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ユニバース!  作者: ふぁい
第四章 邂逅編
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第四十四話 半牛半人VS変態

ミノタウロスは恐怖している。

魔物にも感情はあるのだ。

侵入者が部屋に入ると、魔法陣より召喚される。

冒険者を倒せたら、魔法陣より待機所へ送られる。

自分が倒されたら記憶を失って、待機所へ送られる。

そして、新たな侵入者を迎え撃つべく魔法陣から再度召喚される。

そんな命令をダンジョン制作者に命じられていた。


記憶を失うとはいえ、こんな感情は初めてだ。

震えが止まらない。これほど恐怖を感じたことは今までなかった。

なんなのだ、彼奴は・・・。


ボス部屋のシャッターが急に閉まると、ベテラン冒険者でさえ、緊張感が高まる状況だ。初心者冒険者なんて失禁する者だっている。


なんだアイツは、笑っているじゃないか。緊張感のかけらもない。

ましてや落ちてくるシャッターをかわして蹴りまで入れるヤツは初めてだ。

ネジが外れているとしか思えない。


だが、逃げてはならない。敵がどれほど強大であれ、自分には戦うしか道はないのだ。


「ぐおおおおおおお 」


ミノタウロスは自分を鼓舞するかのごとく咆哮する。

そして、目の前の敵を迎え撃つべく、手に持っていた戦斧を振り上げる。

全長4メートルの化物が、大きな斧を振り下ろす。

初心者冒険者ならば腰をぬかし、震えがとまらない光景だ。

だが、目の前の敵は笑って・・・?!

ミノタウロスが、マサムネを見失った瞬間、意識はそこで途絶えた。







「この頭カッコいいな、中身をくりぬいたらお面にできないかな」

マサムネは、ミノタウロスの頭を持ちながらつぶやいた。


一瞬だった。ミノタウロスが雄叫びを上げながら斧を振り上げる。

隙しかない状態だったので、マサムネは縮地で距離を詰め、ミノタウロスの首を手刀で落とした。首のない胴体は、静かに後ろへと倒れていく。


「しかし、この部屋は臭いな。何かが燃えているような匂いがするな。うん?あのオブジェはなんだ?」


マサムネは、部屋の隅に立てかけられたレリーフを見つけた。

魔族の男がモチーフになっているのかもしれない。耳が尖っている。

かなり悲しげな表情だ。


マサムネは昔見た漫画を思い出していた。

(たしか、魔人がチョコになっちゃえーって言いながら人をチョコに変えていたっけな・・・懐かしい。色が茶色だからチョコに見えなくもないな・・・)


マサムネはレリーフの顔の部分を舐め回してみた。もちろん甘い味なんかしない。

表面はザラザラしていて、土と埃が混じり合ったような味がした。


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