第九十二話 セカンド逮捕
「会いたかったぜ、全裸の男・・・」
クラノスケはマサムネに詰め寄る。
「おまえは・・・タイツの男か・・・久しぶりだな」
「ふざけたあだ名をつけやがって・・・この前の勝負の決着をつけてやる。
言っておくが、あの勝負、俺は敗けたとは思っていない。
たまたま後頭部に貴様の斧が当たっただけだ。さあ勝負だ」
クラノスケがマサムネに殴りかかろうとした時、
「待ちなちゃーーい」
監獄長プリシラが兵士を引き連れて二人の前に現れた。
「侵入ちゃでちゅねーうわわ、なんでハダカンボなんでちゅかぁあああ。
前をかくちて、おとなちくちなちゃーーい」
プリシラは顔を両手で覆いつつも、
指の隙間からマサムネのナニをバッチリ見ていた。
「わかった・・・とりあえず言う通りにしよう」
そういうと、マサムネはおとなしくなり逮捕された。
「おい、貴様、俺との決着はどうするんだ」
クラノスケは兵士に連れていかれるマサムネに叫ぶ。
「とりあえず話を聞く。後で会いにくるよ。
どうせカンタンには逃げられないんだろ?」
マサムネはニコリと笑い、そのまま監獄室へと連れて行かれた。
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無頼首都孤月にて
「トウ・バレンシア様ご入来!」
地蔵が鏡月円卓の間へと入る。
「どうなされました、バレンシア様。いったい何用じゃ」
左目に眼帯をした男ゼン・ヴェルトは地蔵に尋ねた。
九家の中でも古株のヴェルトは円卓の間の管理を任されている。
歴戦の猛者の雰囲気を帯びているが、九家の中はでは最弱だ。
「急な呼び出しすまない、ヴェルト。これより、残った魔界九家の召集を頼む」
地蔵は顔色ひとつ変えずに発言する。
「全員でございますか?」
「ああ・・・これから総攻撃にうつる」
地蔵は顔色変えずに発言した。