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ユニバース!  作者: ふぁい
第伍章 魔族侵攻編
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第六十八話 カイ、真っ二つ

「マジかよ・・・そんなのアリ?!」


カイはヒレの生えたマサムネに驚愕している・・・。



「聞いたことがあるわ・・・。ミレニアムアームズは、持ち主の想いを具現化することがあるって・・・。あの銀色の斧がそうなんだわ。あれこそ、神斧リサナウト!アイツが選ばれたのね」


レツは驚愕している。1000年に一度、神が創る戦闘兵器ミレニアムアームズ。

それが今、目の前で輝きを放って存在している。



「それでも、持ち主の身体が変わるなんてビックリでしょ。あり得ない」


カイはまだ現実を受け止めきれないようだ。

それもそのハズ。マサムネの頸動脈の当たりから水泡が出て来ている。

呼吸をしているのだ。マサムネの変態は、エラ呼吸をも可能にした。



「ガガガボベブゾ。ボベバラバババエル」


先ほどまで青ざめていた顔色が元に戻っていく。

酸素が体内に循環していっているようだ。

復調したマサムネは、ヒレを動かし水牢の中をかき混ぜる。

たちまち水流ができ初め、マサムネの身体を水面へと上げていく。

ヒレを持つサハギンは水中では3倍の機動力を誇った。

マサムネの身体から生えてきたヒレは、サハギンの持つ機動力の30倍は、強いヒレだ。

なので、水中で無茶苦茶、動けるのだ。



「くっ・・・呼吸ができるとはいえ、なぜ動ける・・・。

 重力魔法が効いていないのか・・・。もっとGを上げ・・・」


レツが重力を強化しようとした瞬間、マサムネは水中から飛び出した。

そのまま空中で戦斧を振りかぶる。



「くらえ、チャラ男!うおおおおお」


カイ目掛けて、空から斧を振り下ろそうと落ちていく。



「ウォーターシールド!」


カイの詠唱とともに、水でできたシールドを展開する。


(プリズンから抜けだせたのは、褒めてやろう。

 だが、このウォーターシールドは絶対の盾だ。

 水はどんな攻撃も受け流す。絶対に効かん。

 攻撃を受けきったら、私のサーフボード術を見せてやる)



マサムネは、ものすごい勢いで空から落ちてくる。



「でえりゃああああああああああああああああ」


マサムネの渾身の一撃は、水の盾に阻まれた。

だが、それは一瞬で、その衝撃は水の緩衝を貫き、

カイ・ウォーターサーブを真っ二つに切り裂いた。



「ば・・か・・・な・・・俺っちが、半分に」


足下まで戦斧を振り下ろしたマサムネは、

青い血を払い、こう言った。



「盾がなんだ。力こそパワーだ」



「信じられない・・・私の重力魔法の勢いを・・・。

 地面に引き寄せられる勢いまでも利用した・・・。

 ああ・・・カイ・・・なんてこと・・・」


大量の血をまき散らし、半分に斬殺されたカイの死体は、その場に倒れる。

レツ・グラビアノスはその場にへたりこむ。

身体はワナワナと震えている。



戦意喪失。勝負あり。

魔界九家二人との闘いは、からくもマサムネの勝利。



とはいかなかった。






レオンガルド、東の見張り台。

スノウは、戦況を監視し、ビビは弓で壁や敵兵士を迎撃していた。


「なんだ・・・あれは?」


スノウが、敵陣のさらに後方から迫り来る飛翔体を発見する。



「灰色の人・・・なのかしら?スゴいスピードで飛んでくるわ」


ビビも色までは判別できるが詳しくはわからない。


正体不明の飛翔体は、マサムネが闘っている戦場へと降り立つ。






「お、おまえは・・・」


マサムネは、目の前の光景に戦慄する。言葉が出て来ない。

こんなことは、考えたことがなかったからだ。



突如、地蔵が飛来した。

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