシラが下卑た顔だったので、評価は反転した。
「プリシラ様・・・ここは奴を挑発するよりも仲間にした方が適切かと・・・。おい、マサムネとやら、このことを内密にしてくれたらプリシラ様の一の部下にしてやってもいいのだぞ?次期レオンガルドのプリンセス様だ。損はなかろう。足ぐらいは舐めさせてもらえるかもしれんぞ?」
ノランは二重あごを揺らしながらマサムネに提案する。
これがクラノスケだと、土下座降伏ルートだっただろう。
「このおれを、見くびるな。おれは・・・熟女が好きなんだ。それもお腹にお肉のたっぷりついたな!!」
そう二人に言い放つとマサムネは、ゆっくりとプリシラに近づいていく。
「く、くるなああああ、この変態が!!」
「いやあああああああ」
深夜にも関わらず二人は絶叫する。
「これは、一体何をやっているんだ?」
マサムネが振り返ると、食堂の入口にクラノスケが立っていた。