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ユニバース!  作者: ふぁい
第伍章 魔族侵攻編
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第六十六話 全裸男のサハギン祭り

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ」


ゼノンは階段を駆け下りていく。



(どうして、オイラは走っているんだ。

 人名救助の為。これは納得だ。

 人が死ぬのは見たくない。後味が悪いからだ。 

 では、助けたらそのあとは、どうするんだ。

 魔族と戦えるのか? 否。

 シャー・カーンの話を断ったのは、

 クラノスケがクソ野郎だったからだ。

 アイツの仲間になんかなる必要はない。

 

 だが、魔族と人間が仲良くなることは大賛成だ。

 マサムネにビビ、良い奴は人間サイドにもたくさんいる。

 じゃあ、マサムネ達が魔族と戦うなら、おれはどうすればいいんだ。

 同族を殴れるのだろうか。

 戦えない。知らない奴だから、酷い奴だからといって魔族全部と戦うことはできない。

 じゃあマサムネ達を見捨てるのか。できない。

 どうすればいい。どうすればいいんだ)



ゼノンはいつのまにか屋外の壁まで到達し、

気づいたら壁を拳で殴り、粉砕していた。


溜まった水が空いた穴から少しずつ流れていく。


ポタポタとゼノンの拳からも血が流れ、水と混じりあう。

魔族の青い血は、水の中ではとても見つけ難く、すぐに見えなくなってしまった。



▼▼▼



「サハギン食うどおおおおお」



マサムネは、魔族軍の奥の陣地へと降下した。

今回、大気圏突入は自重。あまり高度を上げすぎると狙いが定めにくくなるためだ。

威力も強大すぎる。敵だけでなく味方まで消滅させてしまう。

そんなバカなことはできない。

目の前に美食があるのに、消滅だなんてとんでもない。

できれば生け捕りにしたい。マサムネの決意は固かった。



マサムネの全裸スカイフォールを直撃したサハギンはビチャビチャになった。

肉片と体液が混じりあい、食べるどころか見られたものではない。

半径200メートルにいる他のサハギンたちも同様の状態だ。


マサムネは、ビチャビチャの塊の中から目玉らしきものを拾い上げ、口にいれた。


「くちゃくちゃ、うむ塩気が効いているな。しかもDHAが入ってそうだ」


全裸男のサハギン狩りがはじまった!



「おうりゃああああ」


マサムネは、戦斧を振り回す。

高速で迫りくる鉄塊に巻き込まれたサハギンの身体が弾け飛ぶ。

魔族軍の後方では、死の嵐が巻き起こっていた。


「ムシャムシャ、パクパク」



マサムネは、粉砕したサハギンの腕や足を丸かじりしている。

斧刃には水色の血がベッタりとついている。

その血を拭って、突如、自分の顔に隈取の化粧をしていく。

これからさらにサハギンを殺す。

そのメッセージを込めたのかは定かではない。

だが奇しくも水色の隈取は、冷酷さを意味している。


顔は隈取、股間は竜、他は裸の変態一人。

異世界ユニバースに絶対に見たこともない新作歌舞伎が爆誕した。




(この肉、味はあまりしないな。だが葉っぱに比べると格段にいい。

 肉質はパサパサしている。醤油が欲しい所だ。

 味は兎も角、腹いっぱい食べてみるか)


だいたい200本ぐらいだろうか。

マサムネはサハギンの手足を食べ、それの50倍くらいの死体の山を築いた頃。


「わーお、マジでアタオカな奴が現れたなぁ。ちょっと遊ぼうぜアンちゃん」


アタオカとは、頭がおかしいの略語である。

小麦色の肌にアロハシャツ、魔界九家が一人、カイ・ウォーターサーブが現れた。

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