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ユニバース!  作者: ふぁい
第伍章 魔族侵攻編
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第六十四話 開戦

レオンガルド東の見張り台。

城の東西南北に設置してある見張り台のうち、

これまでほとんど何も異変が起こらない場所として知られている。

見張りが当番に当たると喜ばれる場所だ。


しかし現在、マサムネたちの目の前に、明らかな殺意を持った敵が一面を覆いつくしている。




「・・・とりあえず前の方にいるのはサハギンね。数は、100万ほどかしら」


ビビが双眼鏡を見ずに答えた。

サハギンとは、水棲系のモンスターだ。半魚人の姿をして、三叉の槍で攻撃してくる。



「見えるのか?目がいいんだな」


マサムネは素直に関心した。

ビビはマサムネに褒められてご満悦だ。


「千里弓の名は伊達ではないですね・・・。こちらも手を拱いている場合ではありません。イヴェールはいますか?」


「はっ、イヴェール様は、知らせを聞いてすぐに兵士を集めております。

 まもなく防衛線を張りに出撃するものと思われます」


「よろしい。サハギンならば、イヴェールに任せておけば、しばらく持つでしょう。

 準備ができた兵士から随時出撃しなさい。5万人までは出撃を許可します。

 イヴェールに伝えてくださいね」


スノウは伝令の兵士に魔族軍の対応を伝える。


「・・・・イヴェールって?」


ゼノンはビビに尋ねた。



「冬騎士イヴェールは、レオンガルドの四季騎士フォーシーズンの一人よ。賢者スノウの親衛隊といったところかしら。それぞれ武芸に秀でているし、軍略もできるって話よ」



「ふふふ、ご存知ですね。ビビさんのおっしゃる通り、先ほどクラノスケを連行していった者たちも四季騎士フォーシーズンたちです。紹介できませんでしたね。

彼女たちなら、おそらく遅れをとることはありません。ですが」



スノウが何かを言いかけているその時、

東の城門から騎馬隊が魔族軍の方へと飛び出していった。先頭を走るのは青白い髪の女騎士だった。



「あれが、イヴェールってヤツか。四季騎士フォーシーズンってアイスの名前みたいだな」



マサムネが吞気なことを言っているウチに、イヴェールが魔族軍とぶつかる。

どうやら、イヴェールの武器は大きな槍のようだ。回転するかのごとく槍を振り回し、サハギンたちが、どんどん吹き飛ばされて行く。



「わぁお!やるじゃない。サハギンって元々水際で強さを発揮するモンスターなのよね。だから、今目の前の地形ではそんな心配することないんじゃないの?」


ビビは笑顔でスノウに話しかけた。


「いいえ、ビビさん。ワタシは、何か嫌な予感がするのです。その証拠にほら」



スノウは、敵の軍勢の奥の方を指差す。

何やら赤い光が輝いている。



「なんだ?星か?チカチカ光っているな」



「違うわよ。マサムネ・・・あれは・・・魔法陣ね・・・しかもあの模様は・・・土魔法?」



ビビが魔法陣の種類を言い当てたと同時に、戦場の四方がせり上がっていく。

あっという間に土壁が戦場を囲み、騎馬隊とサハギンたちがすっぽりと中に入る形になった。



「・・・あれはマズいぞ・・・あれじゃあ・・・みんな逃げられない・・・」


ゼノンを初め、ビビやスノウの顔も曇っていく。


「マサムネさん、どうか、我らに今一度手を貸していただけないでしょうか。

 ゼノンさん、ビビさんもどうか・・・・」



スノウが、3人に頭を下げている時に、さらに赤い光が魔族軍を照らす。



「また魔法陣・・・アレは・・・やばいわよ!!」



「水魔法だ、しかもスゴい魔力量!!」



魔法陣は戦場の真上で展開し、そこから大量の水が吹き出していった。


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