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ユニバース!  作者: ふぁい
第七章 水牢都市大脱出編
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第九十一話 ここで会ったが百年目


ずささささ


マサムネを載せた鍋は、ノースノーザンパイルを真っすぐにくだっていく。


太陽フレアの余熱が雪面を一瞬で蒸発させ、水蒸気が鍋全体を覆っている。


それでも、鍋は止まらない。時にはクレバスがあったりもしたが、

スキージャンプの要領で飛び越えすすむ。



とうとう東の果てまで進み、鍋はそのまま崖から転落した。



崖の下は、海だった。

マサムネだった黒い塊はそのまま鍋から零れ落ち、海底へと沈んでいった。





(ここは・・・)



マサムネは、闇の中で目を覚ました。

最初は暗すぎたのと、元居た山小屋と地形が違いすぎてパニック状態になったが、

呼吸を整えると気分が落ち着いてきた。



(エラ呼吸・・・まだできたんだな・・・良かった)



マサムネの身体は環境に応じて適した状態にフォームチェンジできる。

神斧リサナウトが近くになくても発動できるようだ。



(あの光はなんだ)



マサムネは、真っ暗な深海に一つの光を見つける。

太陽の光も届かない海の底なのに、その場所はとても明るい。


(とりあえず行ってみるか)


マサムネは光の射す方へ泳ぎ出す。


(すごい・・・見たこともない魚たちが一緒に泳いでくれているぞ。

 ふふふ、ファンタジーの世界にきたんだなぁ)



実際、深海魚たちは突如現れた全裸の男から全力で逃げているだけだった。



(なんだあれは?)


しばらく進むと、マサムネは海底に巨大な施設を見つけた。

エレベータが施設の中心を通り、はるか海上へむけて昇っていくのが見えた。


(海底にこんなデカい設備があるなんて・・・)



マサムネは建物の下へと視線を向ける。

どうやら大きな部屋の中に数えきれないくらいの回し車があり、

その中には人間が全力で走っている。



(奴隷なのか・・・なんてこった・・・早く助けないと・・・)


マサムネは素手でガラスの天井をたたき割る。

ガラスはマサムネの拳ですぐに割れた。

大量の海水と共にマサムネは施設に入り込む。

そのまま顔から床に着地した。



「いた・・・くないぞ・・・なんでだ?」


マサムネは身体をくまなくチェックする。

痛みがない。高い所から落ちたのに傷が一つもない。



(これが・・・ドラゴニウムの力・・・)


マサムネが自分の身体の変化に驚いていると、



「おまえは・・・おまえは・・・

 ここで会ったが百年めええええええ」


かなり古い言い回しでクラノスケが突っかかってきた。





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