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ユニバース!  作者: ふぁい
第四章 邂逅編
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第四十九話 喋るレリーフ

「ありがとうございます。また、遊びに来ますよ 」


マサムネは竜に別れを告げる。


せっかくもらった盾を下着として使い続けることは、正直気まずかった。

だが、それ以上のフィット感なので仕方がない。

仕方がないのだ。



自分があけた穴に向かって、マサムネはジャンプしていく。


地下10階まで戻ってくると何やら違和感に気づく。


「・・・何かの気配がする」


マサムネは壁際に視線をむける。


来る時に舐めたレリーフ――よく見ると色が変わっている。


茶色だったレリーフが今は、銀色の髪に紫色の皮膚をした顔に戻っている。


(こいつは・・・もしかしたら・・・)


マサムネは、レリーフ全体に唾液を塗りたくった。

解説しよう。

マサムネの身体は、世界樹の葉を食べまくったことで、歩く万能薬となっている。

つまり、マサムネの体液はどんな状態異常も治す薬なのだ。


唾液を塗った箇所が光り出す。



「・・・・・・ここは・・・・?」


「うお、やはり生きていたか。ここは嘆きの遺跡の地下10階だよ。なんか置物になってたぞ。名前はわかるか?」


「・・・ゼノン・・・・もしかして・・・あなたが助けてくれた?」


「まあ、そうなるな。でも、気にしないでいいぜ。最初は、甘いものと思っていたからな」


「・・・・ありがとう・・・あなた、不思議な恰好をしているな」


「へへへ。この一張羅は、さっき竜から貰ったんだぜ。イカすだろ!!」


マサムネは、股間の竜をゼノンに見せびらかす。


「・・・竜!?・・・殺されなかったのか?・・・・オイラは右腕を持っていかれた・・・」


よく見るとゼノンは右の肩から先がなかった。


「おお、これは痛そうだな・・・。でも、心配すんなツバつけときゃ治るからよ」


言って、マサムネはゼノンの肩に唾液を塗りこむ。

なんと、失われた筈の腕が元通りに復元されていく・・・。


「・・・・・すごい、オイラもう、ずっと片腕だと思っていた・・・ありがとう。ありがとう。良ければあなたの名前を教えてくれないか?」


「おれは、マサムネ。ただのマサムネだ」


「マサムネか・・・もしかして・・・いや、なんでもない」


「そうか。地上に戻るが一緒にくるか?送るぜ!!」


こうして、マサムネはユニバースに来て5年目にして旅の仲間ができたのである。

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