表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニバース!  作者: ふぁい
第壱章 ユグドラシルの森編
8/130

第八話 森の変態、その真骨頂。

「ボルケーノ!ボルケーノ!ボルケーノ!ボルケーノ!ボルケーノ!ボルケーノ!

 ボルケーノ!ボルケーノ!ボルケーノ!ボルケーノ!ボルケーノ!」


全裸の男を見た瞬間、リンは、炎魔法を連射した。

(あれは、ヤバいものだ。奴から発するプレッシャーはもちろん、

全裸で、マッチョで、笑顔って最悪だ。

さらに持ってる斧が凶悪。戦斧というのだろうか。

柄が長く先端に鋭い両刃がついている。もしかして、ミレニアムアームズなのか・・・。

会話をする必要なんかないんだ。早急に処理しないと・・・)


この間0.6秒。


マサムネの身体は、一瞬で炎に包まれ、消し炭になった。


「やったか!!俺様の炎を持ってすればこれぐらい造作もない」


リンと、深紅のゴーレムが突然の脅威を排除し、感極まっていると、

奇妙な変化が起こった。

マサムネの灰が集まって再生をはじめたのだ。


集まった灰が口の形をして語り出す。


「どうやら、世界樹の葉を主食にしたおかげで、自己再生能力を得たようだ。

 しかもこのスピードなら『瞬間再生能力』だな!!」


リンと深紅のゴーレムの前に全裸の男が再生し、顕現した。

全裸の男は優しく語りかける。


「大丈夫、おれイヤ、ぼかぁ悪い奴じゃないよ。君たちと話がしたいんだ」


そうやって全裸の男は両手を広げて魔族二人に近づいてきた。


「く、くるなああああボルケーノ!!ボルケーノ!ボルカノン!!」


リンは、笑顔で近づいてくる全裸の男に危険を感じ、再度、炎魔法を放った。

しかし、心がひどく乱れてしまったので、狙いが定まらない。

炎弾は、あさっての方向に飛び、木に火をつけてしまった。

火は隣の木にうつり、ドンドン燃え広がっていく。


世界樹の森の一部が燃えている。マサムネの家である森が。

「おまえは、森を燃やすのか?森の敵か? 」


マサムネの顔色がみるみる変わっていく。

今にも戦斧を振り回し、突っ込んできそうだ。

そのあまりの形相に恐怖し、リンは言葉がでてこない。

代わりに、震えた声で深紅のゴーレムがマサムネに話しかけた。


「おい、止まれ、変態。この場には15万体のメタルガーディアンがいるんだ。いかに不死身の変態とて、いつかは疲れるんだ。動けなくなるハズだ。おとなしく投降しろ。その手に持っている戦斧を渡すんだ 」


その挑発に呼応するように、リンたち魔族の後ろから、地平線いっぱいのゴーレムが姿を現した。

100体200体の話ではない。地平線の向こうがゴーレムで溢れて見えない。

数万体のゴーレムが敵意をむき出しに襲いかかってくるのだ。

そのあまりにも異様な光景に、誰もが畏怖を覚えそうなものだ。

だが、マサムネは無表情。怯まない。

相手が誰であろうと、森を焼かれた恨みを許すつもりはないらしい。



「是非もなし。戦斧コイツが欲しけりゃくれてやる」


マサムネはハンマー投げの要領でクルクル回転し、両手で思いっきり、戦斧を投げ飛ばした。


ズガガガガ


戦斧は、クルクルと横に回転しながら、弧を描くように飛び、

地平線いっぱいのゴーレムを薙ぎ払っていった。

ゴーレムに当たる度に砕け、破片が吹き飛び、また次のゴーレムに当たる。

中には戦斧の衝撃でドミノ倒しになるゴーレムも。


「とりあえず第一波は、ぶっつぶしたかな。なかなかいい武器だな。戦斧エクスカリバー

マサムネは、この戦斧をエクスカリバーと呼ぶことにしたらしい。


「こい、戦斧エクスカリバー!」


マサムネが戦斧を呼ぶと、敵陣に突き刺さった戦斧は、自動で浮かび、

マサムネの手元に戻っていった。


「いい子だ、戦斧エクスカリバー


と言いながら、マサムネは戦斧に口づけをする。

刃物に正面からキスをしたものだから、顔に縦線一筋の傷がついた。


だが、ゴーレムの数は多い。第一波を退けたとはいえ、

まだまだ空から万単位のゴーレムが降ってくる。

マサムネは、倒すのが面倒になってきていた。


そこで考える。


(あの深紅のゴーレム。奴は隊長機に違いない。

倒すと他のゴーレムも止まる筈だ。なら奴を殺ろう。

でも、ボスキャラには必殺技を使わないとだな。一応、見せ場だし。

斧の必殺技か・・・派手なのは、薪割りダイナミックだ)


解説しよう。

薪割りダイナミックとは、空高くジャンプし、

天空から薪割りのごとく、敵を一刀両断するカッコいい斧技である。


この間、0.6秒。

マサムネは、地面を思いっきり蹴り、跳躍した。

高く、高く、高く・・・。

気づいたら雲の上を飛んでいるーーまだ上がる。

マサムネは、雲を飛び越え、成層圏を突き抜け、呼吸困難になり、気絶した。

お読みいただきありがとうございます。

ブックマーク、感想、評価ポチポチよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 薪割りダイナミックからの呼吸困難がすばらしい笑
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ