第七話 二つの襲来
「リン様、着きました。ここがユグドラシルの森です」
全身が深紅の装甲にカラーリングされたゴーレムが、黒服の男に話しかけた。
「ここに封印していたミレニアムアームズがあるのだね」
「はっ!数日前にミレニアムを守護していたガーディアンの反応がロストしまして・・・。
我々が様子を見にいけとのご命令がくだったのですが、まさか九家の方までご足労いただくとは、マンモス嬉ぴい」
「最後まで緊張感を持て、ポンコツ!それで、こちらの戦力はどうなのだ。
多いにこしたことはないのだが。何事も万全でいかねばな」
「はっ!ガーディアンが15体全滅を考えると、相手はかなりの手練。
少なくともガーディアン級の冒険者だと思われます。
ですから、それの3倍強いメタルガーディアンを、15万体用意しました」
深紅のゴーレムは、満足そうな顔で黒服の男に話しかけた。
「ほう、15万体か・・・えええ?! 15万?マジで?そんな戦力連れてきていいの?大丈夫?
ガーディアンって動かすの燃料すごく高いんだよ?祭壇に配置していた分だって、節電して普段は眠らせていたのに・・・大丈夫?重いから運ぶのも大変だし。大丈夫」
黒ずくめの男は驚きすぎて瞳孔が開きかけていた。
ツバも沢山飛んでいる。イケメン風なのにもったいない。
「はっ!すべて空輸で連れてきました。戦闘母艦ゴリランテに15万体搭載済みです。
ミレニアムアームズが奪われたとなれば、我ら魔族の危機。生きるか死ぬかの問題です。
そんな燃料代がなんですか。バカ言っちゃいけませんよ。このバカ当主」
「おま、いま馬鹿っていったな、言っとくけど魔界でも俺はまあまあ強いんだぞ!ランキング6位だよ?魔界九家の序列6位なんだぜ。おい、クソ無機物よ、消し炭にしてやろうか!!」
と言いながら、黒服の男は右手から炎を出した。炎は力強く燃えている。ただの炎ではなさそうだ。
「リン様それは、やめてください。ここで煉獄を使われてしまうと、ユグドラシルに引火します。世界樹が燃えてしまうと、ユニバース的に非常にマズいですよ。とにかくガーディアンは、随時ここに待機していきますから、祭壇の様子を見にいきましょう」
そんな二人の魔族が、森へ足を踏み入れようとした瞬間。
「ニンゲン?ハジメテ」
全裸で戦斧を担いだ男が現れた。
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